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絵画の楽しみ方教えます。 その4-1

はじめに

  さてさて、早いもので私の「絵画の楽しみ方教えますシリーズ」も「その4」になりました。今までの1~3を読まれた方が、どのくらいいるのか私には分かりませんが、この「その4」まで、たどり着かれた方には感謝いたします。
  さて、特に「その3」では少々、力が入り過ぎた感があります。本来ならば勢いに乗ってレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を怒涛の如く快刀乱麻で滅多切り(笑)・・していきたいのですが、「その3」「最後の晩餐」で、晩餐だけに少々豪華すぎて胃もたれ状態です。私だけかな?
  皆さんはいかがですか?私は正直に言ってレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を熱烈的に愛しているわけではないような気がします。秘められた謎ときには心躍るのですが、通常的に絵画鑑賞するには少し重すぎて気楽に見ることができません。ここでさらに、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵を続ければ、胃潰瘍になってしまうかもしれませんね。
  私だけなら良いのですが、皆さんもそうなっては困りますので、少し軽めの絵画を挟んで行きたいと思います。
では、ごゆっくりどうぞ。

聖母被昇天

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「聖母被昇天」 ティツイアーノ 1516-1518  サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラリ教会
    この絵は「絵画の楽しみ方教えます。その2」で登場したティチアーノの「聖母被昇天」です。その時は聖母の足に焦点を当てて解説したのですが、その時の続きから始めたいと思います。この絵についての解説をグダグダ旅行ガイドの様に説明しても意味がないような気がします。昨今ウィキペディアの様な便利な道具もありますので調べればいくらでも情報は入手できます。便利な時代になったものです。
webより
 聖母は15歳でイエスを生み、(はやっ!)33年間イエスに付き添った後、48歳の時に我子が磔になったようです。聖母はその後も24年間生きて72歳になりました。
その聖母マリアが、天使によってもうすぐ天に召されることを知り、世界中に宣教に行っている使徒たちが、自分の臨終に立ち会ってくれるように天子に願い、聞き入れられました。

 ということです。「我がまま」なお婆さんですね。私はこの様な、もっともらしい話があまり好きではありません。旅行に行ってこの絵の有る教会でガイドさんに説明をしてもらえば「ふ~~~ん。」と思うだけです。説明されれば、この絵を理解したような気になるのが気に入らないのです。
 まぁ、この絵を描いたティチアーノ自体、教会からこの様な逸話を聞き、それを題材とした絵画を発注されたのだと思います。決してこの逸話に感動して描いたわけではないと思います。案外勘違いしてしまうことが多いです。
あくまでも仕事として依頼を受けたのでこの場面を描いたわけです。自分で描きたいものを描くようになったのは最近の絵画・美術・芸術の世界の話しです。当時の画家はあくまで職人の世界です。私はそう思うのです。  しかし、反面何か自分の考えあるいは意図を絵画の中に忍び込ませようと画策している面も見逃せません。   そこをほじくり返すのが私の役目かもしれません(笑)
さて、とりあえず普通にこの絵を観てみましょう。私はこの絵を見る時に、まず構図に興味を惹かれました。右下からZ状に上方向に視線を動かされてしまいます。 

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そして上に持っていかれた視線は円で囲まれたマリアに否応なしにもっていかされます。余談ですが(72歳にしてはマリア様若くねぇか)

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実に巧みな画面構成だと感心いたします。
このマリアについては「その2」で解説したように足の表現でダイナミックな感じを観る者に与える仕掛けがあります。その件に興味がある方は私の「絵画の楽しみ方教えます。その2」を購入し読んでください。
商売上手(笑)さて、これからが私の独壇場です。(笑)
アクセル全開!!


続く・・

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