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島をくちずさむ ~ジュスにまつわる随想~ゲレン大嶋 【第3話】 2005年 チュラマナ結成時 宮良牧子さんとの出会い

2004年のアルバムを最後にTINGARAを脱退した私に、レコード会社のディレクターが電話をくれました。「ゲレン、山内雄喜さんは知ってるよね?一緒にユニットやらない?」とのこと。日本におけるハワイアン・スラック・キー・ギターの第一人者、アラニさんこと山内雄喜さんとはすでに面識もあったしプレイも大好きだったので、もちろん「やります!」と即答しました。フロントは私にとって初めましての二人で、フラの名手である上原まきさんと、もう一人は石垣島出身の宮良牧子さん。チュラマナと名付けられたこのユニットのコンセプトはハワイと沖縄のトラッドを融合するというものだったので、レパートリーのメインは民謡の編曲版でした。でも、単なる“企画もの”にしたくなかった私は、アルバムに1曲はオリジナル曲を入れたいと主張し、2006年の1stアルバムでは宮良牧子さんのヴォーカルと上原まきさんのチャントのための「コドウ~いちまでぃん~」を、そして2007年の2ndでは二人のデュエットのための「美らマナ」を書きました。これが、宮良牧子さんが私の曲を歌った最初の2曲となった訳です。その技術と表現力は当時から際立っていました。

余録:そろそろ私に「激レアさんを連れてきた。」から声がかかってもいいのではないかと思っています。
お題は「自分は全然売れてないのに飲み屋で偶然知り合った3人の超一流ギタリストたちと次々にユニットを組んできた人」。
私ゲレン大嶋は、チュラマナの山内雄喜さんとは代官山のミュージック・バーで、ココムジカの梶原順さんとは横浜北部の和食ダイニングで、そして、ジュスの笹子重治さんとは第1話に書いた通り沖縄市高原の民謡クラブで、偶然知り合ったのです。なんて運がいいのでしょう。3人とも個々のフィールドにおけるトップ・ギタリスト。この巨匠たちとたまたま飲み屋さんで知り合って、それぞれとユニットをやって、全員が私の曲を弾いてくれるだなんて、いや、もう、ほとんど奇跡です。これぞ激レアです。番組スタッフの方、ご連絡お待ちしております。ハハハ。

30年以上にわたって沖縄にインスパイアされ続けてきたふたりのアーティスト、ギタリスト/作編曲家、笹子重治(ショーロクラブ、コーコーヤ)と三線プレイヤー/作曲家、ゲレン大嶋(てぃんがーら、チュラマナ、ココムジカ)が、愛する沖縄への思いを込めて書き下ろしたオリジナル曲を、石垣島出身のヴォーカリスト、宮良牧子が表現豊かに歌う新ユニット、 ジュス(誦す:古語で「くちずさむ」の意)が始動。1stアルバムを2022年初夏にリリース!

●笹子重治(作曲、アレンジ、ギター)
ギタリスト、作編曲家、プロデューサー。弦楽トリオ、ショーロクラブ(1989年-)のリーダーであり、ソロ・アーティストとしても優れた楽曲を発表。多くの尊敬と信頼を集める彼のサポートを求めるアーティストは後を絶たず、これまでに共演してきた歌手や演奏家は、畠山美由紀、Ann Sally、大島花子、純名里沙など、枚挙にいとまがない。また、古謝美佐子、大島保克、比屋定篤子、桑江知子といった沖縄出身アーティストとの共演も多い。

●ゲレン大嶋(作曲、作詞、三線)
1999年に沖縄系アンビエント・ミュージックのユニット、TINGARAのメンバーとしてデビューしたヤマトンチュ三線プレイヤーの先駆け的存在。その後ハワイアン・スラック・キー・ギターの名手、山内雄喜、宮良牧子、上原まきと組んだチュラマナなどを経て、2010年からは日本を代表するギタリストのひとり、梶原順とのインスト・ユニットcoco←musika(ココムジカ)で作曲と三線を担当し、三線音楽の新たな可能性を広げている。

●宮良牧子(ヴォーカル)
石垣島出身。民謡のDNAを大切に受け継ぎつつ、そのエッセンスを多彩でダイナミックな表現の中で輝かせるという、稀有なスタイルを持つヴォーカリスト。その圧倒的な歌唱力を絶賛するアーティストも多い。これまでにソロや、ゲレン大嶋とも共演したチュラマナなどで多くのアルバムをリリース。また2010年にはNHK連続ドラマ小説「ゲゲゲの女房」サウンドトラックに参加し、2012年の映画『ペンギン夫婦の作りかた』では主題歌の作詞作曲と歌唱を担当し活動の場を広げている。

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