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Q、自己開示し合わない協働(Collective Impact)の先に、本当に求めるインパクトはあるのか?

(2017年7月29日の自身のFacebook投稿を転載)
Q、自己開示し合わない協働(Collective Impact)の先に、本当に求めるインパクトはあるのか?
これは、心の底から尊敬するかものはしプロジェクトの本木さんの記事を読んで、湧いてきた問い。

「聴く技術」が組織の生産性を最大化する〜認定NPO法人かものはしプロジェクトの事例から http://drive.media/posts/16759


直感的に、「社会課題解決を目指す協働事業において、関係者間の関係性の深さ=自己開示のレベルによって、インパクトは大きく変わる」、と思った。
そして自分は、「ビジネスライクな関係ではなく、互いの"fear(メンタルモデルレベル)まで吐露し合う関係を築き協働するコーディネーターで在りたい」と感じた。
・・・ここをもうちょっと掘り下げたいのでつらつら書き記してみました。
 
 
 
■協働する理由、Collective Impact(CI)に固執する理由は?
・この4年ほど、マルチセクターの協働事業の企画立上のコーディネーターを、そしてCI事業である「こども宅食」を担当していて
・協働する前提にあるのは、「大きく複雑な社会課題を解決するには、問題のシステムを作り出している主体を巻き込み協働しなければならい」ということ
 
・なぜなら人生懸けて社会課題に取り組んできた人たちが数えきれないほどいて、それ以上に悩み続けてきた当事者がいる事実。殆どの社会問題は、その原因と解決するモデルがわかっていない
・だからCIのフェーズは、①社会問題の調査分析(システムとレバレッジポイントの理解)から始まり、②パイロットプロジェクトの立上げ/検証 ③イニシアチブへ拡大(目指す目標達成に向けて②のプロジェクトの改善拡大・他のプロジェクト立上) ④システミック・チェンジ(構造的な課題解決に向けた政策形成等) ⑤定着、と続く
 
 
■協働する主体間の関係性の深さがインパクトへ影響する理由は?
・社会問題の解決は5年程度で終わらない(例えばアパルトヘイトの終結宣言は、ネルソン・マンデラ氏が活動開始から47年かかった)
・5月にCollective Impact Convining@ボストンに参加したとき、各国のCI事例の多くは5年、10年以上活動していた。CI事業に関わる主体は適宜変わるが、それほど長く協働事業を行う関係性が必要になる
 
・システムの理解・レバレッジポイントの特定には、異なるセクター・主義思想の主体の代表者が、自身の問題意識や情報、知見やリソースを惜しみなく共有する必要がある
・そして勿論、当事者も加わる必要があるが、当事者だって多様。正反対の意見もあるし情報の偏りもある、当事者ー他主体者間で遠慮がありすぎると、正確な想いがわからない
・同じテーマで活動するNPO同士でも批判し合うし、代表は良くても現場が反対したり、議会や株主が反対したり、運営資金の確保や配分、他の業務もあるのに、、という現実的なハードルもある
 
・複数主体間の協働で一番大変なのが、信頼関係ができていないが故のコミュニケーションコストの増大。関係性ができてない中でコミットしたり、本当に目指すコモンアジェンダの設定、シェアードメジャメントの設定はできない
・逆に、NPO間で協働が多く生まれるのは、互いの想いと実績の理解と尊敬があり、相手をコントロールしようとする時間がいらないから
 
 
■共創の力・自分が目指す関係性の深さとは?
・社会問題の解決は、歴史の教科書に載るような大きな変革。時間もかかるし、写真のようにCIは山あり谷あり
・それでもCIなんていう面倒な協働に固執するのは、共創の力を確信しているから
・こども宅食事業始まって7-8か月、毎日が学びだった。「我々が目指す社会的なインパクト」を真剣に議論し、当事者へのヒアリングをし、効果検証方法と事業内容をひたすら試行錯誤。絶対にコンソーシアム6団体の知見がないと出来上がらない事業だと思う(課題はまだまだあるけれど)
 
・自分が本当に目指す協働は、関係主体が自分の感情を出しながら互いのメンタルモデルを知り合い、物事の構造レベルまで議論し事業を創っていく「共創―協奏」
・会話じゃなくて、対話がしたい。CIは長い旅になるから、10年以上続く事業をつくるために、10年来の同志のような関係、チームになりたい
 
(・・・・そのためには自分のfearと向き合わなきゃだなぁ。誰かにコーチングしてほしい)

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