集客とはなんなのか

サラリーマンをしていた期間がだいたい4年ちょっとくらいしかなくて、あとはずっと自分で仕事を作って生きてきた。

どのようなサービスであれそれを買ってくれる人が絶対にいて、そのおかげで仕事として成立する。

20代の頃はマーケティングとか集客とか正直良くわかってなくて、お店を出してから苦労した。

いろいろあって独学でWEBマーケティングを学び、会社を作って店舗を自分でやってみたり思いついたサービスに時間とお金を突っ込んでみたり、そういうことをして学んできた。

教科書や先生がいたらもっと苦労しなかった気もするけど、どちらかというと「自分で試したい」みたいな想いも強く、やってみることに価値があると信じていた。

そうしているうちにいろいろ結果が出てきて、人からマーケティングについて相談されることがめちゃくちゃ増えた。

世界一周して帰ってきた頃は「旅に出たいんです!」とか「自由に生きたいんです!」みたいな相談がめっちゃきて、毎日自己啓発みたいな話をお客さんにしていた。

正直夢を叶えたいとか、自由に生きたいとか、旅したいとか、それそのものに正解はきっとなくて誰かが決めれることでもない。

だから「やれば?」とか「やったほうがいいよ」とかしか言えなくて。

しかしそれがベストな答えであって。

そうして旅に出た人もいれば出なかった人もいる。

やるかやらないか的な本人次第という抽象的なものと比べてマーケティングや集客や経営のお悩みというのは絶対的な原因と答えがあったりする。

気合でやれ!みたいなことではなく、なんでお客さんがこないの?ということを分析すると例えば「みんなと同じことやって埋もれてるから」とか「SNSも看板もホームページもチラシもなくて宣伝してないから」とか原因が見つかる。

じゃあ原因がわかれば他と違うサービスを打ち出してみようとか、チラシをまいてみようとか、そういう対策ができる。

【原因の突き止め、対策のアイデア】

この2つがわからない、またはできないというのがつまり【集客ができない】ということなのだと思う。

僕はぶっちゃけ美容室Up to Youを始めた頃はそんなことは全くわかってなかったのだけど、徐々に経験していく中で身についてきて今はかれこれ8年くらい一応経営者なのでそれなりのノウハウは身についている。

とくにここ5年は会社経営者として従業員をやとったり店舗をもったりしてなんやかんやとやっているので、東京で美容師やってた頃とはまた違う経験もできた。

面白いもので、東京で自分のサロンで美容師をやってた頃は「フリーランスになりたい」とか「独立したい」とかそういう相談ばかりだったのが、会社経営を始めると「従業員に対して集客をしたい」とかそういう相談ばかりになった。

このパターンは美容室に限らず飲食店など様々な場面であることなのだけど、オーナーはうまく行っていると。

オーナーはお客様多いんだけど、新しく雇ったスタッフとか若手にお客さんがつかない。

どうしたらいいのか、と。

これもやはり原因と対策を考えればよくて、なぜオーナー自身がその原因が見つけられないかというと【なぜ自分にそもそもお客様がいるのか】をきちんと理解していないことが多い。

大体2パターンあって、1つが元々どこかで働いててその時についたお客さんがそのまま来てくれてるというそもそもお客さんがいたというパターン。

これは元のサロンで"集客してもらった"ということがほとんどなので、そうなるとどうやったのかその方法がわからなかったりする。

だから自分のサロンで人を雇ったときに再現することができず悩む。

もう1つのパターンが自分自身が集客力があるというパターン。

様々な方法が考えられるが、例えば近隣の飲み屋に行きまくってそこでお客さんになってくれる人と出会って店が成立してるみたいな、そういう場合も含めて個人的に集客できてしまったというパターンはやっぱり再現性がない。

個人であればある程度お店としてとかサービスとしてとか成立させることは簡単で、問題はその後おこる。

毎日一人で髪切りまくってるのもシンドイとか思うようになってくる時が必ず来るし、もしくは拡大させたいとか展開させたいとかそういう計画を持ったときにやっぱり誰かに働いてもらう必要がでてくる。

その時に始めて「え、集客ってなに?」となる人が多くて、大体の場合プレイヤーとして自身が働いているわけだから「経営の勉強してみよう」とか「パソコン買って自分でホームページつくろう」とか「SNSガチで運用してフォロワー1万人目指そう」とかができない。

というよりやる気が起きない。

仕事をしながら深夜にコンビニでバイトするようなもので、そんな労力はさきたくない。

ということで結局原因も見つからないし、対策も打てない。

改善しない。

そこで出てくるのがホットペッパーなど掲載型で簡単なプラットフォームの利用なのだけど、楽するのだからやっぱり高い。

利用したらコストがかかってもったいないとは思いつつ「まあいいか…けどなんかしなきゃ…」というのがずっと前からよくある相談内容だったりする。

大体の場合改善は簡単で、やっぱりまずは原因を探ること。

なぜ集客できないのか?

エリア、立地、単価、客層、扱うメニュー、PR方法などなどいろんな角度で見てみる。

すると「これおかしいよね」というのが何個が見つかる。

もしくは「これもったいないね」というのが何個か見つかる。

個人的には駄目なところを直しましょうっていうのはよほど致命的な場合を除きあまりやらないほうがいいと思っていて、それよりも"いいところを伸ばす"というのが重要だと思っている。

スタッフがメンズカットが得意ならメンズカット推しでサロンをやってみてもいいと思うし、オーナーはもう自分にお客さんを増やす必要がないのだから店のNo.1でいる必要もない。

No.1のスタッフを作ることが仕事なのだから、自分が目立つのではなくスタッフが目立つためにはどうしたらいいか?と考えると最初のうちはスタッフに合わせたブランディングに変えるというのも手だとは思う。

本来はブランディングして、そこに合わせたスタッフを雇うべきなのだろうけど、すでにいるスタッフに対してどうしようということならそれでもいいと思っている。

時代的にはSNSとかホームページを使えばどうとでもできるから、このスタッフには縮毛矯正、このスタッフにはマツエク、このスタッフにはメンズという風にそれぞれにお客さんを集めることができる。

それは3年間僕自身が実証実験を行って確かな結果として出たものだから言えることだけど、本当にそんなことできるの?と半信半疑の人もたぶんたくさんいる。

でも、それができてしまう。

なぜならそもそもお客様は「髪をきれいにしたい」「自分がきれいになりたい」という想いが動機としてあるわけなので、それが叶う場所もしくは叶えてくれる人との出会いを探している。

美容室ならどこでもいいわけではない。

けどどこがいいかわからないから、探すことに苦労してお金もかけて失敗もしてということが起こる。

「この人なら任せてみたい」というふうに思ってもらうためにはどうしたらいいのだろう?

必要な情報の部分をこちらが整備し、届ける。

探してもらうのではなく、お知らせする。

もはや現代ではサロンという箱そのものにあまり意味はなく、人と人とのマッチングを行うことが最も重要になっている。

その証拠に昔に比べて有名サロンというのが少ない。

昔はあれこれも有名だったけど、今は有名人の方が多い。

お客様が箱で選んでいた時代から、個人を選ぶ時代がやってきている。

そういう中で「僕はこうなんですよ」とか「私はこれが得意なんですよ」というPRがSNSでできるようになったから個人で売れる人が出てくる。

経営者としてその世界に突撃していけばいいと思う。

マーケティングがわからないスタッフにピンポイントに集客をすれば、スタッフは自ずとお客様と個人的なマッチングをすることになる。

オーナーとしては「お客様をもってかれる」とかそういうのもあるかもしれないけど、最初からそのつもりならそれでもいいと思っていて。

とはいえサロンのブランディングも大切で、それをやらなくてもいいという意味ではなくて、どっちもやると効率がいいなと思ったりしている。

サロンとしては縮毛矯正で推していくとして、スタッフ個人にはメンズを集客する。

そういう住み分けのようなことが簡単にできる。

これは対策の話で、その対策方法はWEBを活用すれば安く簡単にほぼ自動でできるから作ってしまってなれてしまえば放置ですむし、かなり楽にはなる。

原因に対する答えは決まっていて、やるべきことも決まっていて、それそのものには冒険とかはないのだけどやっぱりなれてないことをやるのに抵抗があるという人は多い。

決心してもお金払ってもめんどくさいが勝ってしまう。

しかし僕もいろいろと仕事をやっているなかでどうしてもめんどくさくて後まわしにすることはあって、人間誰しもそうだと思う。

けどやらなければ始まらないし、やらなければ検証もできない。

検証しなければ失敗してるかも気がつけない。

やっぱこのが一番の重要なポイントな気がする。

仕組み作りだってトライアンドエラーを繰り返してつくるものだから、トライがめんどくさいとかエラーが怖いという気持ちそのものが一番の原因なのかもしれない。

けどわからないなりにやってみるとどこかで結果が出てきたときに楽しくなってくると思う。

世の中にあるものはなんでもそうなのかもしれないというか、急がば回れとか遠回りが近道みたいなとこがあると思う。

今始めれば半年後は違う世界にいるかもしれないし。

やっぱ「やってみたらいいじゃん」みたいな自己啓発的なとこも多いにある気がする。

どんなことでもやらなきゃ始まらない。

集客もそうなのだと思う。

2014年世界一周の旅を始め世界40カ国で1300人以上カットし帰国。3ヶ月後東京に美容室Up to Youをオープン。本出版、テレビ出演、講師、コンサル、ブログなどやりつつ美容師コミュニティサロカリも運営。超超エリート株式会社の社長。ギャル男ではありませんネクラです。