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不管黑猫白猫,能捉到老鼠就是好猫

黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ
中国共産党の指導者鄧小平が発した有名な言葉。
この言葉から今の中国の経済発展があると言っても過言でない。

この言葉の意味と、私達が今している、寄附募集事業、助成事業と重なる。
つまり、お金に色はないのだから、多少グレーな事業をしている企業からでも寄附を貰えればそれでいい。
そのお金で困っている人が助かればそれでいい。

また
助成先の団体が言う。
多少、ガバナンス、コンプライアンスがしっかりできていなくても、困っている人たちを助けているんだからいいではないか。
自分たちの団体の定款に謳っているミッションに向かってしっかりやっているのだからいいでしょ?

ここでいつも悩む分岐点がある。
企業から寄附を頂く場合、特にコミュニティ財団では冠基金として、公募をして審査し助成先を決めていきます。そこのプロセスには、特に公募要項において、助成団体の対象分野や活動内容、募集する事業の確定は、寄付者=企業の意向が反映される。
それは、その企業の事業分野や企業経営方針や考え方が反映されてくる。
もちろん、助成団体として、公益法人としての公益性、公平性、客観性、社会性を担保した上で公募助成事業を行うにしても、ドナー企業のイメージアップ、社会貢献事業を一緒にしていることになります。
そういった意味においては、公募要項の方針に関して、寄付者の意向のみにおもねることは出来ない、ということです。
上記は企業からの寄附ではあまりない状況ではありますが、個人の方からの寄附、遺贈の相談では、特定の団体や狭い範囲の業界への助成事業になってしまう恐れのある要望がかなりあります。

私たち助成財団が立っている場所は、誰が見ても公平で、公正で公益である、と、説明できる行動をとるということです。

もう一つ、団体のミッションにそってお金を使っている、という論法。
私たちがしている助成の多くは、団体助成ではなく事業助成。
つまり、特定の対象の方々へ現状を改善するための事業に対しての資金を提供しているということ。
もちろん、事業をしている方向は、団体のミッションに沿ったものであるはずですが、あくまでも事業への資金、成果を求めての助成であることをいつも確認していないといけない、と思っています。
助成先への苦言、ではなく、同じ目線で開始する、ですね。

では、結局
黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ
は正解なのか。
民間企業活動においては、どんなやり方(猫)でも、良い結果(ネズミを取る)が出すのであれば、そのやり方は良いやり方だという極めて合理的な考え方。
私も長い間民間で事業をしてきたので、極めてプラグマティックに仕事をしてきたし、ネズミを取れば何色の猫でもいい猫だ、と合点している。

が、こと、公益活動において、公的な資金をお渡しする場合は、ことなる。黒い猫か白い猫か、グレーなのかを意識し、鄧小平さんでいいのか、を意識し、逡巡するようにしています。