見出し画像

求 オタクの定義。

初めまして!22生、副部長の隠神(いぬがみ)です。
この記事は声優文化研究会の新歓企画「オタクとしての芽生え」の一環
として、私がオタクになった経緯について、考えてみた記事となって
います。長文になりますが、少しの間お付き合いいただけると幸いです。


オタクの始まり(?)

アニメを見始めたのがいつだったか考えたときに、最初に見たアニメとして思い出したのは「機動戦士ガンダム」、つまりファーストガンダムの再放送でした。そのころ、私はまだ6歳とかなので、ただのロボットアニメとしか見てなかったと思いますが、今見ても多くのメッセージを感じられるこの
作品は、きっと私がオタク文化にはまり始めるきっかけになったと
思います。

最近、ククルスドアンの島がリメイクされました。

ここから、私はロボットアニメにはまり始めます。マクロスFや、
ダンボール戦機、その前にイナズマイレブンがやっていたころから、徐々に私はアニメに興味を持つようになりました。

レベルファイブ全盛期(正確には妖怪ウォッチ)

二次創作との出会い

一般的にオタクの始まりだといえるような出来事は、私には2014年に起こりました。それはユウキとの出会いです。ソードアートオンラインⅡに登場
したユウキは、たちまち私の心をとらえました。言葉で言い表せないくらい素晴らしいその人間性を、眩しく感じて、憧れとも思える思いを持ったことを覚えています。だからこそ、その「死」には大きな絶望を感じました。

シルシという曲をぜひ聞いてください。

予想できていたし、わかっていたのにとてつもない衝撃でした。
「この素晴らしい人が薄幸のうちに死ぬなんてことがあってはならない。」そういう思いが私の中でくすぶっていました。そんな時に出会ったのが二次創作の世界でした。やはり、私と同じことを感じた人が多かったのか、先人の作った作品にはユウキへの救いがあり、この時はそれでよかったというか、心が休まりました。やっぱりハッピーエンドはいいなぁと思いました。

ファウストさんもハッピーエンドがいいとおっしゃっています。

オタク本格化

ここまでで、終われば推しを愛でる普通のオタクだったはずなんですが、
二次創作小説を読んでいるうちに、私はさらにめんどくさいオタクになってしまいました。ユウキへの救いは私にとっても望んでいたもののはずだったのですが、救われている様子を見るとコレジャナイ感に苛まれました。
それもそのはずで、私の脳を焼いたユウキの姿というのは、定められた死を理解し、自分の生の意味に迷い、死を恐れながらも悲観せず、最後まで
生き、そしてその意味をつかみ取ったユウキです。つまるところ、ユウキはその死によってその完全性を担保されるキャラクターでした。私は今まで、結構アニメや小説を読んできましたが、総じてユウキのようなヒーロー
または、ヒロインの導き手のようなキャラクターはこの宿命を背負いがち
です。なぜなら、主人公の思考から外れた行動や判断、思想によって
主人公の背中を押す以上、その行動にはそれなりの意味付けが必要である
ためです。ここで殺すことを躊躇すれば、その作品はその価値を落とすと
私は考えるようになりました。ユウキは、残された時間が少ないからこそ、だれよりも真剣で、だれよりも遠慮せず、だれよりも笑顔なのです。(この言葉の意味はSAOのマザーズロザリオ編を見ればわかるはずなのでぜひ見てください。ユウキは名言製造機で、本当に元気や勇気をもらえます。)

「アスナ、ぶつからなきゃ伝わらないことだってあるよ。
例えば、自分がどれくらい真剣なのか、とかね♪」

私は、この問題を解決できる作品を作りたいと思いました。というか、
いまだに思っています。これは私の驕りを多分に含む希望ですが、「ユウキが死なない」という条件を満たしながら、SAO本編のように面白いものを
求めているわけです。ただ、これはとてつもなく大変な挑戦で、小説を初めて書くような私には普通に無茶でしたし、ユウキがもはや別人になったり、ほかの二次創作と同じく、ご都合主義的な展開が目立ってしまうことで
否定的な意見もコメントでたくさんもらいました。というか、今の私でも
万人が納得できるだろう答えは出せません。しかし、いいこと(?)も
ありました。それは私が作品の問答、思想を非常に重要視してみるように
なったことです。今まで勧善懲悪しかなかった私の世界観は、ユウキを救うための思想や人の成長を探すことで急激に広がったといえます。そして、
このころから今まで、私は強い思想や、問答のある作品を非常に好むようになりました。例えば、サイコパスや、Fate Apocrypha、攻殻機動隊が
あげられます。

アニメの哲学

サイコパスは一期は主人公は狡嚙ですが、1期2期を総じて、ヒロインの朱ちゃんの成長が著しく、思想的、哲学的に成熟していく様子は、近年の
アニメにあまり見られない、人としていろいろな面で成長していく様子を
よく見ることができてすごくいいなと思うと同時に、その成長を強いたこのアニメの世界の環境は過酷でひどいと強く感じました。このアニメは、特に一期は悪役も知的で素晴らしく、善悪の数値化という世界観を通じて、善悪の基準や、人を思う気持ちや献身は、必ずしもマジョリティにとって善に
なりえないことを見せ、最大多数の最大幸福を実現するために世界から零れ落ちた、またははじかれた人々の存在や生き方によって人の作る最善や全能の限界を痛感させられる作品になっています。

花澤さんがかっこいいです。

Fate Apocryphaの哲学は同様の結果に対しても、その過程は重要であるかというものであり、得た結果が、恩賜的なものであるか回復的なものであるかによって、その結果は事実上の結果として同じでも、正確に同様のものではないという思想によって書かれています。人は、自ら勝ち取ってこそ、そのものの理由や価値を理解でき、それは何よりも守られるべきものであると
いう考えは、この作品にも、前述のサイコパスにも通ずるものがあります。
Fateシリーズは総じて正しさの、または正しさに対する人の無力さを感じます。しかしだからこそ、つながれた思いは本当に美しいと思いました。後、本当に魔術師というのはろくでもない連中だなと思いました。

シガレットキスのシーンはまじで必見。エモすぎ

攻殻機動隊は主人公を少佐(草薙素子)としながら、そのテーマはタチコマという、人でないロボットによって示されます。作中で非常に重要な用語
として、スタンドアローンコンプレックスというものがあげられ、これは
人が電脳という、機械化された脳によってネットワークに通じることで、
独立している個人が結果として、集団の総意に基づき、没個性的に行動を
することを指した言葉です。これは、現在でいえばネットでバイトテロが
炎上している(注目されている)のを見て、バイトテロが蔓延するといったことの延長にある概念であり、この流れから脱出するためには、自身の個性を発見、確立する必要があります。(いまだ、そこには善悪のような問題を含みますが。)この個性の確立を行ったのが本来個性を持ちえないロボットである作中のタチコマです。攻殻機動隊はストーリーを詳細に解説しないと説明が難しい概念が多いのであまりストーリーをネタバレするわけには
いかない関係上、一つだけ言わせていただくと、「タチコマの家出」という回はこの作品において思想的に非常に重要なので、戦闘シーンは薄いですが、ぜひ見てほしいと思います。作中で喪失によって、なくしたものの
重要性を理解していくという状況は、先のユウキの例に近いものがありますし、これが、個を確立したものにしか訪れないことは、ユウキを存在として
生かすための(救えるとは断ぜられないが)一つの答えを見つける手掛かりになりました。

ガンアクションも電子戦もまじでかっこいい。

未来

ここまで話してきてなんですが、私のアニメ熱は最近鎮火していました。
なぜかというと、似通った作品が多すぎて(なろう系みたいな)、そして
そういう作品は総じて、二次創作に多い、主人公最強のような要素を持ち
合わせるという具合に、悲観して懐古厨になった結果、昔の作品ばかり
見ていたわけです。しかし、昨年小説家になろうの可能性を見せてくれる
作品を見つけました。それは、「陰の実力者になりたくて」です。

私はイプシロンが好きです。

なろう系と変わらなくないか。と思われるかもしれませんがこの作品は非常に特殊な性質を持っています。それは、主人公の勘違い要素であり、それによって、最強存在を笑い飛ばしていることです。メアリー・スーという名前を聞いたことがあるでしょうか。基本的に、幼女戦記に出てくる
キャラクターとして思い出されると思いますが、彼女の名前には語源があり
物語、特に二次創作 であまりに理想化され不自然に活躍する登場人物 の
蔑称としてこの名前は使われます。幼女戦記のメアリー・スーはまさにこのようなキャラクターでしょう。私が嫌気がさしていたものはまさにこの
メアリー・スーであり、陰の実力者になりたくては、小説家になろうの作品でありながら、そのようなキャラクターを外から見て嘲笑するという、
ある種自虐的な作風がこの作品の魅力だと私は思いました。現状の小説投稿サイトの現状ありきですが、(チートスレイヤーと違って、)人の作品を
侮辱することもなく、この独自性をだした、このアニメには本当に感銘を
受けて、希望をもって、最近私は最新のアニメを追うように努力して
います。こんな、ユニークな作品をまた発見したいと本当に思いました。

最後に

ここまで、読んでいただいてありがとうございます。正直思うがままに
書いた結果、話がまとまっていないところや、説明不足なところがあるなと思いましたが、この記事を機に、少しでも私の好きなアニメを気になって
もらえたり、声優研に興味をもってくれたりすると嬉しいです。まだまだ
語り足りないので、この後もnote企画があると聞いているので、個々の内容について詳しく書いたものをあげたいと思っています。この記事で興味を
持っていただいた方や、「何言ってるのかわからん!!」という方も、その時はまた、読んでいただけると嬉しいです。改めまして、ここまでお付き
合いいただきありがとうございました。
                        -隠神-

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?