junko_hara

Writer/Coordinator 還暦目前にして芸術を学ぼう!と思いつき、京都芸術大学通信課程に入学。2019年3月に芸術教養学科卒業。ライティングを学びつつ、2022年東京藝術大学履修証明プログラム応募、2023年に無事修了。「自分を使い切る」を模索中です。

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Writer/Coordinator 還暦目前にして芸術を学ぼう!と思いつき、京都芸術大学通信課程に入学。2019年3月に芸術教養学科卒業。ライティングを学びつつ、2022年東京藝術大学履修証明プログラム応募、2023年に無事修了。「自分を使い切る」を模索中です。

最近の記事

日々是妄想:読書の秋らしい。

北極冒険と芸術の関係性を考える 最近、リーディングクラスでニコラ・ブリオーの『関係性の美学』を読んでいる。言葉はムズイ、込み入っているし、私の脳みそでは理解に無理がある… 何となくわかったのは、関係性とは因果でありあらゆる事象には表面をなぞっただけでは見えないことがたくさんあるってことじゃないかと思った。 因果: 原因と結果、またはその関係 因果性: 現象はすべて原因から生じる結果とみる場合に成立する両者の関係。 因果から生じる現象、表象が芸術となるには美学としての哲学

    • 日々是妄想: 一枚の写真から。

      わざわざ行ってわかることがある。 「白い制服は多分、死に装束だったと思います。」 その言葉を聞いた瞬間、泣きそうになった。同時に、一枚の写真の意味を理解した。そうか、そういうことだったのか。絶望と諦観が混じり、まるで老成したかの様な表情の理由。この写真は18歳だった父親の遺影だった。自ら死を受け入れるには若すぎる… とりあえず、当時の父親のいた場所に行ってみようと思ったは良いが、大井海軍航空隊のあった場所が全くピンと来ない。最寄り駅は東海道線の金谷か堀ノ内、どっちが近いの

      • 日々是妄想: 六本木で「ゴミうんち」について考える。

        「ゴミうんち展」@21_21Design-sight 六本木でこの展示名は違和感大あり😆 京都芸術大学、松井先生の「サイネンショー」の展示があると聞いたので六本木まで行って来た。 松井先生の民藝の講義を何度か受講していたので「サイネンショー」のことは知っていたけど「ゴミうんち」って…東京ミッドタウンの横でこれか😅 ただ21-21のキュレーションは面白い展示が多いし、臭ったりしなきゃ大丈夫だと思った。 観て感じたのはとても美しい展示だってこと。声高にSDGsがどうとか言われ

        • Lines-意識を流れに合わせる@21世紀美術館

          久々に金沢まで遠征したのは21世紀美術館で行われている展示を観るためだった。 そもそものきっかけは清澄白河にあるアートト。そこで受講したリーディングクラスでティム・インゴルド著『ラインズー線の文化史』を読んだことにある。 人が移動する軌跡が描く線、人とものが移動することで複雑に絡み合う線。生きている日々の中で描かれる線について、文化人類学の視点を交えながら歴史や環境を語った本である。描かれているけど見えない線があることに気付かされる内容でもあった。 一体それがどう結びついて

          夏の思い出

          場所: 真鶴貴船祭り2024 本祭り初日、港に小早船が浮かんだ時に空に彩雲が現れました。空に登って行く彩雲。 これは予祝。 海辺の街は祭りの賑わいで浮き立っていました。

          夏の思い出

          日々是妄想: お盆だったね。

          今頃になって気づくこともある。 確か7歳くらいだったと思う。風邪を拗らせて、死にかけたことがある。 40度くらい熱が出てトイレに這って行くくらい具合が悪くなった。食事も出来ず、母親がりんごのすりおろしを食べさせてくれたけど、病院には連れて行かれず。何故かそのまま寝かされていた。 夕方になって、帰宅した父親がぐったりして呼吸が荒い娘に気付き、慌てて布団から抱き上げ病院に連れて行かなかったらどうなっていたんだろうと今でも思う。 実際、危なかったらしい。レントゲン写真を持って慌

          日々是妄想: お盆だったね。

          アフロ民藝ってなに?@森美術館

          暑過ぎて家に篭るの巻 気温36℃は私の平均体温より高い…そして体感温度50度って…なにそれ? 家にいる方が安全であることは間違いない、特にシニアは😅 ならば次の民藝講座の予習も兼ねて、届いていたけどほぼ積読の『アフロ民藝』図録をしっかり読むことにして手に取ったら、思いがけず2011年にMET で観た「アレキサンダー・マックイーン サベージ・ビューティー」に繋がった❗️ 今頃になってそういうことだったかと気づいたので忘れないように書き出しておくことにした。 まず、アフロ民藝

          アフロ民藝ってなに?@森美術館

          YUMEJI 展@庭園美術館

          大正浪漫と新しい世界 竹久夢二の置き土産を愛でる。 大正浪漫という時代のあだ花の様な新しい世界はどこか不安定だったのではないだろうか。経済発展と価値観の急激な変化、西洋の新しい文化を取り入れ、独自の文化を構築しつつあった時代。 同時に文明の進歩が共振して揺れ動いた東京は関東大震災によって終わりを告げた。夢二は新聞連載のため、震災後の東京を歩きながらスケッチを描き文章を添えて残している。 「自然は文化を一朝一揺りにして、一瞬にして、太古を取返した。」 震災から程なくして大

          YUMEJI 展@庭園美術館

          111年目の中原淳一展@松濤美術館

          島根県立石見美術館から巡回してくるのを楽しみにしていた。 展示を観てまず思ったのは、ただ綺麗なだけでは弱いということだった。 “ゼイタクな美しさではなく、神経のゆきとどいた美しさ。 理知の眼が自分をよく見ている美しさ。 そんな美しさを生み出していただきたいのです。” 『ひまわり第3巻第4号』1949年 “こんな時代を乗り切って美しく楽しくというのは、結局知性を高め、工夫する精神と美しさをキャッチする目を肥やすことであろう。” 『ソレイユ』第7号、1948年 人生はスカー

          111年目の中原淳一展@松濤美術館

          日々是妄想: 劣化は止まらないらしい…

          都知事選挙公報見てそう思った。いつも文字情報として公報は必ず読むけど、今回の広報は読むところが少なすぎっていうか、内容が殆どない。読んで比較検討する必要もないくらいスカスカで驚いた。 これって資源の無駄遣いじゃないのか… 果たしてこれは、選挙公報という機能を果たしているのだろうか?或いはこのどうしようもない、ある意味でお目汚しみたいな読み物が、逆説的に祈りに通じるのだろうか?いや、そんな高邁な思想があるとは思えない。 それともこれは泡沫候補選手権で誰が最低得票かを、競い合う

          日々是妄想: 劣化は止まらないらしい…

          日々是妄想: 骨太な刺繍ってありだね。

          青山悟 刺繍少年フォーエバー 永遠なんてあるのでしょうか。 @目黒区美術館 2024年6月9日まで 刺繍って聞くと何となく、可愛いとか手仕事、或いは装飾としてのイメージが浮かぶ。それらは総称して工芸とも言われるけれど、青山さんの刺繍はそういうイメージから百万光年くらい隔たったところにあった。 初めて作品を観たのは、京都で開催された『ドレスコード?-着る人たちのゲーム』展だった。ビンテージの新聞にコラージュと刺繍が施され、過去と現在が不思議なレイヤーで表現されていた。その完

          日々是妄想: 骨太な刺繍ってありだね。

          日々是妄想: 京都でカメラ散歩

          毎年恒例、京都グラフィー弾丸ツアー 京都グラフィーを観に行く様になったのはいつからだろう。写真のメモリーでチェックしたら2017年の記録が出てきた。恐らく、それからほぼ毎年行っている様に思う。 京都市内を会場とした展示は、常に刺激的で意外性があって、五感が喜ぶから好きなのだ。今回は五月晴れに恵まれ、歩くのも楽しかった。 テーマは『SOURCE』  はじまりですべてのものの起源 多分、最初の頃はテーマを読んでも、なんだかよくわかっていなかった。ただ観て感じることの方が心地

          日々是妄想: 京都でカメラ散歩

          日々是妄想: その違和感、どこから来るの?

          第8回横浜トリエンナーレ  “野草: いまここで生きてる”を観に行った 本日のコース(2024/4/28) 横浜美術館10時集合からのBankART KAIKO、旧第一銀行横浜支店、シメは中華街で打ち上げ。 お天気: 快晴 観終わってもう一度、今回の展示に関するステートメントを読み返してやっと、理解する糸口が見つかった気がした。pandemicというこれまで経験したことのない緊急事態を経て、私達の生活は否応なしに変わった。戦争の世紀であった20世紀から引き継いだ火種は消え

          日々是妄想: その違和感、どこから来るの?

          日々是妄想:時の流れに逆らってもねぇ…

          “ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし” 方丈記より引用 ほぼ40年ぶりに当時のアンファンテリブルに会った。おしゃれでやんちゃで、どこかトンガってた時代があったことを思い出した。 時間はある意味では残酷である。その実態も仕組みもわかっているようでわからない。緩慢に進むかと思えば、疾走する様に飛び去ったりもする。それもひとえに私の感覚の問題でしか

          日々是妄想:時の流れに逆らってもねぇ…

          日々是妄想: 学んだから気付けたことがある

          「建築十書」どこかで見たけど何だったっけ? 真鶴でのトークイベントの最中に出てきた著書に聞き覚えがあった…そう、大学で苦労して学んだアレ、 『芸術理論古典文献アンソロジー西洋編』だった。 京都芸術大学在学中に必死のパッチで受講した芸術理論…なんせ必修だったから逃げようがなかった。 散々な成績ではあったけど単位は取得した。 あまりにも手間がかかる課題で、電子書籍というわけにいかず、分厚いテキストを購入。今でも本棚に東洋編と共に積んである。 因みにレポートでは著者名を間違って

          日々是妄想: 学んだから気付けたことがある

          日々是妄想: センスはエビデンスに基づく

          なんとなくじゃ通用しないし、それじゃ弱い。センスが良いとはどういうことか。そこにリベラルアーツが必要不可欠と最近では思えるようになった。 遅いけど、成長ってことにしておこう。 さてお天気が良いので東京駅から有楽町抜けて銀座まで歩く。左膝が微妙だけど… 目的地1: 安井仲治-僕の大切な写真@ステーションギャラリー 戦前の神戸は知らないけれど、どこか日本人離れした感性を感じる。海外からの情報を取り入れ、自分なりに実践して解釈して消化することができた人だと思う。繊細だけど、ベー

          日々是妄想: センスはエビデンスに基づく