終わったあとすぐに始まるから意味が分からないのだ

正月の意味の分からなさを、皆さんも感じていると思う。正月は意味が分からない。とりあえず休みになるし、外がざわめくし、テレビも面白くなるから、みんな正月が好きだけど、一体いまはなにで、なにを考えたらいいのか?車はなぜ走るのか?どうしてこうも苦しいのか?

それは大晦日の次の日にやってくるからである。1年最後の日の次に、1年最初の日がやってくるのは、何というか、健全ではなく、精神衛生に非常によろしくない。そして理に適ってもいない。終焉を迎えるのに、24時間では足りないし、1年を始めるのに、24時間では到底足りないのである。もっとひどいことに、その2つの日は隣り合っている。悲劇。心の悲劇である

100日後に死ぬワニが100日目に死んだ次の日に、100日後に死ぬウサギの人生が始まったら?健全ではない。妻を亡くした男が、次の日に別の女性と再婚したら?不健全どころか、非健全である。正月とは、その薄汚い再婚相手なのである。

ホニャラララ、無理やり正月を悪く言って文字数を稼ぐのはやめにして、最近、クラウドソーシングサービスを始めた。口で説明するのは難しいが、基本的に在宅フリーランス向けの求人を募集している、プラットフォーム…?ポータルサイト?なんて言えばいいんだ?アーカムナイト?

クラウドソーシングサービスとは、仕事をしてほしい人(依頼者・クライアント)と、
仕事をしたい人(受注者・ワーカー・メンバー)を、効率よく繋いでくれるサービスのことです。

こんな程度の説明すら言語化できない時点でライターとして底が知れているのだが、要はこういったことです。検索するとたくさんあって、皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、その中でも特に有名なサイトを始めた。

俺の選んだトコだけじゃなくて、たぶんどこでもそうなんだけど、アンケートに記入するだけとかエクセルにコピペするだけみたいな、単価数十円の仕事なんかをコツコツこなして実績をつけ、ある程度の認証率(クライアントの満足度みたいなもの)を達成してようやく数千円単位の仕事を狙えるようになるという、条件はそれぞれでしょうが、まさにフリーランスとしての下積みの場であるといえる。いろいろと調べていて分かったのが、私のように直接依頼をいただいて安くはない原稿料を保証してもらえるのは、既にひとつのゴールに達しているということだ。最近よく耳にする『春を告げる』という曲の歌い出しに、『深夜東京の6畳半 夢を見てた』という歌詞があり、「6畳半?なんて卑怯なんだ。そういうときは4畳半だろ。東京の6畳半なんてそれ自体がひとつの夢じゃないか。俺は深夜東京の5畳で床を見ているというのに」と悪態をついたものだが、俺も同じであった。すでに恵まれているのに、今の環境に自虐と称して文句を言っている。現在を通過点だと断言することの、なんと時間への不誠実なことか。「本当はこれで そう本当はこのままで 何もかも素晴らしいのに」とは宮本浩次の名詩であるが、まったく身に刺さる思いである。

とにかく、運だけで今の場所にいられることを自覚し、その戒めとしてクラウドソーシングで下積みを始めることにした。俺は基本的に文章を書くのが決して上手ではなく、稚拙さが少し特徴的なだけなので、極力書き物の仕事を探した。セオリーとしては細かいタスクから始めるべきなのだが、自分には2年間の実績があるという自信だけは持ったうえで臨んだ。

すると、ひとつの仕事が目についた。

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