【PIN百物語】壁

ストーリーテラー、じゅて中島でございます
あたしもね、いやぁな空気とか、いるなって感じる所ではね
えづきが止まらなくなるんですね

目の前に白いモヤがあるなぁ、おえっとえづく
後で聞くと心霊スポットだった、とかよくあるんですね

新卒で入社した某家電量販店で寮に入りましてね
時たま上記のようなことが起こるわけです

そんな中、同僚先輩上司やら仲のいい人達のたまり場にもなっておりまして、
何時ぞやか、『本当にあった呪いのビデオ』シリーズを何本か見ようじゃないかという会が開かれました

当時、本気で怖がってたあたしは、セブンでお菓子やらブリトーやら買い込み、部屋に籠っておりました
共用スペースからは、わははわははという笑い声や、うおお!と怖がる声が聞こえて来てまして

あたしはというとね、まぁニコニコ動画や普通の映画のDVDを見てましてね
さて、明日も仕事だ、そろそろ寝ようと床に付いたわけです
しかし、寝るもうとするとえづきが止まらなくなりましてね…よく怖い話してると寄ってくると言うでは無いですか
自動再生でニコニコ動画を流しながら改めて横になったわけです

そして、直ぐに眠りについたんですが、はたと目が覚めてしまいました
なんだよ、トイレ行くか…と体を動かすも、どう頑張っても指先1つ動かせない

そう、金縛りである

すると、寝床の左側に壁があるんですがね、そこがうねうねと隆起しはじめました
こうなると心中穏やかじゃございません、なんとか金縛りを解こうともがき、頭の中で教を唱えてもダメ
何があるんだ!と心で叫んでいると、徐々に隆起しま壁が人の形を取り始めたではありませんか

本当に驚くべきことに出会うと、人間息をするのもはばかられてしまうものですね、体験してわかりました

すると、隆起した人型になった壁が、ふと私を見やるのです
『これはいけない!』と思うも、金縛りは相も変わらず解けず
人型の腕がゆっくりとあたしの首に近づいてきたんですね
怖いなぁという感情よりも、なんなんだよ!という怒りの感情が勝ってきましてね

そうなんです、あたし、睡眠と食事を決めたペースでやれないと機嫌がすこぶる悪くなる人なもので

すると、あたしの怒気を察したのか、人型はピタリと止まり、まるでVHSの巻き戻しのように、スっと壁に戻って行きました

その後特に霊障もなかったんですが、ちょっと事情があり寮から出たわけですが、その先でもまた色々起こるわけですが、それはまた別のお話

さあ、貴方は視線を感じたとき、後ろを振り返りませんか?
それは後ろではありません、時には上や下を見ることをオススメします

では

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