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オトンがウミネコを見て泣いていた話

「ただいまー」
「おかえりなさい!雨、大丈夫だった?」
「家を出る前はザーザー降りだったけど、出る頃には小雨で帰りは止んでたよ」
「良かった、お父さん心配だったよ」

数日前から謎のめまいで、座っているだけでも頭がクラクラ、というより景色がぐるんぐるんしていた。まるで遊園地のメリーゴーランドか、くるくる回るティーカップの遊具に一日中乗っているような感覚だ。
そして三日目に熱まで出た。微熱だったけど、急に物凄い寒気がして、ベッドで寝ると、今度は猛烈に暑くなって「Tシャツの汗、絞れるのでは?」と思う程の大量の汗をかき、目が覚める。
そんなことを繰り返していた。

三日も続くと飽きてくる。(?)
違った、気持ちが落ち込む。大したことしてないのに何でこんなに体が弱いんだろう私。
あれもこれもやらなくてはいけないことがいっぱいあるのにさ、栄養や水分補給、休養にも気をつけてたのに。
でも、書類整理してたらどうしても見つからないものがあって、探してたら大掃除始めちゃったりしてたなぁ。スマホ見ながらPCの勉強したりしてたし。
夜、いつの間にか着替えもせず、電気もつけたまま倒れるように眠ってしまい、起きたら早朝でメガネをかけたまま寝たらしく、寝てる間に外れてどこに行ったのか分からず一時間も探してた日もある。その辺りから調子がおかしかった。

家に引き籠もりしてる間、ベッドに横になると頭にいろんなことが浮かんでくる。

主にアイデア。

ああ、娘のように可愛がっているあの子の出産祝いにはアレを作りたい。
依頼された描きかけの絵も、あれとこれを描き足すと深みが出るのでは?
ずっと連絡したいと思っていた人にメールしてみようかな。

そしてウミネコ第二号のコンセプトボード。イメージがずっと浮かばなかったのに、寝ていたら突然はっきりくっきりと頭に浮かんだ。

「寝てればいいのに」と自分でも思っているのに、少し回復した時に、書類を探したり、コンセプトボードを作らずにはいられなくなる性格をどうにかしたい。でも、楽しい。

料理以外の家事は、殆どスーパーオトンが手伝ってくれて本当に助かった。
ご飯も、お弁当でも買ってきて適当に食べればよいのに、こういう時に限って自分で作るアレが食べたい!と、また頭に浮んで作ってしまう。体が欲しているものを食べれば元気になるのだ!きっと。

一日の多くの時間ぐるんぐるんで寝ていて、少し起きれると、なんやかんややってしまう。

そして、急に寒気がしてバタンと寝る。今度は暑くて汗びっしょりで起きる。そんな数日間。

私はその間、酷くお腹を下していた。なのに食欲が止まらず、自分で料理をしてはオトンと食べ、トイレに籠もる。なにやってんだか。

そしてついに、たんまり買い置きしておいたはずのトイレットペーパーの在庫がなくなった。こりゃ大変だ。
オトンが買ってきてくれると言ったけれど、トイレに間に合わなかったり、下ったお腹から気付かぬうちに出てしまうアレを受け止めるパッドも在庫切れ。流石にそれを買ってきてとは頼めない。
50歳近くても、恥ずかしいと思う娘心。オトンも恥ずかしいだろう。優しいから気にせず買ってきてくれるだろうけど。

前置きがめちゃくちゃ長くなったが、冒頭の「ただいまー」に戻る。

トイレットペーパーとパッドをゲットするために、止めるオトンに「大丈夫、大丈夫」と言って、雨の中自転車で買いに行った。

家を出る前は、ザーザー降りだったので、どんな豪雨にも負けない撥水ブルゾンを着て行ったが、自転車に乗って直ぐ小雨になり、買い物が終わり帰る頃には雨は止んでいた。

今日はもういいや、とお弁当を買ってきて、買い物してきたものを片付け、お弁当を食べる準備をしていたら、後ろ姿の私にオトンが言った。

「お父さん、じゅんみはちゃんのウミネコ読んだら泣いちゃったよ。」

振り返るとオトンの目が潤んでいる。


オトンは、記事と写真の構成や、コンセプトボードの監督をして、ずっと見守ってアドバイスしてくれていたが、文章は読んでいなかった。

こんなふうに細かく書いては
編集長に送っていた

アナログ人間な私。
またまたデジタルデータではなく手書き。敏腕編集長のお陰でステキなページになりました。
PCデータできるよう勉強します!

編集長すみません

ウミネコ第二号の 「さんぽ道」は、オトンと私が散歩に行けるようになるまで、散歩によって父娘がどう変化したかを熱く書いた記事をどうしても載せたくて、noteの文章を短くした。(クリエイターページの固定記事です)数千字から千文字に。まだ仕事をバリバリしていた頃だったので何ヶ月もかかってしまった。
しかも文章メインで多くの写真と絵まで載せたいです。とワガママを言いまくり、
いろいろ細かく「あーして欲しい、こーして欲しい」と編集長に頼む。「ああ…じゅんみはさん、まためんどくさい…」と思われないかヒヤヒヤしつつも資料を送りまくった。ぼんラジ編集長、大変お手数おかけしました。ありがとごじゃいます!

編集長ありがとごじゃいます

まだめまいがなく、元気だった時に、ウミネコ第二号の入ったダンボール(自分のと、納品分)が届いた。父娘で感動した。

ページをめくると、やったー!と抱き合った。

オトンと私のモーニングポタリングの話「さんぽ道」が掲載されていたから。

ずっと応援してくれていたオトン。

でもオトンは文章を読んでいなかった。大体のあらすじは話していたけれど、字が小さくて(私が文章や写真と絵を沢山載せて欲しいと言ったので、必然的に文字が小さくなった)見えないからと、読んでいなかったのだ。

私がトイレットペーパーを買いに行ってる間に、初めてじっくり読んだらしい。
そしてひとりで泣いたと言う。

私が帰宅したら、「じゅんみはちゃん、今までいろいろあったね。お父さんここに住み始めて、一緒にお散歩行くようになってから、元気になった。嬉しいよ、ありがとう!」と泣いていた。
そのオトンを見て私も泣いた。


オトン、我が家に来てくれてありがとう。一緒にモーニングポタリングに行けること、幸せだね!

感慨深い。

モーニングポタリングを
楽しむオトン

そしてめまいの中、くっきりはっきりデザインが頭に浮かび、どうしても形にしたくて制作したコンセプトボードを印刷して完成した。

完成したコンセプトボード

書店の沢山ある本達の中で、とにかく目立つようデザインし、第二号に馴染むようにシンプルにしてみた。
久美堂本店さんでは、創刊号と第二号両方販売する予定なので、創刊号のコンセプトボードもあるし、第二号はシンプルに。
コンセプトボードを見て、「どんな本だろう?」と見本を手にとって、みなさんの素晴らしい作品を読んでウミネコ飛び立って欲しい!
それを聞きながら、制作を横で見ていたオトン。アドバイスもしてくれた。

「コンセプトボードも良いね!とてもわかりやすいよ。」オトンのハッピースマイル炸裂。
じゅんみはもハッピースマイルになる。

創刊号と第二号並ぶ予定

納品の準備もできた。あとは体調が回復したら、アポ取りしてレッツラゴー!するだけだ。

ふふふ
サプライズホニャララへも
納品レッツラゴー!予定
少々お待ちください

「さんぽ道」
散歩での父娘の変化の熱い思いを伝えたい!と一生懸命文章を短くして、ページの文章と写真の構成を考えた。
ウミネコ第二号が出来上がって、それを読んだオトンが泣いた。
私も泣いた。

オトン、これからも一緒にモーニングポタリング行こうね!

みなさんの素晴らしい作品が盛りだくさんの
「ウミネコ第二号」
購入して読んでくださった方が、一人でも良いから「お散歩行ってみようかな?」「お散歩気分を味わえた!」と思っていただけたら。
私とオトンの「さんぽ道」のページも楽しんでいただけたらと、願っています。

・・・

そして!!
いよいよ9/10(日)は
文学フリマ大阪に
「ウミネコ制作委員会」出店!!
図々しく私のコンセプトボードも編集長へ送りました!

大阪まで行けないけれど、参加している気分。私もオトンも三毛猫三姉妹も、沢山ウミネコが飛び立つことを山奥から応援しています。

文学フリマ大阪の
配置図ですよー

「ウミネコ制作委員会」
「つるるとき子書店」さんとお隣同士!熱い!これは熱いぞ!キャー♪

文学フリマ大阪行きたかったー!
「つるるとき子書店」さんにも行きたかったー!

文学フリマ大阪のウミネコ制作委員会のブース、いろんな方のポップがあるそうで、賑やかなになりそうです!こちらも楽しみ。
さわきゆりさんのパラダイスも!

実際の様子を写真で見たり、記事で読むのが楽しみでワクワクします。

・・・

私も町田市エリア書店へ「ウミネコ第二号」納品レッツラゴー!したら、またご報告の記事を書きますね!
早く元気になるぞー!

営業&納品レッツラゴー!用の
マイファイル
創刊号から使ってます

・・・

長い長い記事を、最後までお読みくださりありがとうございます!

これからも、じゅんみはとオトンと三毛猫三姉妹ファミリー

そして「ウミネコ制作委員会」の
「小雑誌umineko」を
よろしくお願いします!


読んでくださりありがとうございます! 嬉しくて飛び上がります♪ 私の心の中の言葉や絵を見て何か感じてくださればいいなと願いつつ。