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なぜ16Personalities診断で誤差が発生するのか


散々流行っているMBTIだが、ネット上で無料で行える16Personalities診断は、対象が人という時点で少なからず精度に問題が出る。そこで、そのブレが発生する原因を明確にしたいと思う。主に下の3つに分けられる。


① 絶対評価で答えるか相対評価で答えるか

「質問の内容に対して同意するか」という意味でとらえる→絶対評価
「周りと比べて自分の同意する度合いはどうか」を考えて答える→相対評価


② 母集団の偏り

特に、①で言った相対評価で質問に答える場合、母集団(自分の周りの人々)のMBTIが偏っていると、自分の測定結果が逆方向に歪んでしまう。
(質問の内容的にFTで起こりやすいと推測される)

例えば国立理系の研究室に所属しているA君(T55%)が研究室の母集団の平均(T70%)を基準として自分の性格を判断した場合、F65%となる。




③ 各質問の解釈の違い

注意1:2024年4月15日時点でのネット上の16Personalities診断における質問である
注意2:例えば1ページ目の上から1番目の問題を「1-1」と表す


1-1 「定期的に新しい友達を作る」(EI)
「定期的に」という解釈が分かれる。おそらく「新しいバイトを始めるごとに」などもあてはまるのだろうが、「半年ごとに」などと誤解しがちである。後者の場合、「友達が欲しいのでその為に一定間隔で活動をする」のようなニュアンスであるが、これだとさすがにめちゃくちゃ外向型の人以外が同意しなくなってしまう(難問)ので、前者の解釈が正しいと推測される。

4-6 「やらなければいけないことをしてからリラックスするのが好き」(PJ)
そのまま単純に好みを聞かれているのだと捉えるか、「やらなければならないことを先にしがちである」というように変換して、習慣として捉えるかの2パターンがある。おそらく前者としてとらえるのが正しい。診断を早く終わらせようとしてせっかちになると後者の捉え方になる場合が結構あると思う。実際、筆者も最初の頃の診断では後者の捉え方で答えていた。

5-1 「人が口論するのを見るのが好き」(FT)
自分が繊細という認識が強く存在する場合、余計に「口論」=「喧嘩」と捉えてしまいがちな気がする。実際辞書によると、「口論」は「喧嘩」と「議論」の両方を含んでいるという解釈が正しいらしい。筆者はずっと、「口論」=「議論」と捉えていた。

6-3 「自分とは全然違う経験をした人の気持ちを難なく理解できる」(FT )
「理解できているような気がする」という主観なのか、「実際に理解できている」という能力なのか、かなり微妙であるが、同意するかどうかを聞かれているのでおそらく前者で正しいだろう。

7-6 「自分と違う考えを理解するためにより多くの時間を費やす」(NS )
内容としては同じでも、ニュアンスとして、能力的な解釈の「自分と違う考えを理解するためにより多くの時間を費やしてしまう」または、性格的な解釈の「自分と違う考えを深く理解したいのでより多くの時間を費やす」の2パターンが推測される。ここで、いずれの質問も各要素(EI,NS,FT,PJ)に当てはまるはずであることを考えると最も近いのはNSなので後者のニュアンスが適切である。ただし、例えばEIとNSを同時に測る1つの質問は無いと仮定している。

8-2 「計画が途中で中断されたら、できる限り迅速に再び軌道に乗せるのが最も大切だ」
計画が途中で中断されているなら、途中で中断された原因である何らかの事象が存在するはずで、その事象によってはどう考えても計画を実行させているどころじゃないという場面がある。例えば、「noteでこの記事を23時までに終わらせるぞ」と計画していても、父が倒れて救急車で運ばれたら病院にいかざる負えない。どっちにしろこのような考えに至ってしまう時点で筆者はこの質問において同意しない(P)で正しいのかもしれない。おそらくこの質問はもっと感覚的に捉えるべきであって、中断された原因である事象に注目してしまうとアウトなのかもしれない。

9-6「一目見ただけで、その人の気持ちが分かる」
これはそのまま(本当に分かっているかどうかという能力として)捉えると、超能力的な読心術ができかどうかという域になってしまうので、「とにかく人の気持ち分かるんだよ、おれ(わたし)!」という人がYESと答える問題なのだろう。実際メンタリストDaigoでさえも一目見ただけではその人の気持ちは分からないだろう。


総まとめ

河野玄斗が最初に診断したとき、質問の内容を厳密に考えすぎてENFPになっていた(2回目はESTP)。1回目は本来求められているものとは異なる解釈で答えてしまった結果で、2回目が正しい結果だと思う。こういう診断は基本的に内容が抽象的であり、すべての質問を作成主が意図したニュアンスで答えるのはかなり難しい。河野玄斗ですらも苦戦している様子から考えるに、頭がいいと言われている人ですら歪んだ解釈をしてしまうらしい。今回の記事が少しでも質問の解釈の助けになれば幸いである。

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