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【技術士】直流送電と交流送電

直流送電線は東西連系線をはじめ地域間連系線として利用されている。直流送電線について、交流送電線と比較してその特徴を3つ挙げて、説明せよ。

1.リアクタンスの影響がない

 交流送電では、リアクタンスの影響により電線の熱容量よりも同期安定性による制約が大きくなる。しかし、同期安定性の問題が無い直流送電線の場合は、長距離送電でも熱容量の制約いっぱいまで電流を流すことが可能となる。

2.連系により短絡容量が増加しない

 直流送電には交直変換器が介されるため、直流送電と交流送電が連系している系統のうち、交流系統で短絡事故等が発生した場合、直流系統からは事故電流が流れ込まない。この特徴から、交流系統を分割して直流送電で連系することで、交流送電線のみの系統に比べて全体の容量は同じで短絡容量を小さくすることができる。

3.建設コストの低減

 直流送電線の場合は、交直変換装置が必要となるものの、交流送電線と比較して電線の本数を少なくすることができる。また、同じ電圧であれば必要な絶縁レベルを交流の1/√2に抑えられるため、機器の小型化ができる。
 これらの理由から、送電距離が一定(交直変換器のコスト<送電設備のコストとなる距離)以上の場合には送電設備のコストダウンが可能となる。


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