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【技術士二次】必須科目Ⅰの書き方

では早速まとめていきます。


必須科目では何が問われるのか

まず、ここを抑える必要があります。
参考7 試験科目別確認項目 (mext.go.jp)
によると、必須科目Ⅰでは下記の資質能力(コンピテンシー)が評価されます。
※コンピテンシーについては、そのうちまとめたいと思います。

  • 専門的学識

  • 問題解決

  • 評価

  • 技術者倫理

  • コミュニケーション

これらを評価するために問題が課されているわけですから、受験者としてはこの項目を意識した答案づくりをする必要があります。

出題パターン

現代社会で問題となっている様々な事象について、下記のような流れで答案(論文)を作成します。
1. 技術者として多面的に課題を抽出する
2. その解決方法を提示する
3. 遂行していくための提案をする
4. 技術者としての倫理、社会持続性の観点から要件を述べる

1.課題抽出

ここでは与えられた問題に対し課題を抽出します。問題と課題については下記のような違いです。
問題:理想(あるべき姿)と現状とのギャップ
課題:理想と現状のギャップを埋めるために具体的に取り組むべきこと
抽出する観点としては技術的な観点で抽出する必要があることに注意します。したがって、政策面等は含みません。

2.解決策の提示

1.で抽出した課題に対して、それを解決するための技術的な具体策をまとめます。
ここは自分の引き出しから書く部分になると思います。試験前に詰め込むにも限界がありますから、普段からアンテナを高くして必要がありますね。ぼーっと生きていてはいけないのです。

3.遂行していくための提案

2.で挙げた解決策を評価します。
おそらくメリットばかりではなく少なからずリスクが存在するはずです。
このリスクをどう回避・低減していくかを提案します。
2.と同様専門技術を踏まえてまとめる必要があります。解決策だけでなく、それを実行したときにどのような影響があるかまとめます。

4.技術者倫理・社会持続性の観点から

最後に、1~3.を実行するうえで必要な要件や留意点を倫理、社会持続性の観点から述べます。

技術士倫理綱領
【前文】
 技術士は、科学技術が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して持続可能な社会の実現に貢献する。
 技術士は、その使命を全うするため、技術士としての品位の向上に努め、技術の研鑚に励み、国際的な視野に立ってこの倫理綱領を遵守し、公正・誠実に行動する。
【基本綱領】
(公衆の利益の優先)
 1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。
(持続可能性の確保)
 2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。
(有能性の重視)
 3.技術士は、自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。
(真実性の確保)
 4.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。
(公正かつ誠実な履行)
 5.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。
(秘密の保持)
 6.技術士は、業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない。
(信用の保持)
 7.技術士は、品位を保持し、欺瞞的な行為、不当な報酬の授受等、信用を失うような行為をしない。
(相互の協力)
 8.技術士は、相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力するように努める。
(法規の遵守等)
 9.技術士は、業務の対象となる地域の法規を遵守し、文化的価値を尊重する。
(継続研鑚)
 10.技術士は、常に専門技術の力量並びに技術と社会が接する領域の知識を高めるとともに、人材育成に努める。

技術士倫理綱領|公益社団法人 日本技術士会 (engineer.or.jp) より

倫理綱領でここまで記載されていますから事前準備可能です。
(公衆の利益の優先)の通り、最優先となるのは公衆の利益(=公衆の安全、健康及び福利)ですからこの辺りから選びます。
大体同じような書き方になりそうですね。

文字数

必須科目Ⅰは600字詰め用紙で3枚、つまり1800字で回答します。この記事ではおよそ1800文字になるように書きました。
初めて過去問に触れたときはこんなに書けるかなと思いましたが、実際書いてみると意外と書けます。むしろ足りなくなることもあるのでしっかり推敲しましょう。


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