膵臓癌が肝転移しちゃったので、セカンド・オピニオンで色々と意見を伺ってみました《患者本人の手記》
こんにちは、ジョコボ(@jyokobo)です。
このnoteでは…
膵臓癌患者である私が、肝転移が発覚してからセカンド・オピニオンを経て治療を受けるまでの経験
…について、情報共有します。
合計15000文字を超える長文となっていますので、心してお読みください。
それでは、はじまりはじまり。
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私は膵臓癌の患者ですが、2020年4月に、膵臓癌から転移した腫瘍について、マイクロ波で焼灼してもらうことに成功しました。
これまでの経緯については、こちらからどうぞ。
《2020年7月追記》
上記の経緯でも触れていますが、その後、肝転移が再発していることをお伝えしておきます。
マイクロ波治療をしたことに後悔はないものの、この短期間での再発に現実の厳しさを痛感しました。
転移が発覚した当初は、かなり厳しい状況であることを主治医より説明され、標準治療のセオリーとしては抗癌剤の一択だと言われていたものの…
セカンド・オピニオンで色々と意見を伺って、マイクロ波治療を受けるに至ります。
結果的に、私の体の中から、目に見える癌をなくすことができました。
その5ヶ月ほど前には、「これからの人生、年単位ではなく月単位で未来を見た方がいい」とまで言われた私にとって…
それはそれは大きなターニングポイントと呼べるような出来事です。
当然ながら、これがベストな選択であったかは、自分でも何とも言えません。
他にも手段があったかもしれないし、なかったかもしれないし、やらない方がよかった可能性だって考えられます。
もはや結果論でしか語れない話でしょう。
ただ、ここに至るまでの経験は、自らの治療の可能性を広げたという意味で、とても有意義なものでした。
同じように癌の肝転移が発覚した人にとっても、かなり参考になる経験だったと思います。
ということで、その経験について情報共有してみようというのが、このnoteの趣旨です。
noteの前半部分は、一般公開しているので、このまま読み進めてください。
◆標準治療のセオリー以外に考えられることと優先順位は?
◆セカンド・オピニオンを依頼する病院をどう探した?
◆【本音】治療より前の情報戦で負けてらんない!
noteの後半部分は、申し訳ないのですが、訳あって有料にしています。
◆セカンド・オピニオン依頼時の主治医の所見
◆セカンド・オピニオンで聞いておきたいこと
◆セカンド・オピニオンでの質問&回答①《QST病院》
◆セカンド・オピニオンでの質問&回答②《順天堂大学病院:椎名先生》
◆セカンド・オピニオンを受けての主治医の見解
◆【結果】順天堂大学病院にてマイクロ波治療を受けることに
◆【裏話】癌が肝転移してから心の拠り所にした○○説
◆【付録】セカンド・オピニオンをする際に持参した質問書
note後半は、私の病状も詳しく載せざるを得なくて、誰でも気軽に読める状態を避けました。
皆に有益な情報というわけではないですし、単なる興味本位での購入はお控えください。
途中まで読んで、現実問題として、続きを読みたいと思った人だけ購入いただければ間違いないと思います。
私が実際にお金を払ってセカンド・オピニオンで聞いてきたことがベースなので、少なくとも私自身にとってはとても有益だった情報です。
それをわかりやすく共有するために、質問&回答という形式にまとめています。
ただし、あくまでも参考情報だということはお忘れなく。
自らの治療の可能性を広げることを目的としてほしいので、特定の治療法にこだわられては本末転倒です。
目的のための手段の1つがセカンド・オピニオンであり、そのセカンド・オピニオンを有効活用するための参考情報がこのnoteになります。
ついでと言っては何ですが、このnoteを購入いただいた方には、私がセカンド・オピニオンをする際に持参した質問書(Wordファイル)も公開します。
セカンド・オピニオンをする際には質問書があると便利なので、自分で1から作るのが面倒な人は、こちらも参考にしてみてくださいな。
ちなみに、無料の前半部分だって、当時の私からしたら有料でも欲しかった情報を書き残したつもりです。
ではでは、本題に入っていきましょう。
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◆標準治療のセオリー以外に考えられることと優先順位は?
膵臓癌からの肝転移が発覚した当初、主治医からは、標準治療のセオリーとしては抗癌剤の一択だと言われていました。
簡単に納得はできないけど、そういうことなんだろうというのが当時の気持ちです。
それまでは内服の抗癌剤(TS-1)を処方されていたものが、点滴の抗癌剤(アブラキサン&ジェムザール)に変更となり…
今はこの抗癌剤に頼るしかないんだという思いで、受け入れました。
とは言え、他に手段はないものでしょうか?
この時点で発覚しているのは肝臓へ転移した腫瘍の1つだけだったし、患者本人としては、何とかしてこれを対処したくなるっていうものです。
このまま抗癌剤で治療を続けていけば、癌の進行を抑えて長生きできますよっていう話ならともかく…
一択しかない治療を受けても、かなり厳しい状況だという説明を受けているわけだから、なおさらです。
であれば、標準治療のセオリー以外にも手を広げるしかないですって。
標準治療のセオリー以外で考えられるのは…
・セオリー外の標準治療
・先進医療
・治験
・民間の代替療法
ざっと、こんな感じじゃないでしょうか。
私の個人的な価値観かもしれませんが、優先度としては、やっぱり実績のある医療から選択肢に加えたいところ。
ということで、まず私が求めたのは、セオリー外の標準治療、もしくは、先進医療で、転移した肝腫瘍に使うことのできる治療法です。
それで治療法が見つからなければ、その次に治験から、最後に民間の代替療法から探すことにしたと思います。
セオリー外の標準治療、もしくは、先進医療で、転移した肝腫瘍に使うことのできる治療法として考えられるのは…
・外科手術(標準治療)
・ラジオ波(標準治療)
・カテーテル(標準治療)
・重粒子線、陽子線(先進医療)
当時、googleなどで検索したり、twitterなどで情報提供いただいた結果、見つかったのがこの辺りでした。
『外科手術』は、説明するまでもなく、肝腫瘍を手術で摘出するという治療法ですね。
私も最初に見つかった膵臓癌を主治医に外科手術で摘出してもらっていますが、転移した肝腫瘍の摘出には難色を示されました。
絶対にできないというわけではなく、抗癌剤を止めたりなどのデメリットの方が大きいから、主治医としてお勧めしないとのこと。
『ラジオ波』は、主に肝腫瘍に使われる治療法で、腫瘍を焼灼して局所的に対処するものです。
外科手術ほどの実績はなく、エビデンスに乏しいとも言われますが…
外科手術ほど体への負担も少なく、再発しても繰り返し使えるというメリットもあります。
ちなみに、私が受けた『マイクロ波』もやることはこれと同じで、扱う医療機器が異なるんだとか。
『カテーテル』は、肝内に抗癌剤や塞栓剤を注入する治療法です。
腫瘍そのものを対処するというよりかは、肝臓にできた腫瘍を広く対象として叩くといった感じでしょうか。
これも転移した肝腫瘍に使うのは一般的ではないようですが…
外科手術やラジオ波ができない場合にも使えるので、覚えておいて損はないかと思います。
『重粒子線、陽子線』は、粒子線を腫瘍に照射して『がん細胞』を破壊する治療法です。
重粒子線の方が1回に照射される放射線量が多く、治療期間が短くなると言われます。
先進医療なので、金銭的な負担が大きいですし、限られた施設でしか実施できないものの…
私もそれを理解した上で、治療の可能性を広げるため、候補には入れておくことにしました。
私が見つけた治療方法は以上です。
セオリー外の標準治療を探すっていうのは、公式な模範解答があるわけでもなく、手探り感が半端ないですね。
他にもあるかもしれませんが、それなりに妥当な結果だとは思っています。
あとは、これらの治療を実施している病院・医師を探し出し、私に適合するかを確認しなければなりません。
そうです。
セカンド・オピニオンをするのです。
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◆セカンド・オピニオンを依頼する病院をどう選んだ?
セカンド・オピニオンをしようと考えたのはいいものの、悩ましいのが、どこの病院を選ぶべきかという問題ですね。
結論から言うと、私は2つの病院でセカンド・オピニオンをしています。
『QST病院(旧放射線医学総合研究所病院)』と『順天堂大学病院』です。
ここでは、セカンド・オピニオンを依頼する病院をどう選んだかについて、私の経験談をお伝えします。
転移した肝腫瘍に使うことのできる治療法の中から、私は『ラジオ波』と『重粒子線、陽子線』にまず注目しました。
局所的な対処ができるという意味で『外科手術』ももちろん候補ではありますが、それは主治医からも有効な意見が貰えそうです。
ということで、『ラジオ波』と『重粒子線、陽子線』について、セカンド・オピニオンで意見を聞いてみたいと考えました。
~ 『重粒子線、陽子線』の巻 ~
『重粒子線、陽子線』は、国内でも限られた数少ない医療施設でしか扱っていません。
詳しくはこちらをご覧ください。
千葉県在住の私としては、重粒子線、陽子線の設備を持つ施設がどちらも県内にあったのはラッキーでした。
・国立がん研究センター東病院【陽子線/千葉県】
・QST病院(旧放射線医学総合研究所病院)【重粒子線/千葉県】
がん研東病院は、陽子線を扱う放射線科のみならず、内科、外科と総合的な治療を行っていて、膵臓癌の治療実績も全国TOP5に入る優秀な病院です。
QST病院は、放射線治療の中でも重粒子線に特化していて、その分野では世界でもリードする存在という病院です。
どちらかの病院にセカンド・オピニオンしようとは思ったものの、正直、悩みました。
がん研東病院で、内科・外科・放射線科の総合的な意見を伺えるなら、こちらを選んでいたかもしれませんが…
セカンド・オピニオンは、診療科ごとに依頼をしないといけないんですよね。
結局、通いやすさ、治療期間の短さなどから、重粒子線のQST病院を選んだという感じです。
QST病院のセカンド・オピニオンは、当時で30分10000円(追加料金を払って60分まで延長可能)でした。
~ 『ラジオ波』の巻 ~
『ラジオ波』は、標準治療の一種ですし、「肝転移 ラジオ波 病院」といったキーワードで検索してみても、なかなか絞り切れません。
なので、ちょっと視点を変えて「肝転移 ラジオ波 名医」というキーワードで検索してみると…
順天堂大学病院の椎名秀一朗先生がヒットしました。
上の記事を読んでもらうとわかるのですが、ラジオ波治療の第一人者として、すごい実績をお持ちの先生になります。
セカンド・オピニオンをする前から、椎名先生に治療をお願いできないかなんて期待しちゃったものです。
というわけで、椎名先生を指名して順天堂大学病院にセカンド・オピニオンを依頼することに決めました。
順天堂大学病院サイトには載っていませんが、セカンド・オピニオンの教授指名は、当時で30分33000円だったかと。
といった具合に、私はセカンド・オピニオンを依頼する病院を選んだというわけです。
セカンド・オピニオンをしたい病院が決まり、その旨を主治医にも伝えたところ、快く受け入れてくれました。
ちなみに、セカンド・オピニオンには主治医の協力が大切になるので、遠慮せず早めに伝えましょうね。
そんなこんなで、現実的に話が進み始めました。
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◆【本音】治療より前の情報戦で負けてらんない!
ちょっと話は逸れますが、どうしても伝えておきたいことがあります。
セカンド・オピニオンに向けて、現実的に話が進むまでに私がやってきたことって、要するに情報収集なんですよね。
情報を持っていなければ、当然、治療に辿り着くことだってできません。
治療より前の情報戦で負けていられないのです!
とは言え、なかなか困難なのがこの情報収集でして、皆さんも経験があるのではないでしょうか。
・根拠のない眉唾な情報
・役に立たない古い情報
・不安を煽るための情報
世の中にはこんな情報が溢れていて、それを判断するのが難しかったりするんですよね。
このnoteは、その困難な情報収集を私なりにやってきた記録でもあります。
私なりにというのがポイントで、どこまで読んでも、あくまで私の一例に過ぎません。
言い換えるなら、私の実体験を詰め込んだサンプルです。
サンプルなので、あなたにとっての情報の全てにはなり得ませんが、きっと情報のベースにはなってくれるでしょう。
さて、そろそろnote後半に差し掛かるわけですが…
ここから先は、私が実際にセカンド・オピニオンをした具体的な話がメインです。
膵臓癌から肝転移した腫瘍に対する治療について…
どんな質問を聞き、どんな意見を貰い、どうしてマイクロ波治療を受けることになったか
…といったことを自らの経験を整理しつつ共有してみます。
今まさにセカンド・オピニオンを検討しているあなたにとって、この私の経験が役立ちますように…
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