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 子供のころ、遊園地のタイルを指でなぞっていたら止まらなくなり、いつの間にか迷子になっていたことがある。
 終わりのない幾何学模様を、おそらく500メートルくらいはなぞり続けていたのではないだろうか。
 大泣きしているところを母が見つけ、僕を抱き上げたところでようやく、指が離れたのだった。

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