8月に出逢ったリンダちゃんのこと

リンダちゃんのこと

長いです。
自分自身の気持ちの整理の為に書かせて頂きます。

写真のリンダちゃんは、独りぼっちになってしまいました。

5年前、40代働き盛りの息子さんが、
日中お一人でお留守を預かる同居の年老いたお母様に寄り添ってくれる存在としてプレゼントしたのがリンダちゃんでした。
血統書付きのチンチラゴールデン。
ペットショップで高額で買い求められました。

強く求められた存在であったリンダちゃんは、そのままお婆ちゃんと
息子さんと3人で穏やかに楽しく暮らし続ける筈でした。

リンダちゃんの運命が大きく変わってしまったのは今年の3月。
まだまだお若い息子さんが、なんと、急死してしまわれました。
お婆ちゃんは、お一人息子さんに先立たれたショックのせいか、一気に認知症が進んでしまったそうです。

注意力も散漫になってしまい、
ペット可マンションのお住まいから、リンダちゃんを何度も脱走させてしまいます。
その事すら忘れて長時間外出し、
その間、リンダちゃんは
別の住人の方々のお部屋で過ごし、ゴハンを貰う事が多くなりました。

真夜中に突然リンダちゃんの存在を思い出し、
3時4時によそのお部屋の呼び鈴を鳴らし
「うちのリンダは来ていないか?」
と問題行動の頻度も高くなる一方です。
自制心も減退してしまったのか、思い通りにならないリンダちゃんを、叩いてしまう事も増えていたそうです。

お婆ちゃんとリンダちゃんをお気の毒に思い、
お婆ちゃんの病院の付添や
リンダちゃんのお世話をしてこられたお優しいマンションの住民の皆様の忍耐と受容も限界を迎えつつありました。
そして、お婆ちゃんの肺の写真に影があり、
入院加療の必要性があるかも知れないタイミングで
マンション住民の方からご相談をお受けしました。

お婆ちゃんとご面談をし、このままではお婆ちゃん・リンダちゃんにとっても良くない状況である事をご説明し、
今のお婆ちゃんには、リンダちゃんのお世話は無理なこと。
お婆ちゃんご自身が、人のお世話になる必要がある事をご納得頂きました。
ところが、
リンダちゃんの通院のお約束の日になると、そのお約束をすっかりお忘れになり、
命の危険すらある炎天下にリンダちゃんを放り出し、お婆ちゃんは日傘もマスクも無しで外出しておられます。

「このままではリンダちゃんもお婆ちゃんも死んでしまう💦」
と本気で危機感を持ちました。
御霊というのがあるのなら、
お亡くなりになった息子さんが誰よりも、こんな状況を嘆いておられる筈です。
普段は猫のお引き取りは基本的にお断りしているのですが、この件をお断りしたら、一生後悔するような気がしました。
何よりも、シャレにならない程緊急性が高いと判断しました。

お婆ちゃんについては、プロの手による介護サービスを受けて頂くべく行政に介入をして頂き、
リンダちゃんについては、第三者にも立ち合って頂き、書面も取り交わして
リンダちゃんをお預かりさせて頂きました。


ところが、お婆ちゃんは、全てのやり取りをすっかりお忘れになり、

早速「リンダがいない。
うちのリンダは?」とマンション内のみならず、付近を夜遅くまで探し回っておられるそうです。
「え?私はもう、リンダに2度と会えないの?」と打ちひしがれ、
窓に「リンダちゃんごめんなさい。私が悪かった。帰ってきて」と貼り紙をしているというお話をお聞きし、私も胸が潰れそうになりました。

ご主人のみならず、お一人息子さんに先立たれ、
最後に残された家族であるリンダちゃんを孤独なお婆ちゃんから引き離すなんて、
私はとても酷い事をしているのではないか?
本当は、お婆ちゃんみたいな境遇の方こそ、伴侶である動物の存在を最も必要としているのではないの?

リンダちゃんも、いきなりの環境激変によるストレスから1週間ほどは飲まず食わずのハンストでした。
たとえ叩かれても、炎天下に放り出されても、
リンダちゃんにとっては
お婆ちゃんはたった1人の大切な家族だったのでしょう。
あまり感情に飲まれる事の無い冷酷な私ですが、食べる事を拒むリンダちゃんに強制給餌をしながら思わず

「リンダちゃん、ごめん!
お婆ちゃんから引き離してごめん!
お婆ちゃんを治してあげることはできへんけど、絶対にあなたを幸せにするから!
リンダちゃん、ホンマにごめん!
お願いやから、食べて生きて!」
と抱き締めていました。

この件、悪人が誰も出てこないのが、余計に切ないです😭

その後、やっとゴハンを食べてくれるようになったリンダちゃん。
リンダちゃんも懸命に新しい環境に馴染もうと頑張ってくれています。
今日は動物病院様で健康診断とトリミングをして頂きました。


体重は少し減少してしまいましたが、検査の結果は良好でした。


トリミングも大人しくさせてくれる、
本当に穏やかな良い子のリンダちゃん。

老いること。
病むこと。
死ぬこと。
どれも生きている限り、避ける事はできません。

物問いたげなあなたのその大きな瞳は
これまで何を見てきたの?
どんな悲しいお別れを見て、経験してきたの?

でももう、2度とあんたに、悲しい思いはさせへんで。

リンダちゃんの幸せ探しの旅は始まったばかりです。
未熟な私は
何が正解なのか?正直まだ葛藤しながらではございますが、
リンダちゃんの前の家族に胸を張れるよう、
最高の里親様を探させて頂きます✊
良きご報告ができるよう努めますので、
頑張っているリンダちゃんにエールを送ってあげて下さいませ
(⌒▽⌒)💕

長文にお付き合い頂き、ありがとうございます😊
#保護猫活動 #さくらねこ #高齢者とペット

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