怪異には失礼のないように こどもの日SS

ツイッターに書いた話を発掘してきました。

(1)どんな子供でした?
「短さんは小さい頃、どんな子だったんですか? やっぱり頭良かったんですか?」
「学校の成績で言うと、人並みでしたよ」
「じゃあ、生徒会長とか!」
「自分で言うのもなんですけど、風変わりな子供でしたからね。目立つようなことはしませんでした」
「風変わりって何ですか? やっぱりおばけに興味があったとか?」
「ええと」
短はこぶしを口元に当て、少し思案した後、にっこり笑って言った。
「鉛筆の周りを削って芯だけにしたものを、100本ほど集めておりました」
(うわあ……)

(2)買ってきましたよ
「ぴこさん。たい焼きを買ってきましたよ」
「……? なんでですか?」
「こどもの日だからです。お祝いですよ」
「いや、だからなんでたい焼き?」
短は、紙袋からほかほかのたい焼きを取り出し、愛しそうに皿に並べながら言った。
「あいにく我が家には鯉のぼりがないのと、和菓子屋さんが行列で、ソーシャルディスタンスを保つために仕方なくたい焼き屋へ。お魚とあんこを兼ねられてちょうどいいかと」
「え」
「ぴこさんがすくすく育ちますように。はいどうぞ」
「その、ナチュラルに子供扱いするのやめてもらえます!?」

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