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QMSの実践的活用法!


QMS認証取得の目的
ISO9001(QMS:quality management system)
取得している企業も多いかと思いますが…
何のために取っているのでしよう?!
公的機関をはじめとする取引先の取引条件になっているから…
自社の品質の高さを客観的に証明(広報宣伝)するために。
まぁキッカケとしてはそれでも良いでしょう!

しかしながら、本来の取得目的は、「QMSの要求事項を満たす事によって(あるいはその改善活動を通じて)、自社の業務品質、ひいては商品の品質を向上させるため)」ではないでしようか??
そんなことは当たり前だ!と言われそうですが。。
しかしながら実際に以下の様な話はよく聞きます!
・何故うちはQMSをやっているのに(取得しているのに)品質問題が減らないんだ!→QMSが形骸化している?!
確かに認証取得が死活問題になる企業においてその取得が最終目的になる事は致し方ないことかも知れません!
しかし、取得した暁には次のステップとして、QMSの有効活用を真剣に考えるべきではないかと。

QMSの意義
些か前置きが長くなってしまいましたが、私の約10数年の経験から導かれた1つの結論として、「QMSは、品質向上への最短かつ効果的な近道であると言う事です。」
そしてそこ(QMSの実践)には、如何に勘違いが多いかと言う事です!
こんなことを言えるのは私自身が、それらを身をもって経験したきたからという自負もあります!

私がQMSを推す理由は以下の様なものです。
まず、QMSとはあくまで要求事項の羅列です!
こう言うことを確実にしなさい!としか言っていません!→あとは自分たちで考えろと!
従ってhowは自分たちで考えなければいけません!

how=仕組み=プロセスを自分達で定義し、それらの徹底を図ること!
QMSでは、品質はプロセスで作り込むと言う考え方がベースにあります。
そして審査ではその実施状況や有効性を評価してもらう!
これが本来のスキームです!
そしてQMSの真骨頂と言えるのが、その要求事項は、いわば世界中の品質管理/保証のプロが知恵を絞ってリストアップしてくれたものであるということ。
すなわち項目の網羅性は完璧です!→項目レベルでの考慮漏れはあり得ません!
そしてもう一つ、これらの考え方は、製造業に限らずあらゆる業種/業務に適用可能という事です!→最小単位は自分自身の業務でも適用できます!
何故なら業務品質の向上/改善を図る活動は、全ての仕事に通じる一番重要かつベースのスキルだからです!

QMSの活用
概念的な話ばかりしていてもわかりづらいと思うので、例えば問題発生に伴う改善(是正)活動。

キッチンで火が出た🔥!
その後あなたが取るべき行動は?
ちょっとだけ考えましょうか!?

まず、当然ながら火を消す作業をするでしょう!(対処)
ここでは、ラッキーな事に火は🔥ほどなく消し止められたとしましょう!
次にすべきことがまさに重要な事柄になって来ます!
①原因の追求
何故火が出たのか?
いわゆる何故何故を繰り返し真の原因を突き止めます!
②歯止め策
上記原因に手を打つ(是正)作業を行います!
良く巷でのトラブルにおいても、「徹底的な原因追及を図り、再発防止に努めます」なんて判で押したようなコメント!
まさに、改善手法に則ったコメントでいつも感心します(笑)
では、これをQMSの要求事項に則ってもう少し項目を細分化すると…
原因はガスコンロのホース箇所の経年劣化に伴うガス漏れとでもしましょうか?
再発防止は、ホースの交換!
これで一件落着!かもしれません!
でもこのままだとまたホースの劣化とガス漏れは発生するのでしょう(>_<)
何故ホースの劣化が起きたのか?何故それを事前にチェックできなかったのか?等の深掘りができていないため、途中の原因に対して手を打っている、プロセスまで手を打っていないということが言えます。
すなわち、ホースのチェックの仕組みを新たに作るべきでしょう。
あるいはホースの劣化を早める様な特別な作業環境ではないか(高温/低温、溶剤を扱う様な作業環境…)なんてのもチェックする必要があるかも知れませんね。
そして、それらのチェック方法/手順などはマニュアル化などして関係者に周知徹底(必要に応じて教育)する必要があるでしょう。
更に、もし同様にコンロのある部屋が他にもあればそちらもチェックすべきでしょう。
また、事前にチェックはできなかったのか?(予防)の観点からの確認も必要でしょう。
人によってバラツキがあったとしたら集合教育なんてのも必要かも。 

上記考慮事項は、すべてQMSの要求事項に記述されています。
プロセスアプローチ的に表現すると
このプロセスはどこで作り込まれたか?
→今後そのプロセスをどう変えるのか?
(なければ新たに作成する。)
変えた/作ったプロセスをどう周知徹底するのか?→良くある事ですが、ルールはあったのに運用が徹底されていなかった!というパターンにどう手を打つのか!(これは別の項の文書管理にも関連して来ますが、常に最新情報が参照できる状況にあるか、リアルタイムに改訂が実施されているかなども関わって来ます。)
その効果はどのぐらいの期間で、どう言った評価基準で評価(効果有り/無し)するのか?
そのプロセスの推進(対応)責任者は誰か?
を明確にし、改善が効果ありと判断されるまで、この活動は品質管理責任者により、管理されることとなります。
更には、他にも同様事例がないかのチェック!
また、今回の問題は事前に防ぐ事ができなかったかの検証。(未然防止、リスクマネジメントにも繋がる)
是正処置終了後は、今回の対応によって得たノウハウの蓄積と展開
と言ったものも要求事項として記述されています。

どうでしょう?
火がでた!という一つの問題(事象)に対し、どう言った手を打つべきか?
漏れなくあげるとこれほどのことが必要となってくるはずです。
すなわち考慮すべき項目の欠如(網羅性)とその項目の実施方法/スキルの未熟さ、もっと言えばそれに気づいていないことが、最大の問題だとも言えます!

最後に
経営者および現場のマネージャーが、上記問題認識に立った時、初めてQMSの恩恵を受けることとなるでしょう!


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