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半々

「半々だな、って思ってたんだよね。」

🐈🐈🐈

今日は仕事中、昼にじゅんみはさんから

「将也のライブに観に来てるよ!もうすぐ始まる。
お友達の○○くんも来てるよ!久しぶりだから話しかけないでチラ見してるけど。」
とウキウキしたラインが来た。

俺は仕事で行けないのに楽しそうだな。
ま、いっか。

「おけー」と返信した。

そういえば、昨日の夜「体調よかったら行きたいんだよねー。感染予防して。」とか言ってたっけ。

🐈

仕事から帰宅した。

あ、じゅんみはさん寝てる。
はしゃぎ疲れて寝たんだ。
テーブルにトンカツ弁当がある。

晩ごはん作るのめんどくさくなって弁当買ったんだ。
わかりやすっ。

さっきから俺、バタバタ動いて結構うるさくしてるのに、起きないし、なんか全然動かねーな?

片手だけだらんとベッドから下がってるけど。(いつもは寝相悪い)

寝息も全く聞こえない。(いつもはいびきうるさい)

ま、風呂入るか。

風呂から出た。

もう1時間以上、全く同じ格好で寝てる。
やっぱり「すーすー」とも何とも寝息が聞こえない。

体や手の位置も同じでピクリとも動かないし、よく見たらすげー顔色悪いし、だらんと下がった手も浅黒い気がする。
(電気を暗くして寝てただけ)

えっと、明日は仕事休むのか?
まず会社に連絡するのかな?
こういう時どうするんだ?
事務的な手続きとか、誰かに連絡とか、
何からすればいいんだ?

とりあえず息をしてるか確認しよう。

息はしてる。

もし死んでたら猫が察知して変な行動になるだろう。
猫もいつも通りだ。

ま、飯食って様子みよ。

(と、後からこのことを話していた。)

🐈🍱

なんか美味しそうなにおいがするぞ。
 「もぐもぐもぐ」食べてる音がする。

目が覚めた。(私は食いしん坊)

「あ!おかえりー。寝ちゃってたよー。ごめんごめん。」

「うん。別にいいよ。」

「今日の将也のライブさ、とっても良かったよ!動画も撮った。
写真はフラッシュオフにしたのに撮ったら光っちゃってさー。やばっ!ってめっちゃ焦ったよ。」

「だめじゃん。」もぐもぐ。

将也のライブの動画を見せる。二人で動画を観た。

食べながら「いいねー。将也また歌上手くなってるじゃん。」と言って息子がニコニコしてる。

「最後の曲が特に良くてさー、曲も歌詞もギターの演奏も声も良くて感動して涙出たよ。」

「へー。」

「お友達の○○くんにも『じゅんみはさん、涙してましたね。』って言われて恥ずかしかったよ。
『高校生の時、何度も家にお邪魔して、じゅんみはさんご飯作って食べさせてくれて。
あの頃はありがとうございました。またいつか、一緒に飲みましょう。』って言われて嬉しかったなぁ。」

「そうなんだ。」

「後から将也に『最後の曲で泣いたよ』って言ったらさ、たい(息子)が作詞した曲らしいじゃん。すごいねぇ!」

「そうだよ。」息子ドヤ顔。

「以前たいが作詞した曲も良かったよね!」

「だろ?」

私もお弁当を食べ始める。
 その後もライブの感想を早口でベラベラ話していた。

「今日もじゅんみはさん、すげー喋んな。
俺、半分くらい聞いてないけど。聞くって大切なんだな。」

「あー、たいが私の話しをいつもちゃんと聞いてないの分かってるよ。
ただ喋りたいだけだから聞き流しで別にいいんだー。」

私はガハハと笑った。

🐈🍵

「半々だな、って思ってたんだよね。」

「半々?なにが?」
 
「ただ静かに寝てるか、心臓発作とかで死んでるのかって。」

「は??私が死んだように寝てたってこと? 」

「そうそう。もし、死んでたらどうするのかすげー考えてた。」

「まあ、突然死とかあるしね。」

「風呂入りながら、弁当食いながらも
ずっと考えてたんだよ。」と息子が笑う。

「えー?そうなの?
昨日3時間しか寝てなかったからさ、眠くて眠くて。ごめんねー。
まあ、確かに死んでたら何するか、たいは知らないしね。
私はお母さんが亡くなった時いろいろやったから説明できるけど。
事故とか突然死とか万が一の時のために今度教えてあげようか?」

「その時は自分で調べるわ。」と息子が笑う。

「とりあえず、母ちゃん生きてて良かったね。」私も笑った。

「さっき帰りのバス降りたら、ちょうどギター抱えて帰る将也に会ってさ、将也の家寄ってきたんだよ。」

「へー、そうだったんだ。良かったねぇ。」

「将也の家から帰って来たら、ライブで楽しんで帰って来たじゅんみはさんが死んでたってやばくね?って思ってさ。」

「そりゃビックリだ。シャレにならないね。」

「もし、それでさ『帰ったら母親が死んでたんで明日の仕事休みます。』」って会社に電話したら。」

「うんうん。」

「上司(息子を可愛がってくれている)が、『お前一人で大丈夫なのか?今から行くよ』って言いそうじゃん。」

「あー、めっちゃ良い人で優しいから言いそう。言いそう。」

「そしたら、上司に『家に死体ありますよ?それでもいいですか?』って言わなきゃって思ってて。」笑って言う。

「死体って!言い方どうよ?ひどくない?」

「まあ、じゅんみはさん生きてて良かったわー。」また笑ってる。

私が起きてから、この会話を二人で笑いながら話していた。

「この話、面白いからnoteに書けば?」

「他の人が見たら全然笑えないでしょ?心配かけるだけだよ。
面白いっていうより変な親子だなって思われるし。」

「まあいいじゃん。書けば。『こんなに(シリアスなこと笑って話してるくらい)元気です』って伝わるでしょ。」

🐈

「俺、今まで何回かあるんだよね。じゅんみはさん生きてるのかな?って思ったこと。」
息子が歯磨きしながら話始めた。

「は?いつ?なんで?」

「連絡なかったり、ラインの返信がずっと来ない時とか。」

「だって、たいも電話しても全然出ないしさ。ライン既読にならないし、やっと返信来ても、『おけー』とか一言だけじゃん。
母ちゃんからの連絡めんどくさいんだと思ってた。家で話しかけても『今聞きたくない』とか言うしさ。
私のスマホも古いからライン通知来なかったりするしね。」

「確かに。めんどくせーなっていつも思うけどね。まあ生きてて良かったよ。
じゃあ、すげー疲れてるから寝るわ。」

「おやすみー。」

🐈

三毛猫三姉妹は気持ち良さそうに寝てる。
息子も、3分後にはいびきをかいて寝ていた。

いつもはほとんど話をしない息子だけど、そんなこと思ったり考えてたりしているんだな。

私もいろいろ病気抱えてるし、普段言葉には出さない息子だけど、心配かけてばかりでごめんよ。

母ちゃん元気でいないとな。

と、思ったある夜の話でした。

そしてホントに書いてみましたが。

嫌な気持ちにさせてしまったり、ご心配おかけてしまったら。すみません。
私は元気です。

⭐🌛

息子は私に「自分もnote書けば?」と勧めてくれた一人息子です。

「満身ソーイング」のnoteに、その時の経緯が書いてあります。

息子は私のことを「お母さん」とは呼びません。
本当に「○○さん」(本名)で呼びます。なんでかは不明。
なので息子のお友達も私のことを「○○さん」と呼びます。

おとぼけな私なので「お母さん」らしい「母ちゃん」ではないのかもなぁ。なんて思っています。

文中に出てくる「将也」は、息子の小学生からの親友です。

私のnote「海の思い出・2021」や「夜のうたごえ」「歌のかがやきと絵のこえたち」に出てきます。
心優しくて歌の上手いミュージシャンです。

「海の思い出・2021」の時の息子と将也くん。

・・・

爆睡している私の絵を描きました。

読んでくださりありがとうございます! 嬉しくて飛び上がります♪ 私の心の中の言葉や絵を見て何か感じてくださればいいなと願いつつ。