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なぜか観に行った。

ファンではないんだけど欅坂46のドキュメンタリー映画を観てきた。
欅坂を含め坂道系グループの知識はまったくない。顔と名前が一致してるメンバーはごくわずかで、楽曲もメジャーなものしか聴いたことがない。
けれども、これはファン以外にも刺さる映画と風の噂で聞いたので、観に行くことにした。

欅坂46の平手友梨奈ではなく、
平手友梨奈の欅坂46。

ライブ中、ステージから飛び出て踊り狂いながら花道を1人進んでいく平手友梨奈。顔に装着していたヘッドセットマイクはその激しさに耐えきれず外れて首から垂れ下がる。そしてそのまま彼女はステージから落下。倒れた衝撃音がマイクに入って会場は静まり返る。

このシーンが冒頭で流れたので、欅坂46の全体像と平手友梨奈のキャラクター像は掴んだつもりだったが、デビュー当時の彼女は別人だったから驚いた。

当時の彼女は口数が多く、表情も穏やか。
それでいてデビューしたての子とは思えない表現力。圧倒的なスター性。
サッカーでいうところの久保建英。
歌手でいうところの宇多田ヒカル。
初回から平手友梨奈をセンターに抜擢した秋元康はやはりとんでもない神眼の持ち主。

しかし平手友梨奈自身は自分だけが特別扱いを受けることに申し訳なさを抱く。
劇中では「不協和音」から平手友梨奈に異変を感じていたと他のメンバーが語る。
「不協和音」はかなり自壊的なメッセージ性のある楽曲だし、それにのめり込んで表現するセンターの重圧は計り知れない。

以後、彼女はライブや仕事をたびたび休むようになっていく。それに伴い平手友梨奈不在による他のメンバー達の苦悩も明かされた。

平手友梨奈の存在の偉大さを例えるならば、
身長2メートルの筋肉隆々な子が小学生のバスケットボールチームにいるような感じ。
もしも欅坂46ではなく他のグループに所属していたとしてもすぐに頭角を現し世間に見つかってしまうほどのスター性と才能。

そして今年(2020年)の1月、平手友梨奈の脱退を発表。

7月にはグループ名の改名を発表し、欅坂46は幕を閉じる。

これまで欅坂46は世相を表して、そのうえで世の中を変えてきた存在のグループ。
きっと平手友梨奈がいなくなった新体制は自壊的な路線ではないはず。自壊的な表現で平手友梨奈を越えることはできない。
どういう路線でスタートするのか、そしてどのようにこの先の世の中を変えるのか、社会に対してなにを訴えるのか、これからの彼女たちに期待をしてしまう良い映画だった。

それから天才肌の平手友梨奈の今後の活躍も見守っていきたい。


ちなみに欅坂46とukka(桜エビ〜ず)の
結成日はほぼ同じで2015年。
インディーズで5年間活動続けてるんだけど、
そろそろメジャーデビューしてほしい。

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