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クリーピーパスタ2はこんな本!第2夜BUBBLES  (仮題:泡)

第2夜
BUBBLES  (仮題:泡)
作者:Max Lobdell

〈ストーリー〉
ある男が病院で怪我の治療を受けていると、隣の部屋に、全身を泡に覆われた瀕死の女性が運び込まれた。泡は豆くらいの大きさからグレープフルーツくらいの大きさまであり、どれも中からの圧力によって脈動しながら、時々裂けては、黄色い液体を滴らせていた。おまけにひどい悪臭を放っている。見ていると、瀕死の女性の目から細い茎が出て来て長く伸び、先端に泡を作った。泡はもこもこと膨らみ、茎からだらりと垂れ下がった。女性の目からはその後も次々と茎が伸びてきて、同じように泡を作っていく。

突然、男の妻から携帯電話に「空がまぶしいピンク色の光の染まっている」とメッセージが届いた。その直後、病院に異様な姿をした生き物が現れ、現場は騒然となるが……。

〈感想〉
この作品は、前回の作風とはがらりと変わって、どストレートなSFです。たまたまそこに居合わせた男が目撃する怪異、エイリアン(あるいはモンスター)の目的は不明、はっきりしたオチがない結末という特徴が、日本で人気のネット怪談にも通じる、ある種の実話っぽさを与えています。しかし、目から茎って……。実話じゃないことを切に祈ります。

作者は、前作『THE CREEPYPASTA COLLECTION』(『【閲覧注意:ネットの怖い話 クリーピーパスタ】』でもグロ系の物語で日本の読者の方々にわりと評判が良かったマックス・ロブデル。創作なのか、自身の実体験に基づいたものなのかが議論の的になるほどリアリティのある作風が魅力の作家です。

さて、この『THE CREEPYPASTA COLLECTION volume2』には、こんな感じの“実話かな?”と思えるようなSFホラーも収録されています。もし翻訳されたらちょっと読んでみたいな!と思われた方は、ぜひ「いいね」とか「スキ」などリアクションしていただけたら嬉しいです。
(文責:岡田ウェンディ)



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