【PIN百物語】タンス

ストーリーテラー、じゅて中島でございます
さてさて、先日のあたくしの話はいかがでしたか?

では今回のお話は、高校時代まで遡ります

これまた前作同様、寝てる最中に起こったんですがね
あたくしの実家のある通りは寺社仏閣が6つほどありましてね
小学校のころ、頭のない黒猫が鏡に映って近づいてくるってのを見てから猫が苦手になってしまいましてね
(当時犬も吠えられ倒して苦手になってたが、人懐っこいハスキーに助けられてましたね)

そんな小学校から年月を経て暗黒高校時代
窓を開けていると、程よい風と寝苦しくはない程度の暑さでスヤスヤと寝ていたんですがね

突然部屋の中から、ガタガタっ!と鳴り響きましてね
その頃はまだ家にネズミが入り込んでってことは無かったんで、何事!?と思い目を開けたんです

部屋を見渡すと、とある所に違和感を感じまして…
寝起きでしかもメガネなしでボーッとする視界が徐々にひらけていくと

タンスの上に何処から現れたのか、目を閉じた生首がありましてね

見た瞬間に目も閉じられず、声も上げられないような金縛りに襲われました
もがいている状態でも生首からは目を離すことができず、コノヤロウと思ったもんです

するとね、ゆーっくりと生首の目が開くんですね
これはまずい!と思っていると、生首は『ニタァ…』と真っ赤な口内を見せるように笑みを浮かべるわけです

よく、見える人にツイテイクと言いますが、まさにそうなんでしょう
とりついて、あわよくば…というのが……

ふわりとタンスから浮かんだ生首が、ゆっくりとあたくしの方に飛んできましてね
口が更に大きくなったところで、外から物音が聞こえるんですね

ザッザッザッザッ………
まるで兵士が同じペースで歩いているような

すると、足音のような音は我が家の前で止まったんです
心中では『え、うそん、内側と外からやられんの!?』と冷静だったわけですが

生首の表情が、一気に凍りついたのがわかりまして
外から男の野太い声で『おい』と聞こえたと思ったら
もうすぐでした、何かに吸い込まれるように、生首が外に出ていったのです
無論金縛りが解けていないので、外は確認出来ませんでしたが、足音のような音は我が家から徐々に徐々に遠ざかっていきました

あたくしはここでやっと目を閉じ、開けるともう日が登った朝でした
あれは夢か?と思いながら、眠い目を擦り、やる事のない高校へ向かうのでした

いかがでしたか?
ではまたお会いいたしましょう………

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