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グレゴリー先生と僕「4.弟子編④ ~クワイヤで礼拝デビューする~」

クワイヤに入ることのOkをグレゴリー先生から頂いたものの(前記事参照)、直ぐには礼拝で歌うことが出来ませんでした。
僕が「Convent教会のメンバー」ではなかったからです。

ここで「教会」というものの定義・役割について少し焦点を当ててみます。

◆『教会』とは「人の集まり」を意味する言葉

教会とはキリスト教の礼拝や式典を行う神聖な場所で、「神様の体」と形容されることもある場所です。
ここには毎週日曜日(安息日)にメンバーが集い、感謝の祈りを捧げ、お互いの近況を報告しあい、良いことがあれば喜びあい、悪いことがあれば共に祈り、牧師先生の説教(日本の説教とはニュアンスが違っていて、仏教でいうところの講話)を聴く場所です。
ここまで僕は「建物」としての教会の機能をご説明しています。

(写真)「建物」としてのConvent教会の外観

元々の「教会」を指すギリシア語:ἐκκλησία(エクレシア)は、「人々の集い」を指す言葉でした。
つまり建物の有無ではなく、礼拝をしようと集まっている人々がいれば、そこが教会になるのです=「人」自身が教会になると考えられます。

ではどうして「場所としての教会」が数多く出来たのでしょうか?
Harlemの中には大小数百の教会があり、Convent教会も徒歩30秒圏内に他に2つの教会があるとてもHolyな場所にあります。

Convent教会の鳥観図(Google Mapより引用)

どの教会に通うかは、宗派(カトリック/プロテスタントで大きく分かれ更にプロテスタントの中でルーテル派 or バプティスト派等に分かれる)や、各教会の雰囲気やスローガンによって教会員が自分で決めます。
(ご家族が代々通っている教会に通い続ける方も多くいます。)

スローガンというのは、キリスト教の教義(教え)に基づいて「自分たちはこういうことを大事にします」という各教会のモットー的なものですね。
因みに、コンベント教会のスローガンはこちら。

Changed People,Changing the Community and the WORLD
                          for JESUS CHRIST.

因みに、僕はこのメッセージと、礼拝に誰でも(観光客でも、他の宗教の方でも)受け入れるスタイルがとても好きで、Convent教会のメンバーになる、と決めました。
同じように、Convent教会の多くのメンバーはこのスローガンを誇りに思っていて、「だから我々はConvent教会なんだ」という自負を持っています。

これこそが、「場所としての教会」が互いに差別化しあい、且つ共存し続ける理由だと僕は思っています。

ここまでの話を纏めると、このブログの中では教会を以下の通り定義します。

【教会】
1.福音(神様からの良い知らせ)を宣べ伝える人。
2.1.の人たちが礼拝などを行うために集まる場所。
  場所としての教会はそれぞれにスローガンを持ち、これに同意する
  1.の人たちが集まることで「教会」となる。

◆教会の「メンバー」になるということ

さて、ここまで来てようやく話は僕が「コンベント教会のメンバーになる」ところに戻ります。
Convent教会のスローガン・雰囲気を僕が好いてメンバーになりたい!と思ったら「はい、どうぞ」とメンバーになれるわけではありませんでした。
具体的には、以下の2つをクリアする必要がありました。

1.3か月間のBible Study(聖書に関する勉強会)
2.総仕上げの面接

この2つのプロセスには以下の意味があったと思います。

A.希望者に正しく聖書を学ぶ方法・考え方を伝える。
B.それが正しく伝わっているかを確認する。
C.同じ教会のメンバーになる人を教会側が知る。

A.希望者に正しく聖書を学ぶ方法・考え方を伝える。
聖書勉強会では初めて聖書を読む人にも分かる様に、とても丁寧に聖書の1~10節程度を解説・議論してくれます。
 ※聖書は【書名>章>節】と区分されます。
  例)ルカによる福音書>1章>1節。1節の分量は1~3文程度。)
英語に不安のあった僕でもついていけましたし、一番役に立ったのはその節その前後の節や、その節に書かれている内容を他の書がどう描写するかの比較でより深い理解が得られるということでした。
 例)同じイエス様の奇跡を、マルコによる福音書ではこう記載していて、
   ルカによる福音書ではこう記載している 等

B.それが正しく伝わっているかを確認する。

3か月間の聖書勉強会を受けると、最後の回でこれまでに理解してきた内容の面接があります。「面接」というと、試験みたいで嫌なものに聞こえますが(実際僕もビビって行きましたが笑)、「落としてやろう」ではなく「教会のメンバーになってもらおう」というスタンスなのでとても好意的な「面接」になります。
(教会によっては、とても厳しい面接もあり、この段階で落ちる(1.からやり直し)方もいるそうです。)
聖書を真剣に読む姿勢と、そこから得られた理解を元に、神様・イエス様について自分の考えで語ることになれる=キリスト者としての自分に慣れる意味合いがありました。

C.同じ教会のメンバーになる人を教会側が知る。
そして一番大事なのが、聖書勉強会・面接を通して、自分が何者かを教会の人々に理解してもらうということです。
上で述べたように、「建物としての教会」にはスローガンや雰囲気等、メンバーが誇りに思っている・好いている何かがあります。それをメンバー希望者とも分かち合いたいとメンバーは思っているのです。
同じ「教会」として地域社会や、人と行動する仲間になれそうかをメンバー・メンバー希望者双方が知ることが出来るというのは1.聖書勉強会、2.面接通してとても大事なことだったと思います。

キリスト教に対する姿勢をお互いに確認し、
            認め合える状態になること
これが、教会の「メンバー」になることでした。

こうして2013年10月6日(日)、NYに着任してから1年半後、僕は晴れてコンベント教会のメンバーになりました。
礼拝の中で牧師先生に名前を呼ばれ、メンバーの皆からもらった拍手の暖かさを、僕は一生忘れないと思います。

◆クワイヤで礼拝デビュー

ここまでが長すぎて、なぜ僕がメンバーになりたかったかを皆さんお忘れだと思いますが笑、そうです「クワイヤとして礼拝で歌いたい」からでした。

余りに長すぎるので、The Inspirational Ensembleのメンバーとして礼拝デビューしたことだけをご報告して今回終わります笑

The Inspirational Ensembleのローブを来た私

詳細は次回「4.弟子編⑤ ~クワイヤでの生活~」でお届けします♪
それではまた!



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