2023/09/19

先週の水曜から休暇を続けて三日申請し、月曜の祭日とあわせて六連休開けて、きょう。パフォーマンスを出せるはずもなく……。

業務で方々に電話をかけながら、おれこんなことしたくないんだよなあという気持ちがひたすら高まってくるのを感じる。そんなこといってもなにも始まらないが。

きょうはもうあれやるしかない。午後からはそんな文字列が頭のなかを占めていた。銭湯。そこでゆっくり過ごす。面倒なタスクをひとつずつ潰しながら、静かに決意を固めた。

夕方退勤して、まずは自宅に帰る。そこで緩い衣服に着替えてもう一度外出しようとして、仕事先から電話がかかってくる。出んとこうかな。一瞬よぎる思考を無視して電話に出て半時間ほど話し、気を取り直して銭湯へ徒歩三十分ほどの道のりをポッドキャストをききながら歩く。陽が暮れる早さに少し驚きながら、えっちらおっちら行った先、細い路地を少し奥に進むと、古ぼけた明かりが灯った銭湯がぼんやりと浮かんでいるのに気付く。昔ながらの銭湯だ。

身体を洗い、ぬるめの湯船に浸かり、ひと息つく。足を伸ばせるって素晴らしい。あまりの心地の良さに口角が上がってしまうのを抑えられず変な人になる。元々変なのに、そこに拍車がかかるみたいな感じ。

あとはもう、サウナで蒸されて、水風呂で〆られての繰り返し。五往復目くらいから楽しくて仕方がなかった。サウナから水風呂はもちろん気持ちいいんだけど、水風呂からサウナに行った時も負けないくらい気持ちいい。
世にいう「ととのう」みたいな表現は、おれは実感としてよくわからないんだけど、意識が身体から二ミリ浮いた位置でぷかぷかする感じがして不安と気持ちよさが重なったような感じがする。小さい頃に出した高熱の時の意識の記憶、みたいな。  体調がいいわけではないけど非日常感にわくわくする、みたいな。  うまくきれいな言葉にする術を持たない。でもいいじゃない。きれいな言葉だけ話さなきゃいけないわけでもないんだし。サウナに籠っていると雑念を考える余裕もなくなるから、それもいい。

一時間くらい銭湯でくつろいで、復路の三十分を歩く。途中で我慢できない空腹に見舞われ、吸い寄せられるようにしてつけ麺屋に。きちんとご飯までつけてつけ麺を啜る。スープ、魚粉とか盛りすぎて濃い味付けのやつがそんなに好きではないなあと思いながら完食して、くちくなったお腹を擦りながら帰宅。最高の夜だった。冷蔵庫には冷やした度数の高い缶チューハイがスタンバイしている。最高の夜はもう少し続く。

疲れの前兆を嗅ぎとったら、たまには銭湯に行くのもわるくない。

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