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幕末維新編【逆説の日本史】攘夷とはそいう事だったのか!?

風が吹けば桶屋が儲かる
というコトワザから考えると
『本能寺の変が江戸幕府を崩壊させた』
著者は言います。
 
いやいやいや
『本能寺の変が江戸幕府を誕生させた』の間違いでは?と思うかもしれません。
しかし、歴史を通してみると
『本能寺の変が江戸幕府を崩壊させた』と考えられるそうです。

こんにちは、4s Production 中沢です。

今、ハマっている「逆説の日本史」シリーズ
3冊目の逆説の日本史「幕末維新」編についてアップしていきます。

冒頭のことわざについては
著者がこの一冊を表すために選んだまえがきです。
読んでみた私もこの1行がこの一冊を表していると感じます。
今回はそれを解説していきます。

「江戸時代 将軍」をAIにデザインしてもらいました1

ビッドル暴行事件

皆さんこの事件、知っていますか?
私は全く知りませんでした。
普通の学校教科書にも出てこなかったでしょう。
ビッドル暴行事件はWikipediaも出てきません。
流れでいうと

→1846年ビッドル暴行事件
→1853年ペリー来航
→1854年日米和親条約

当時、世界との貿易で利益を出したいと思っていたアメリカは
日本に平和的に開国を望みます。(これがそもそも違う)
それがビッドルが来日した時です。
なぜアメリカは日本に平和的に開国を望んでいたのか?というと
日本の先には巨大なマーケットである中国があったから
アメリカから中国に行くためには燃料や食料を調達しなければなりません。
それが日本です。

繰り返しますが無理矢理ではなく平和的に開国してもらうためにやってきたビッドル。
日本の船に乗る際に、間違って違う船に乗ろうとしてしまったのです。

その時に「無礼者!」

と押しのけてられてしまったビッドル。これがビッドル暴行事件です。

交渉は決裂。
丁寧に日本側に寄り添おうとしていたアメリカは次に
屈強な男を向かわせます。それがペリー提督
ペリーもトラブルにならないように釘を刺されていますが
またもやトラブルになってしまいます。

「江戸時代 将軍」をAIにデザインしてもらいました2

商品と物品の呼び方の違いでトラブル?

ペリー提督は
「日本にきた際には、きちんと対価を払って商品を購入する」と伝えます。
それを聞いた日本は
「直ちに呼び方を訂正しろ!」と怒り出します。

ペリー一行は何の事かさっぱりわかりません。
しかし、逆説の日本史を読んできた人ならピンとくるのではないでしょうか?
トラブルの原因は呼び方だったのです。

当時の日本では朱子学が徹底されていました。
身分制度も徹底され、士農工商の時代です。

士農工商
これをおさらいしてみると

士→武士
農→農民
工→職人
商→商人

一番上の武士が偉くて、下に行くほど身分が低くなります。
みなさん勉強しましたよね?

一番下の商人は下世話な人たちと教え込まれている時代です。
その下世話な人たちが売で扱うモノが商品です。

幕府は商品など一切あつかいません。
万が一、取り扱ってしまうと
「幕府が人間のクズがやる商業をやったことになってしまう」

だから猛反発して呼び方を修正させようとしました。
しかし、話しは進まず断念…。

結果、アメリカはイギリスと組んで日本にムリヤリ開国を迫ります。
かなりの悪条件で。
金の交換率が日本にとって悪かったのは有名な話しです。

「江戸時代 将軍」をAIにデザインしてもらいました3

朱子学は安定の為

朱子学を取り入れたのは徳川家康です。
なぜかというと
徳川家は日本統一をして日本の、徳川家の安泰のためには
『本能寺の変』のような成り上がりを許すわけにはいきません。

織田信長は身分の低い物でも仕事ができる人は重用しました。
それが豊臣秀吉です。
豊臣秀吉は農民から成り上がって武将に上り詰めます。
秀吉のように成り上がりたい人には戦が必要です。
しかし、成り上がれるという状況が続くという事は
また「本能寺の変」を起こしてしまいます。

徳川家康も豊臣家を滅ぼし日本統一を行いました。

しかし、成り上がりが起きる環境では徳川家は安泰とはなりません。
そこで取り入れたのが朱子学でした。
朱子学は、将軍、徳川家康が一番偉い。
そして先祖は神のように扱うもの。

その朱子学を徹底させます。
各藩主の子供は江戸に住まわせ、朱子学を学ばせ
徳川家康は偉い人、親を敬いましょう。
先祖は神のように敬いましょう。
士農工商の身分制度は守りましょう。
これを子供から徹底する事で反乱を起こす人は減っていきます。

朱子学で士農工商が徹底されると
商人とは一番下劣な人がやる事。
外人は野蛮で下劣な人たち。
そんな朱子学にそって生きている人ばかりになると
商業が疎かになっていきます。
国を動かしていいくには幕府もお金は必要です。
しかし、商業は一切やらなない幕府は次第に財政が悪化していきます。

そんな時にビッドル暴行事件
ペリー来航なのです。

ビッドルやペリー来航時に
うまく交渉して貿易を始めていれば幕府は財政も豊かになり
他からの反乱にも対応できたのでは?というのが著者の見解です。
頑なに朱子学を徹底した為に、日本は日米和親条約を悪条件で調印。


「江戸時代 将軍」をAIにデザインしてもらいました4

尊王攘夷運動のなぞ

江戸時代のドラマや映画などで「攘夷」という言葉が多く用いられます。
私もずっと「攘夷とは天皇が素晴らしいこと」
だと思っていたのですが
正確には
「外人は下劣な人たち」
「外人は日本にいれてはいけない」
「殺しても問題ない」

という価値観だったようです。
これは朱子学からきているそうです。

「朱子学の尊皇攘夷を幼い頃から教え込まれた人と
外国の産業革命から始まった最新技術や経済発展をみた人」では
話しが噛み合わなかった。

それが江戸末期に起こった様々な事件の原因です。

ヨーロッパでは産業革命が起こり、蒸気船が発明されていました。
ペリー来航時の船は蒸気船で大砲も積んでいます。
大砲を積んだ船と、木製の船では違いすぎます。

「江戸時代 将軍」をAIにデザインしてもらいました5

時代は変わった

刀を腰に刺していてはダメだということに気づいた人がいたという事です。

刀ではなく、鉄砲。
刀も良いですが近づかなければ相手を切れません。
鉄砲なら少し離れていても相手に攻撃を加えられます。

鎧ではなく、洋服。
鉄砲の玉は鎧を貫通してしまいます。
動きづらい鎧は戦では不利になってしまいます。

鎧 AI 1


その事に気づかずに打ちのめされた清(中国)は
アヘン戦争でボコボコにされてしまいます。
その清(中国)の惨状を知っている人は
『尊皇攘夷などと言って、日本国内で仲間割れしている場合ではない。
一刻も早く開国して、新しい技術を取り入れていかないと清のように食い物にされてしまう』

尊王攘夷と開国論
どちらも正義の戦いです。
そして明治維新へと向かっていきます。

幕末維新編は非常に難解なことも多いので是非、本書を手にとって読んでみてください。
マンガなのでサラッと読めそうですがなかなか時間を要します。
しかし、必ず新しい発見があっておもしろいと思いますよ!

こちらの三冊は今年一番おもしろかった本、ベスト3になりました。

それでは、4s Production 中沢でした😀

keep smiling!!

徳川家康が神格化された様子はこちら

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