「#テレ東ドラマシナリオ」

謎めく鍋パの七不思議

テレ東オリジナルドラマ

 タイトル 「天使が囁く日」

  

あらすじ

 北海道の田舎から上京し、東京の大学で親友となった4人は毎年2月になると、年に一度、鍋パーティーをしていた。しかし、2年前の鍋パーティーの日に4人の乗った車が交通事故にあい、親友の一人、礼だけが死んでしまう。礼と同棲していた4人の中の一人、ミコが他の2人を招き、礼の死んだあとも礼のアパートで鍋パーティーを続けるのだが、今年に限って缶ビールの蓋が突然開いたり、グラスが倒れたり、鍋の中身が亡くなっていたりと不思議な現象が次々と起こる。3人は、礼の幽霊が来ているのではないかと、怖がりながらも嬉しさ半分で礼の思い出話などを続ける。すると突然礼が、霊媒師の伽倻と共に3人の前に姿を現す。恐れおののく3人だが、そこで3人は礼から衝撃の事実を告げられることとなる。


 人物  

如月 礼(25)鍋パする家の主

天野ミカ(25)礼と同棲する彼女

神野 守(25)親友4人の一人

祠 明美(25)親友4人の一人

伽倻  (35)霊媒師

救急隊員

本編

  ○礼の家・中(夜)

   鍋のふた開く。

   1LDKの部屋には4人分鍋の用意がされたこたつを囲んで、

   天野ミカ(25)神野 守(25)祠 明美(25)が座っている。

3人「おお〜」

守「やっぱり、冬は鍋っしょ!」

明美「毛ガニに石狩の鮭、私達の故郷の味、北海道のフルコースよ、フルコース!でもさ、この白子って誰が入れたの?ミカ?」

   鍋の中身。カニ、鮭とともに白子

ミカ「ううん?」

守「オレじゃないぞ」

明美「何でだろこれ、入れた覚えないのに」

守「・・・まあいいじゃねえの細かいことは、実家から送ってきた毛蟹とかに紛れてたやつ誰か入れちゃったんだよ」

ミカ「うん、きっと礼も喜んでると思うよ白子は礼の実家の方の名物だから」

   3人少し、しんみりして

守「この毎年恒例の鍋パーティーも今年で・・・何年目だ?」

明美「おぼえてろバカ!6年目!」

ミカ「礼が亡くなってからちょうど2年もたつんだよよね」

明美「昔はなんとなくこの季節にやってたけど、あいつが亡くなってからは礼の命日が私達が年に一度、会う日になったんだよね」

   棚の上に飾る4人の学生時代の写真。

守「まあ、しんみりしてもしょうがねえからさ、今日はパーといこうぜ、パーと!ほら乾杯しよ」

   急に礼の席にある缶ビールの蓋が勝手に開き

   泡が勢いよく飛び出る。

3人「うわ〜!」

守「びっくりした〜何だよ〜」

明美「ねえちょっとさ、言うのよそうかと思っててたんだけど今年に限ってこの部屋なんかさっきから変じゃない?」

ミカ「変って何が?」

明美「なんか、ひんやりしてると言うか、変な気配がすると言うか」

守「何だよそれ、幽霊的な事」

明美「うん、ひょうとしたら礼の霊が来てるのかも」

明美「礼の霊?」

   守、ぺこぱ的ツッコミで。

守「礼の霊って!お前らそのボケは言葉そのものは正しい!意図しないボケは流そう」

   ミカ笑う。

明美「ねえ、なんで3位で来るの?やるならコーンフレークかモナカにしてくんない?」

守「いいだろ、オレの中の一位はぺこぱだ、(口笛)時を戻そう!

 はい、カンパーい!」

   守、両手で万歳する。

明美「しつこいなこいつも」

守 「あのな、2年前も礼がオレに同じ指摘をしたけど3位のミキがブレークしただろ?わかるんだよオレには」

明美「そう言えばあんた達、いっつもお笑いでもめてたね」

ミカ「そう、初めて会った時もお笑いの話ししてた」

○(回想)大学全景

   門の前で一年生を誘う各サークル。

   何やら言い合ってる守と礼。

   2人に近づくミキ。

守「何だそれ、歴代王者で一番面白いのは絶対アンタッチャブルだ」

礼「アンタッチャブルなんてもう解散したも同然だ、一番はサンドウイッチマンがなまら面白いっしょ!」

   ミカ、守と礼に。

ミカ「すいません」

守「アンタッチャブルは、充電期間中だからこそ伝説になってるんだ、いつか必ず復活する」

ミカ「すいません!」

礼、守「はい」

ミカ「西館はどっちかわかりますか?」

礼「いや、俺達も新入生でちょっとわからないんです」

ミカ「そうですか、すみません」

礼・礼「なんも、なんも」

ミカ「あの・・・お2人は北海道の方ですか?」

礼「そうです、え?なんで?」

ミカ「方言が」

礼「え?ひょっとして君も?」

ミカ「はい!」

   明美が近づいてきて。

明美「あの〜西館わかりますよ」

ミカ「ホントですか?」

明美「私も実は北海道で、お2人の方言が耳に入ってずっと隣で聞いてたんです」

○礼の家・中(夜)

   鍋を囲む3人。

守「あんときは皆それぞれ北海道のど田舎から出てきてさ、ひどいカッコしてたもんな」

ミカ「ひどい、あれでも東京に舐められないように最高のオシャレしていったんだから」

明美「でもさ、ミカは上はそこそこ普通なのに黒い長靴はいてるんだもん、雪ふってねえっつうの」

ミカ「降ると思ってたの、天気予報でそういってたから」

守「つうかお前のあれはなんだ、オーバーオールにボーダーのシャツ?でダッフルコートで耳に当てるあれ、何ていうんだあれ耳に当てるやつ、名前も忘れるようなのつけてさ、オレ田中義剛がいるのかと思ったもん」

明美「うっさいな、地元では流行ってたの、だってあれだよ去年、広瀬すずが朝ドラで着てたじゃん似たようなの」

守「あれは、戦後の話しだろ」

明美「つうかあんたもなんか帽子と耳あてが一体化したさグレーの奴、何あれ?釣り人?」

守「釣ってねえわ!あれが暖かいんだよ!でも一番参ったのは礼だよな、

  なんか漁港の朝市にいるおじさんみたいなさ」

明美「そうそう、でも服装もダサかったけど目つき悪くてさ、東京モンには負けねえぞみたいな、何あれ?白竜みたいだったよね、Vシネの白竜!」

守「白竜〜うける!」

   ミカ、爆笑。

   突然、礼の席についであったグラスが倒れてビールが溢れる。

守「うわ〜!」

明美・ミカ「キャ!」

3人「・・・」

明美「なんか、やっぱりおかしくない?」

守「ちょっと、洒落にならない感じだよな」

ミカ「いるんだよきっと礼の霊・・・幽霊が私達に話しかけてるんだよ」

明美・守「・・・」

ミカ「今日って2月17日じゃない?礼の命日、私の田舎では2月17日を天使の囁く日って言われてるの」

明美「あっ、聞いたことあるその話」

守「オレも、確かミカの田舎で日本一寒い日を記録した日がそうなんだろ?」

ミカ「そう、マイナス41・2度、ここまで気温が下がるとね、空気中の水分が結晶になってダイヤモンドダストができるの、キラキラとあたり一面が光り輝いて、とっても綺麗な現象がみれるの、このダイヤモンドダストの幻想的な様子が、天使のささやきって呼ばれるようになったんだって」

明美「へ〜それが2月17日で礼の命日と同じなんだ」

ミカ「うん、聖なる存在が近くにいて私達に話しかけてくれるのが2月17日」

守「でも何か皮肉だな、そんな記念日にたまたまあんな事故が重なるなんて」

○(回想)道路を走る車(夜)

 T2年前

  車内、運転する守、助手席に明美、後部座席にミカと如月 礼(25)

明美「ウチの田舎からさ、鮭送ってきたから鍋に入れようよ」

守「うちからは毛蟹が来た」

3人「おー!」

礼「うちはいつもどおり白子」

  ミカ、礼にむかって。

ミカ「豪華だね」

礼「そうだね、そうだ鮭で思い出した、守!やっぱりとろサーモンが来ただろ?」

守「いやいや、俺的にはミキだったな」

礼「ミキなんて一票も入ってなかっただろ!」

   信号待ちで車止まる車。

守「違うんだよお前は先が見えてない、オレはブレイクする芸人はミキだっつってんの!」

礼「でも去年のトレンディーエンジェルは、オレが言ったとおりブレイクしたぞ」

守「だから今年はミキがくるっていってるん・・・」

   トラックのヘッドライトが突然間近に近づく。

   衝撃音とともにブラックアウト。

○(回想)病院全景(夜)

  病院内 廊下を担架で運ばれる礼。

  それを、見下ろす守、明美、ミカ。

守「おい、礼!しっかりしろ!」

明美「礼?わかる?礼?」

ミカ「礼!礼!」

   処置室に入っていく礼を見守る3人。

○礼の部屋(夜)

   鍋を囲む3人。

守「なんで俺たちは無傷であいつだけ・・・」

ミカ「でもさ、礼の霊・・・礼の幽霊だったら怖くないよね」

   明美、急に真面目な表情

明美「もちろんウエルカムよ、でもねミカ、実は今日、私も守もあんたに言いたい事があってきたんだよ」

ミカ「言いたい事?」

明美「この部屋・・・礼とあんたが同棲してたこの部屋、いい加減引き払ったら?」

守「うん、ミカそうした方がいい」

ミカ「何で?何で二人共そんな事言うの?ここ礼の思い出が残ってる唯一の場所なんだよ、今でも感じるもん礼の気配も礼の匂いも、ここから出ていくなんてできないよ」

明美「わかるよミカの気持ち、私達もここに集まれるの嬉しいもん、懐かしい礼の話もいつまでもしてられるよ、でもさ、2年もたってるんだよ、これじゃミカがいつまでたっても前に進めないよ」

守「この2年、外にも全然出てないんだろ?」

ミカ「・・・鍋食べよ、ね?鍋」

明美「ミカ!」

守「ちょっとまった!」

明美「びっくりした〜何よ!」

守「白子がない」

明美「はあ?」

ミカ「・・・」

守「さっき確かにあったよな?白子。お前ら食ったか?」

明美「目の前にいるんだよ?わかるでしょ?そんな事」

   鍋の中、あったはずの白子がない。

守「まだ誰も何も食べてないよな・・・じゃあ誰だよ!」

礼の声「オレだよ!」

守「うあ〜!」

明美・ミカ「きゃ〜!」

   3人後ろへ、飛び退く。

   空席だった席に礼と、伽倻(35)が座っている。

守 「見えるか?オレだけじゃないよな」

明美「見える」

ミカ「はっきり」

礼「黙って聞いてりゃ、お前、誰が朝市のおっさんだ?」

守「・・・礼、お前だよな?」

礼「そうだよ、何いってんだよ」

守「何やってんの?」

礼「何やってんのって、ここオレの家だし」

明美「ひょっとして、白子食べた?」

礼「だから食べたって言ってるだろ?」

ミカ「ビールこぼしたのも礼?」

礼「そだよ、ちょっと袖が引っかかって」

守「礼、何やってんの?」

礼「さっき言ったろ、ここは!オレの家!(少しため息をついて)あとは、お前たちに会うために、というか話すためにこの人を呼んだ」

守「誰?このおばさん」

伽倻「おば!」

明美「知らない、こんなおばさん」

伽倻「おばさんって!嫌いだわ、私この子達嫌いだわ、やっぱり帰ろうかしら私まだ35よ」

   伽倻、立ち上がる。

礼「ちょ、ちょっと待ってください伽倻さん、もう少し、もう少し」

ミカ「礼、死んだんじゃなかったの?もしかしてホントに幽霊?」

   礼、少し心を整理する表情になる。

礼「いいか?冷静に聞けよ、今からお前達に大事なことを言う」

3人「・・・」

礼「死んだのはオレじゃない、お前たち3人なんだ」

3人「はあ?」

礼「2年前のあの日・・・」

○(回想)道路(夜)

  信号待ちする車。

  車内の4人。

守「違うんだよお前は先が見えてない、オレはブレイクする芸人はミキだっつってんの!」

礼「でも去年のトレンディーエンジェルは、オレが言ったとおりブレイクしたぞ」

守「だから今年はミキがくるっていってるん・・・」

   トラックのヘッドライト突然間近に近づく

   衝撃音とともにブラックアウト。

○(回想)事故現場(夜)

   道端に衝突したトラックと礼たちの車。

礼の声「あの時、居眠り運転のトラックが信号待ちしていた俺たちの車に追突してきた」

救急隊員「おい、生存者がいるぞ」

   助け出される礼。

   車内で血を流す守、明美、ミカ。

   礼が助け出される様子を見ている半透明の守、明美、ミカ。

礼の声「車は全壊、お前たち3人は即死だったんだ、でも追突した一番反対側に座っていたオレは、大怪我はしたものの奇跡的に命が助かった」

○(回想)病院全景(夜)

  病院内廊下を担架で運ばれる礼。

  見下ろす半透明の守、明美、ミカ。

守「おい、礼!しっかりしろ」

明美「礼?わかる?礼?」

ミカ「礼!礼!」

   処置室に入っていく礼を見守る半透明の3人。

   その後ろを、シートに包まれた3人が運ばれていく。

○礼の部屋(夜)

   鍋を囲む5人。

   守・明美・ミカ冗談ぽく。

守・明美・ミカ「・・・ウッソだ〜!」

礼「ウソじゃない!」

守「でも、去年もここで鍋パーティーしたし、じゃあこの鍋だって誰が作ったんだよ」

礼「オレだよ、お前たちの命日にお前たちの故郷の食材をお前たちの実家から送ってもらってオレが作った、お前たち作った記憶あるか?」

明美「ミカ・・・じゃないの?」

   ミカ、首を振る。

礼「それだけじゃない、お前たち何も食べてないだろ?飲んでないだろ?食べられないんだよ、飲めないんだよ」

   こたつの上、手を付けてない皿。

   3人、自分の手元を見る。

礼「実際嬉しかったよ、去年はなんとなくお前たちの気配がして、お皿が少し動いたりかすかに話し声が聞こえたり、でもそれもどうなのかなと思いはじめたんだ、お前達がいつまでも成仏できずにこの世をさまよってるなんてオレは到底納得できなかった、だから知り合いに紹介してもらって、この伽倻さんに、お前たちと話せるよにしてもらったんだ」

明美「このおばさん、霊媒師さんなんだ」

守「すごいんだな、このおばさん」

ミカ「・・・」

   伽倻、立ち上がり。

伽倻「やっぱり帰るわ、嫌いよ嫌いだわこの子達、私、35よどこがおばさんなの?」

礼「ちょっとまって、お願いします、お願いします」

   守、明美小声で聞こえないように。

守「35って立派におばさんだよな」

明美「図々しいわねこの人」

   伽倻、静かに座り。

伽倻「事の事情は今彼が話した通りよ、そして何よりも貴方」

   ミカを指差す。

ミカ「はい?」

伽倻「あなたに関しては、この家に完全に住み着いてる、今はまだいいわ、でもこれ以上ここに留まると、地縛霊になって悪霊として彼に取り付くようになってしまうの」

ミカ「悪霊?」

   伽倻、明美と守を指差し。

伽倻「この2人がなぜ成仏できないかわかる?貴方が心配なの、あなたのために成仏できなくなっているのよ」

ミカ「私のせい?」

   守、明美聞こえるくらいの小声で。

明美「違うと思うけどね」

守「そんなこと考えたことないよな」

伽倻「そうなの!潜在的にそう思ってるからこんな事になってるの。嫌いだわ〜この子達嫌いだわ〜言うこと聞かなから」

   礼、まあまあとたしなめる。

礼「自分たちが、亡くなってるってことは、理解してくれたかな?」

守「・・・ああ、理解したと言うか思い出したっていうほうが正しいかな」

明美「一瞬のことだったから自分たちは死んでないって思い込んでた、普通に考えると日々の生活の記憶なんてないもの、おかしいよねどう考えても」

ミカ「私はある、毎日この部屋で礼の帰りを待って、それでもいつまでも帰ってこなくて毎日毎日」

礼「ミカ、ごめんオレもミカがなんとなくここにいるんじゃないかってわかってた、別に幽霊だって何だってミカと一緒にいれるならそれでもいいって思ったこともあった」

伽倻「でもそれじゃあダメなのよ2人共前に進めなくなっちゃう、何より死人の貴方が彼の人生の妨げになってるのは確かなの」

    守、明美、小声で。

守「ひでえこと言うな、あのおばさん、っていうか死人に前に進めなくなるって何?」

明美「前に進めなくなるって、さっき私が言ったやつだよ、私いいこといってるみたいな顔してるけどパクったのよ」

   伽倻、小刻みに震えて2人を睨む。

礼「わかってくれるかな、ミカ」

   ミカ、少し考えて

ミカ「・・・うん」

守「そうだな、ミカがこの家を離れる事は元々俺達の意思でもあったしな」

明美「うん、ちょっと意味合いは違ったけど」

伽倻「あなた達は、潜在的にわかってたのよこの子がこの家にいることが良くないってことを、だから説得に来た」

   守、明美、小声で。

守「このおばさん潜在的っていうの好きだね」

明美「マイブームなんじゃない、っていうかこのおばさん、りんごちゃんに似てない?」

守「受ける、りんごちゃん受ける、金八歌いだしたらどうする?」

   伽倻、ポケットから袋を取り出して礼に

伽倻「ねえ、コイツらに塩かけてもいい?」

礼「ダメですダメです。もう少し、もう少し我慢して」

守「わかったよ礼、すまなかったな迷惑かけて、俺達行くわ」

明美「どこに?」

   守、上を指差しながら。

守「なんかあれ、天国とかなんじゃないの?たぶん」

ミカ「もう会えなくなるんだね」

礼「そうだな」

伽倻「いや、そうでもないかな、なぜかあなた達はすごく強い絆で結ばれているようね、年に一度この日、この部屋でならまた会うことができそうよ」

ミカ「ホントですか?」

伽倻「ええ、私がいればね」

守「お姉さん、来年もお願いします」

明美「お願いしますお姉さん」

伽倻「逆にバカにされてるようでムカつくけどわかったわよ」

守「じゃあな礼、元気でな」

礼「おう!ああ、それから守、アンタッチャブル復活したな」

守「言っただろだから、ミキはあのあと売れたし、今年はぺこぱが来る!」

礼「それはどうかな〜、明美!白竜って何だ殺し屋かオレは!」

明美「まずい、聞かれてたか」

礼「少しは、口の悪さ直せよ、それからミカ?お前たちの天使のささやき、来年も待ってるからな」

ミカ「うん、ありがとう礼」

守「おし、行こうか」

明美「行こう」

ミカ「うん」

   3人が立ち上がる

   見守る礼と伽倻。

3人「・・・」

   見守る礼と伽倻。

守「・・・で?これどうやって行くの?」

   前のめりに倒れる礼と伽倻。

礼「わからないのかよ!」

守「分かんねよ、やったことないもん!」

伽倻「行くぞ!って強く思うの、なんかうわって飛ぶ感じ、ふわっと!」

守「抽象的だな〜」

明美「あれじゃない?ジュワ!とか言ってみる?」

ミカ「ジュワ?」

明美「そうジュワ!って」

守「ウルトラマンじゃないんだからさ〜」

明美「じゃあどうすん」

    パッと消える3人。

礼「あっ!」

伽倻「うん、行けたみたい」

礼「意外に中途半端なタイミングで行くんですね」

伽倻「そんなもんよ、そんなもん」

   礼、大きなため息をついて

礼「これでホントにお別れか〜」

伽倻「いいじゃない年に一度会えるんだから、天使が囁く日か、ちょっと素敵じゃない?」

礼「そうですね」

   4人の学生時代の写真。

             END


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