唐揚げグランプリに一言あり

私は、唐揚げが好きである。

レモンが添えられていようがいまいが、私は唐揚げが好きである。

そんな私が毎年まあまあ気にしていること、それは

唐揚げグランプリである。

毎年、どのタイミングで、いつ投票が行われているのか知らないが、気づけば街角のチキンショップには、”○○年度唐揚げグランプリ金賞”ののぼりがはためいている。

もはやどこがホントの金賞なのかよくわからないくらい、そこら中で見ている気がするが、まあ、どこも受賞したのだろう。あるいは唐揚げを品評する会は全国あらゆる場所で、あらゆる時期に開催されているのかもしれない。宝くじ売り場のどこを見ても、”この売り場から1等出ました”と謳っているのと似ている。

大分県の中津唐揚げや、北海道のザンギ等、地方によって名物として扱っていて、そういうチキンショップがよく受賞しているのを見るのだけど、いやいや、よく考えてみてくれ。全国ほぼどこに行っても食べられる、最高の唐揚げは、どう考えても

ケンタッキーフライドチキンだろう。

地方によって、ケンタ、ケンチキ、タッキー&翼等様々な呼称があるが、ここではケンタッキーと呼ぶことにする。

唐揚げとフライドチキンは別物である、という無粋な指摘も受け付けない。

私はケンタッキーこそ一番美味しい唐揚げだと信じている。

だから、ケンタッキーがいつ日本に来たかは知らないが、少なくとも来日以来毎年、唐揚げグランプリ金賞はケンタッキーフライドチキンであり、他の追随を許さない。

近年、コンビニでもフライドチキンがレジ横に売られているのを見るが、ケンタッキーのそれとは全くの別物といっていい。同じように鶏をスパイスのついた衣をまとわせて揚げているのだろうが、なぜこうも違うのか。

値段で言えば、明らかにコンビニの方が安いのだが、100円ほどのプラス料金を払ってでも口にしたい価値がある。

性的サービス禁止のマッサージ店でプラス料金を払ってキッスさせていただく時のコスパをも凌ぐ。私が一体いくら払ってキッスさせてもらおうとしているのかは秘密だが。

ケンタッキーには店舗によって指名が許されるところもある。

すなわち、オリジナルチキンの部位の指定である。

ドラム、サイ、リブ等、私が把握している限りでは5種類のセクシーチキン達がスタンバイしている。

私が大体1回の来店で注文するオリジナルチキンはせいぜい2ピースである。この2枠に、自分の好みの部位を当て込みたいわけだが、部位指定しない限りかなりハードルが高いことではある。

私は元来恥ずかしがり屋さんなので、これまで部位指定をしたことがない。だからと言って大外れ、カーネルファッキンサンダース、とはならないのである。結局どれが来ても美味い。

この店は、どの女の子が付いても大丈夫、指名料をケチってでも満足できる、あるいはマッサージ好きの先輩に自信を持って紹介できる店、そうはない。結局は女の子のポテンシャルのバラツキや、サービス内容の相違によって、私たちは何度もお金をドブに捨てたような気持ちになる夜(たまに昼)を超えてきたのだ。

ケンタッキーはどうだろう。全国どこの店に行っても必ず男を(女も)満足させる、超優良店である。明瞭会計だし。

あと、チキンフィレサンドに入っているマヨネーズも異常に美味い。レタスに付けるマヨネーズ、ドレッシンググランプリがあったら、こちらも常に金賞である。

幼いころ、野菜が苦手でとにかくQPマヨネーズをたっぷり使用して食べていたおかげで、小学生ながら血中のコレステロールが高いですよと指摘され、謎の施設で親子で謎の講習会に参加したことがある私だが、ケンタッキーのマヨネーズがもし市販されて我が家の食卓にならんでいたのなら、講習会で折り紙(?)を折ることもなかっただろう。

※その後1年間マヨネーズ削減の日々を過ごすも(我が家のドレッシングブームの火付け役)結局翌年も同様の指摘を受け、本当の原因は牛乳の飲みすぎであることが判明。折り紙マジ意味なし。

カーネルサンダースは偉大である。いつ行っても白いスーツに黒ぶち眼鏡、季節によってはサンタクロースのコスプレイまでして私を迎えてくれる。

両手を肩幅ほどに広げ、口元はいやらしく微笑んでいる。私が女ならば、彼の両手の間にそっと身体を滑り込ませ、胸のひと揉みやふた揉みくらいさせてあげたい気分である。

そんな彼が晩年、自身の会社の部下たちに向けて送った言葉がある。それはいつの時代でも不変の真理であり、現代に生きる我々ビジネスマンにとっても深い教示を与えてくれる。

”自分だけが気づいていると勘違いしてはならない。ブラジャーが透けていることくらい、女子たちだってわかっているのだ”

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