月夜の夢

月の耳は聞いていた。

あのね
今夜も空を見上げて
わたしたちを見ているいろんなひとがいたの。
「キレイ！」
「小さいね、本当は大きいんだろうね」
「今夜は空気が澄んでいるからいっぱい見える！」
「雨だから雲の上でかくれているのかな？」

いろんな声をかけてくれたり
そっとお願いごとされたり
下を向いて歩いていたのにはっとして空を見上げてわたしたちを見て涙をポロリと足元に落とすひともいた
ただじっと見てるだけのひともいたよ。

キラキラと輝く星たちが話をしているを月の耳は聞いていた。

大きかったり小さかったり
赤や青や黄色や白
それぞれ同じ星はない。

月は星たちの話を聞きながら思った。

わたしは昼も夜もあなたを見ていますよ。
ずっといるんです。
夜は太陽がわたしを輝かせあなたにも見えますね。

丸いときも欠けて見えるときもあるでしょう。

あなたがわたしを見えていないときも
わたしはあなたを見ています。

あなたの口から出た声も心の声も
わたしの耳は聞いています。

夜にはかわいい星たちの話を聞いて
「お月さま聞いて」というあなた声も聞いています。

いつもあなたのことを思っていますよ。

あたたかい太陽も
小さく輝いて見える星たちも
満月や三日月のわたしも

あなたを見ています。
あなたの声を耳で聞いています。

あなたはひとりではありません。
楽しいときも悲しいときも
みんながあなたを見て声を聞いているのです。

あなたが星やわたしにお願いごとをするように
わたしもあなたが楽しい夢を見て眠れますように
朝は優しい気持ちで起きれますように
一日の中で少しでも幸せな時をすごせますようにと
願っているのです。

いつでも話しかけてくださいね。

そんな夢を見た。
月には耳があるんだ。
そしていつも聞いて見ていてくれてるんだ。
月も星も聞いてくれている。
嬉しいことも苦しいことも夜空に話しかけよう。
私はひとりじゃないんだね。
眩しい太陽に「おはようございます」とあいさつして
今日も私は歩き始めた。

・・・・・・・・・・・・・

聞こえているよ

見ているよ

おはよう

久しぶりに #シロクマ文芸部 参加できました！
とても嬉しいです。
また20時から書き始めギリギリセーフ。残り2分！！見直しなし！

お読みくださりありがとうございます！

月と星と太陽の絵は、2021年6月に小牧幸助さんの小説を絵に描いて作った絵本
『昨日の自分を撫でる夢』
の絵です。
この絵を見ながら
『月夜の夢』を書きました。

note「夢の絵本を作りました」
絵本『昨日の自分を撫でる夢』
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