【怪談】隠したのは
Yさん(仮名)女性20代から聞いたお話。
当時高校生だったYさんは、友人宅で友人と遊んでいた。
その友人曰く、俺ん家って男の幽霊出るんだよ、と。
2人でテレビゲームをしていたが、友人はトイレへ行くと席を立った。
戻ってきた友人は「あれ!?ない!」と騒ぎ始めたので、Yさんは何が無くなったのかと尋ねると「さっきまで食べてたポッキーだよ!」とやや怒り気味に答えた。
2人で探してみたところ、ベッドの下にそっと置いてあった。
友人はYさんに「しょうもない事するなよー」と呆れ気味だったがYさんは自分じゃないと訴え、他に誰がいるんだよ、いやお前が自分でよせたんじゃねーの?など言い合いになり、少しヒートアップし始めたそうだ。
半分喧嘩のような言い合いをしていると、Yさんと友人の間あたりから男の低い声で
「俺だよ」
と聞えた。
Yさんはパニックになりながら「は!?今の何!?」と言うと友人は引きつったような笑顔で一言「な?」と返した。
そのあと2人は、喧嘩の続きをする気にもなれず何事も無かったように遊んで過ごした。
Yさんは私に語ってくれたあと、最後に少し笑ったようにこう言った。
「ポッキー隠したのは俺なんだけどね。」
男の声は、空気を読んだのだろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?