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車載スティックPCへのモバイルバッテリーのUPS的利用

5V1A以下の電力で稼働する車載したスティックPCへの電源供給がキー連動で瞬間的に切れるので、安価なUPS(無停電電源装置)としてモバイルバッテリーを利用に成功した記録です。

背景

車に、消費電力が小さいスティックPCやラズパイを設置したいのですが、シガーソケットからのPCへの給電は、キーに連動してすぐにOn/Offされてしまいます。
瞬間的に電源供給が切れるとPCも強制的に落ちてしまう。つまり安全にシャットダウンができないことになります。また自動車の運転を終了してキーをOffにする前に、手動でPCをシャットダウンさせるのはけっこう、というかだいぶ面倒であります。コレをなんとかならんか、という問題意識です。

UPSがあるが

PCにはUPS(無停電電源装置)というものがあります。サーバでは普通に使うし、個人用PCや自宅のルータ、NASなどでも使うケースは多いですね。UPSは、短い時間の停電が起きても電源供給が継続され、必要に応じてIT機器を安全にシャットダンさせることもできます。最初、コレしかないとおもったのですが、鉛電池なので容量が少なく、ガタイも大きく・重い、置き場所が限定するといった欠点があります。また、値段についても安い機器も数種類ありましたが、基本的には1万円以上しますし、WindowsPCをシャットダウンさせる機能がついている機種は2万円近くします。

モバイルバッテリーはどうか?

ではUPSよりも安価・軽量なモバイルバッテリ-はどうか? となります。
まず、普通のモバイルバッテリーは、モバイルバッテリーに充電している時はスマホに充電することはできません。また、スマホを充電している時に、バッテリーを充電しようとするとスマホへの充電が停止します。モバイルバッテリーへの充電を最優先にするためだと思われます。

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写真)モバイルバッテリーからスマホを充電中。普通の使い方。

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写真)多くのモバイルバッテリーは、自らのバッテリーを充電しながらスマホを充電することはできない。

モバイルバッテリーのパススルー機能

しかし、モバイルバッテリーにはパススルーという機能を有したものがあることを知りました。パススルーとは、モバイルバッテリーに充電しながら、同時にスマホ(今回はPC)へ給電できるという機能です。ん、これってUPSと一緒ではないかと、小躍りしました。
しかし、パススルー機能を有すると記載されているモバイルバッテリーの多くは、充電ケーブルを抜いた時に瞬間的または数秒間、PCへの給電が停止してしまいます。またバッテリーでPCを駆動させている状態の時に、充電を開始すると同様にPCへの給電が停止してしまいます。その後、給電は再開されるので、スマホのようにバッテリーを有するIT機器への機能としては問題がないでしょう。しかし、スティックPCのようにバッテリーがない場合は、瞬間であっても給電が停止すればぶち切れです。これではUPSとしての意味が無くなってしまいます。

RavPowerのモバイルバッテリー「RP-PB058」

数日かけて何台ものモバイルバッテリーを試しました。しかし給電が瞬間的に切れる製品ばかりのため諦めかけていました。偶然、自宅で保有していたRavPower社の「RP-PB058」という28600mhAのモバイルバッテリーを試したところ、充電を切ってもPCへの給電が継続しますし、新たに充電を開始してもPCへの給電が継続されることがわかりました。そこにはタイムラグがありません。瞬間的・自動的に切り替わります。スティックPCをつないで試したところ、給電は継続され、PCが急に落ちることもありませんでした。
これにて、モバイルバッテリーをUPS的に利用する方法が成功となりました。パチパチパチ。

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写真)パススルー機能であり、さらに充電を開始しても終了しても瞬間的にもPCへの給電が止まらない。素晴らしい。

このバッテリーは2020年12月現在、既に製造販売は終了しています。同じように瞬断しないでパススルー機能に切り替わるモバイルバッテリーをご存じの方は、機種を教えてください。よろしくお願いします。

ドラレコのバックアップ電源という手もあった(追記)

普及が進んでいるドラレコも、通常はシガーソケットから電源をとります。多くはUSB(5V)に変換されるかと思いますが、エンジンを切った駐車時にも録画を継続したいという需要が多いためか、バックアップ電源が各社から発売されていました。モバイルバッテリーより容量が少なく価格も高いですが、電源供給は連続して途切れないようです。瞬断しないパススルー機能付きモバイルバッテリーが入手困難になった時は、こちらの製品が代替手段になりそうです。






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