ちょっぴり高いバターと厚切りトースト
日曜日の朝、時々
焼きたてのパンのいい香りで目覚める
格子状に規則正しく縦横に
2本ずつ切り目が入った
厚さ5センチくらいのトースト
柴犬色に焼けたトーストの真ん中に
厚みのある3センチ程のバター
小学校4年くらいの話です
当時、我が家は小さな喫茶店を営んでいました
日曜日の朝
おふくろが“機嫌のいい時”のみ
厚切りトーストと目の前でコーヒーを淹れてくれる
ブラックのコーヒーが苦すぎて
角砂糖3つとミルクをタップリ入れて飲むわけですが
すこし大人になった気がして
好きな日曜日の朝でした
厚切りトースト
祖父が大好きで贅沢にもトーストの耳は食べずに
真ん中だけ食べていたらしい
そんな影響なのか
おふくろの中では贅沢品なのか
厚切りトーストが大好きなのです
喫茶店のモーニングメニューにも
通常メニューにも
厚切りトーストがあった
喫茶店を営んでいた当時に
御用達していたパン屋さんは
ありがたいことに
今でも健在しています
9月13日
昨日は、おふくろの78回目の誕生日
百貨店に行き
ちょっぴり高いバターを買い
思い出のパンを買い
うなぎの蒸し御飯
Morozoffのプリン
僅かなお小遣いを添えて
おふくろにお届け
超絶な反抗期で
互いに包丁を持ち出した
おふくろと私
こんな日が来るとは
あの頃から見たら
想像できない
あと何回、
誕生日を祝えるのか
私もおふくろも
誰でも明日の命の保証は無い
できる時にできることを
小さなことでも大きな愛で
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