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わたしのこころ

ーーこの世界は最悪だ。人の心も生き方も、正しさも何もわからない。と、私は呟いた。

何より分からないのは自分自身であると思うのだ。この世界は考えれば考えるほど分からない事だらけだ。

そんなことを考えながら家に帰る女の子がいた。それはかつての私。

絶賛就活中だった。

就職活動の目的は、主に2つあると考えられる。1つは、やりたいことを実現して人生を充実させること。もう1つは、生きる為にかかるお金を稼ぐ手段を探すこと。

でも私にはどうもしっくりこなかった。本当にやりたいことなんて音楽に浸ることと友達と話すことくらい。なんでただ、生きているだけなのにお金がないと生きていけないんだ。そこらへんの野良猫の方がよっぽど気が楽だ。大学を卒業するより前に社会人の自分を決めなきゃいけないなんて社会構造作った人間は滅びればいいんだ。ついでに、大学生活のほとんどをのほほ〜んと過ごしていた自分も滅びればいいんだ!と嘆いた。

でもだって仕方がないと思うのよ。これまでそこそこ順風満帆な人生を送ってきた人が、真剣に未来を考えることなんて20年間ほとんど無かったんだもの。悩みだってあんまりなかったんだもの。

私は当時、就職活動という大きな壁にぶつかっていた。就職活動は、大学3年から周りの子に影響されて何となく始めた。自分が社会に出て働く姿をホワーンと想像し、どんな職業だったら一番誇れるだろうかと考えた結果、出版社に入ろうと早々に決意した。(彼女は幼少期から物語を食い入るようにして読んできたテの人間だった。)

そう、難関の出版社に絞って就職活動をするなんて、私は変に自信家で、単純なおバカだったのだ。

それは実は私の良い所であり、悪い所でもあった。

2月になり、色々な会社に書類をしっかり考え込んで提出するも面接すら受けさせてもらえない毎日。出版社への就職活動は、6月中旬まで続けたがことごとく失敗した。

悔しい。何だよ。私を突き動かすのは情熱以外の何物でもなかった。

情熱を燃やすことは、楽しいだけじゃない。時に、いやしょっちゅう苦しくなる。うまくいかなければいかないほど、なおさら。

そうやって私の心はどんどん弱っていった。

私は何がしたいのだろう。私、社会に出て生きていけるのかな。私なんかに何ができるだろうか。そもそもなんで生きてるんだろう。何で命って大切なんだろう。たかが地球に大量繁殖してるだけの人間が、何を我が物顔でやれ国だやれ金だと騒ぎ立ててやがるんだ。仕事なんて人間が生み出したもの嫌いだ。人間が作った言葉には表せない感情もこの世には確かにあるんだよ。

(。。。人間って気持ち悪いな。ああ、生きていたくないなあ。。。。)

暗い部屋でどん底にいる私は、泣いた。人前では泣かないけど、1人だとよく涙が出る。よくこんなにも出てくるもんだ、と思いながら。

でも私は立ち上がり続ける。家族がいるから。友達がいるから。人、人、人。

「人、気持ち悪い。でも、人、ちょっと好き。だって、ワタシも人だもん…。」

私の心は、弱いまま。何をやりたいのかなんてやっぱり分からない。でも、今日を生きようとする自分は、なんかカッコいいじゃんと笑った。

人が生きる意味なんてね。「好き」とあと一瞬だけでも触れていたいからとかでいいんだよ。その瞬間の繰り返しのタイムリミットが死なのかもね。

私は、気持ち悪いけど最高にオモシロイ人間という生物が大好き。

あと、この地球が大好き。だから今日も服を着て歯磨きして出かけるの。

肩の力抜いて、笑い飛ばそう。楽に生きよう、人生は長いんだ。

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