事業所の垣根を超えた訪問看護リハビリインターンシップ。「リハラボ町田」での学び。

先日、リハラボ訪問看護リハビリステーション町田(以下、リハラボ町田)さんに5日間の研修に行かせていただきました。研修の中で、利用者さんやケアマネージャーさんとの信頼関係をいかに作るか、地域への貢献、チームビルディングなど様々な学びを得ましたので、その内容を書いていきたいと思います。

まとめ記事にすると、その背景を伝え難かったため、時系列で書いております。学びとおもてなしが凄すぎて、すごく長い記事になりました笑

研修期間:2020年9月14日(月)〜9月18日(金)

はじめに

リハラボ町田さんは、東京都内で「リハビリ専門デイサービス」や「訪問看護リハビリステーション」を運営する、株式会社Reha Labo Japanが運営しています。

理学療法士などリハビリ専門職が多数在籍し、デイサービスや訪問看護サービスを通して、ご利用者様一人ひとりが「自分らしく」生きていくためのリハビリテーションや看護師等によるケアを提供しています。

今回お伺いしたリハラボ町田さんでは、「想いを形にするリハビリテーション」をコンセプト(理念)に掲げており、スタッフ一丸となって、ご利用者様の想いを叶えるサポートをされていらっしゃいました。

研修目的と地域への貢献

今回の研修の目的は、私が所属する訪問看護リハビリステーション(以下、訪看)が10月1日にオープンするため、実績のある会社で実践的な学びを得ることでした。実績のある会社の中でも、サービス提供だけではなく地域への関わりが多いリハラボさんから学びを得たいと思い、当訪看より打診をさせていただきました。

ただ、リハラボ町田さんも当訪看も所在地は東京都町田市。距離は離れていますが同地域のため、おこがましいですがライバルのような関係です。それでも今回の研修を受けてくださったのは、町田地域に貢献したいという思い。

これまでの私たちの経験や実践の中で得られた知識を共有することで、1人でも多くの方が幸せになっていただければ、とお忙しい中時間を割いてくださいました。

初日がスタート

リハラボ町田は、町田市金森東にあります。事業所は通りに面しており、大きな「リハラボ」の看板が目印。スタッフの方々が裏手にあるお家のご近所さんと明るく挨拶を交わしている姿が印象的でした。

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事業所には大きな窓に白色の壁紙。明るい室内に、これまた笑顔が素敵な所長の田中さん(理学療法士)が出迎えてくれました。

更衣室でリハラボさんのユニフォームに着替え、まずミーティングに参加します。ミーティングでは、スケジュールの確認だけではなく、利用者さんの細かな変化や今後の見通しなどについても情報共有をしていました。

訪問看護では利用者さんのご自宅に専門職が伺い、サービスを提供します。病院や施設などとは異なり、利用者さんが常に目の前にいるわけではないため、他スタッフとの細かな情報交換がリスク管理やより良いサービスにつながると思います。

リハラボさんでは、他スタッフと積極的な情報交換をされており、利用者さんのより良い支援のためスタッフ全員が協力し合っている印象を受けました。これはチームワークの良さがあってこそだと思います。

オープンを控えている当訪看でもミーティングのあり方は検討中であるため、コミュニケーション方法を含めブラッシュアップしていこうと思います。

オリエンテーション

ミーティングが終わり、所長の田中さんと地域連携室長の永島さん(作業療法士)がオリエンテーションをしてくださいました。

ここで驚きポイントが。なんと5日間のスケジュール表と研修資料まで作ってくださっている。

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神です。ゴッドです。

オリエンテーションでは、5日間のスケジュールの確認をまず行いました。

当訪看が立ち上げの事業であり、プロジェクトメンバーも最近確定した状況であることを伝えていたため、まずはいろんな介入方法があることや他職種連携のあり方を知ると良い、とのことで職種を問わず毎日違ったスタッフさんに同行させていただくスケジュールとなっていました。

もちろん看護師さんの同行もスケジュールに含まれておりました。記事の後半でまとめますが、看護師さんへの同行は他職種連携を図る上でとても貴重な経験でした。

スケジュールの確認が終わり、リハラボさんの理念や訪問看護運営のコツ、営業を含めた戦略などについてお話を聞きました。

強みを活かすより大切なこと

リハラボ町田さんには、パーキンソン病の専門セラピストと呼吸認定士のセラピストが在籍しています。その他にも、住環境コーディネーター資格を持つ方もいらっしゃるそうです。

専門職として、そのような強みを前面に打ち出していくことが利用者さんの獲得や満足度向上には重要だとばかり思っておりましたが、実は少し違うとのお話を聞き驚きました。

もちろん専門的な知識や技術があることは必要ですが、人として当たり前の挨拶や礼儀が非常に大切であるとのアドバイスをいただきました。

時間を守る、丁寧な言葉使い、清潔感、他職種への報告・連絡・相談、など当たり前のことを疎かにしてしまうと、どんなに知識や技術があっても依頼がこない可能性が高いそうです。

驚いたことにそれは主観的なものではなくデータに裏付けされたものでした。

リハラボ町田さんでは、以前ケアマネージャーさんに「訪問看護事業所に求めること」についてアンケートを実施したそうです。90名から回答が得られ、そのデータも見せてくださいました。

専門職の同行、リハビリサービスの充実などを抑えて、1番求められていることが「相談のしやすさ」と「対応の早さ」でした。専門職として知識や技術を追い求めるだけではなく、当たり前のことをどれだけ当たり前にできるか、とても貴重なアドバイスでした。

そして、自分たちの思い込みで意思決定をするのではなく、アンケートなどを通して、事業方針などの意思決定をする姿勢に深く感銘を受けました。そのお客様第一の目線は、至る所に散りばめられていました。

お試し訪問・相談

利用者さんが訪問看護サービスを受けるハードルを低くしたい、との思いで始まったサービスで、その名の通りお試しができるようにしたそうです。

もちろん、お試しの際には医師の指示書がないため、体に触れることやリハビリテーションを提供することはありませんが、利用者さんから不安や悩みを聞き、安心してサービスを利用してもらうために導入したそうです。

その背景には、一度契約を結んでしまうと自身に合わないサービスでも解約がしづらい、どんな人が自宅にくるか分からないのは不安、という利用者さんの声があったそうです。

利用者さんやケアマネージャーさんの声に敏感に反応し、お客様第一の目線で新たなスキームを組み立て導入する組織のあり方は、当訪看にも取り入れるべきだと強く感じました。

同行訪問

5日間で、計20件の訪問に同行をさせていただきました。同行で感じたのが、利用者さんとスタッフの信頼関係。

信頼関係は、時間とともに積み上げられるものですが、方法を間違えると悪い方向に進んでいくものでもあります。

リハラボ町田さんのスタッフとその利用者さんは、強い信頼関係で結ばれているような印象を受けました。私なりにその理由を考えてみました。

まず、どのスタッフも笑顔でコミュニケーションを取っており、利用者さんとのコミュニケーションを楽しんでいました。

コミュニケーションを楽しむことは、その人のことをもっと知りたい、という気持ちの表れだとも思います。そうやって、お互いが気持ちよく同じ時間を過ごしていると自然と信頼関係も強いものになるのではないかと感じました。これはホスピタリティにも通じるところがあると思います。

そして、利用者さん主体のサービスを提供していることも大きなポイントだと思いました。

どのセラピストも、利用者さんの「やりたい想い」をとても大切にされていました。これは、簡単なようでとても難しいものです。まず、やりたい想いを引き出す、そしてその方法・やり方を提示する、というプロセスを含むからです。

やりたい想いは、目標設定にもつながります。目標を持つ事でリハビリテーションはより効果的なものになっていきます。

音楽が好き。

脳卒中で半身麻痺がある男性利用者さんは、音楽がとても好きだそうです。元々、ギターを引いていましたが今はギターを引くことは難しい状況。その方は、リハビリの時間をとても楽しみにしていました。

この日は、プロのミュージシャンを目指していた作業療法士とのリハビリの日。おもむろに、作業療法士が自前のギターを取り出し、利用者さんは自宅のエレクトリックピアノの前に座ります。

少し音を合わせた後に、ギターとピアノのセッションが始まりました。ピアノを弾く利用者さんは、気持ちが入っているためか体幹を左右前後に揺らします。バランスを崩して転倒するんじゃないか、というぐらいに笑

演奏が終わった後は、本当に良い表情をされていました。なんでも、私が見学に来ること聞いて、練習をしてくださっていたとのこと。

演奏をすることで、麻痺の状態が良くなったり、歩けたりすることはないと思います。でも、ピアノを弾くことを目標に、長時間背もたれのない椅子に腰掛けたり、楽譜を見ながら演奏してデュアルタスクをこなしたりすることは、立派なリハビリテーションだと感じました。

自分のやりたいことをやる、シンプルですが心が動かなければ体は動きません。利用者さんの「やりたい」を提供するリハビリテーションに心打たれました。

もちろん、身体機能面のリハビリテーションも行っていました。駅近くにある馴染みの音楽バーに1人で行く事を目標に、シルバーカーを片手で持ち上げながら階段昇降の練習もしていました。

やりたい気持ちを大切にする事、目標を持つ事、とても大切だと改めて気づかされました。

看護師さんの同行で得られた事

理学療法士や作業療法士の同行だけではなく、看護師さんの同行もさせていただきました。リハビリの場面とは異なり、看護師さんの訪問では医療ケアが中心となります。

今回は、疼痛コントロールが必要な利用者さんと排便コントロールが必要な利用者さんに同行させていただきました。

排便コントロールが必要な利用者さんは、男性で脊髄損傷などの影響でほぼ寝たきりの状態です。体位を変えながら、おむつをセットし、摘便・浣腸を1人で行う必要があります。

自宅のため移動できるスペースが限られ、楽な姿勢が取れない状態でのケアは大変なものだと思いました。利用者さんの体調が悪ければ、どんなに質の高いリハビリテーションを提供しても、効果はあまり上がらないと思います。

理学療法士として、ケアの現場を見学できたことは看護師さんとのコミュニケーションを図る上でとても貴重な経験となりました。リスペクトです。

そして、看護師さんの立場からリハビリ職に求めていることも聞くことができました。

動作や姿勢に関するアドバイスが欲しいことが多いとのことで、特に入浴介助、食事に介入する方では専門的な目線を伝えてくれると、よりスムーズなケアが提供できるというお話を聞くことができました。

地域への取り組み

リハラボ町田さんでは、地域での活動も積極的に行っていらっしゃいます。例えば、健康に関する講演会や体操教室の講師、イベント時にスタッフとして参加するなど、地域貢献をとても大切にされています。

そして今は、移動に関連するプロジェクトにも関わっているそうです。町田市には団地が多く、高齢化が進み、駅なども遠いことから移動に問題を抱えている住民が少なくないとのこと。

そこでデイサービスなどで送迎車として使っているバンを、稼働していない時間帯に巡回バスのように利用して移動に困っている地域住民の足となり走らせているそうです。

自分の周りだけでなく、社会問題にも目を向け活動しているリハラボ町田さんから今後も目が離せません。

最後に

今回、5日間という長期間に渡り見学をさせていただき、リハラボ町田の所長、田中さんをはじめ、スタッフの方々には本当に感謝しています。この記事では書けなかった事業運営のことや細かな注意点まで、丁寧に教えてくださいました。

この経験を当訪看でも活かすことができるように、10月1日のオープンに向け、スタッフ一同頑張って参ります。

研修終了後の密を避けた懇親会も楽しかったです!

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イケメソ作業療法士の永島さんと研修最終日にお写真を。あっ、田中さんもかっこいいですよ笑

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リハラボ町田さんの採用情報

こんな素敵な取り組みをたくさんされている「リハラボ町田」さん。やはりケアマネさんや利用者さんからの信頼も厚く、新規利用者も続々と増えているそうです。

業務拡大に伴い、一緒に働いてくださるスタッフさんを募集中とのこと!募集中のスタッフは、看護師さんとリハビリセラピスト

今回は研修内容にフォーカスして記事を書いたのですが、スタッフ(看護師さん、セラピスト、事務の方々も)の皆さん本当にいい人ばかりです。一人ひとりの優しさポイントが書けるぐらいの素敵な方々でした。

所長の田中さんなんて、歩くバファリンのような方でした(半分が優しさでできているっていう意味です。もちろん良い意味です)。

私も今の職場がなければ働きた…

い、とは部門の責任者という立場上言えないのですが、アットホームでとても良い職場でした。

教育システムも整備されているため、他事業所にこれだけの研修をしてくださる事業所の教育システムはきっとえげつないです!笑

気になる方は、一度お電話でお話だけでも聞かれてみると良いと思います。


当訪看についての情報

私たちの訪問看護リハビリステーションは町田市小野路町の宿通りにあります。詳細は以下をご覧ください。

また、訪問看護リハビリステーションヨリドコが入居する、ヨリドコ小野路宿には当事業所だけではなく、コミュニティスペースやカフェ、ギャラリースペースも建設中です。

地域の拠り所となれる場所を目指してスタッフ一同頑張っていますので、応援のほどよろしくお願いいたします。

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