僕は私、私は僕。

はじめに

僕は女性です。体も声も、女性のものです。
分かっています。
でも、どうかここでは「僕」でいさせてください。

2023年8月10日木曜日、
月に一度通っている心療内科にて
親同伴で自分は女性とも男性とも思えないこと、
恋愛感情を持つ相手は女性であることを
カミングアウトしました。
当日の午前中までは今月も真相は言わない…言えないと思っていました。
家族の反応が怖かったから。

しかし、コンビニでふと手に取った1冊の雑誌に掲載されていた恋愛漫画を見て、過去の自分を思い出し、苦しくてたまらなくってカミングアウトをすることを選択したのです。

叶わない恋しかできなかった僕。中学で、好きな女子がいることがバレて「キモい」といじめに遭い、好きな女子には僕の男友達のことが好きだと打ち明けられました。
高校では人間不信になった僕に唯一優しくしてくれた男友達と女友達…いつも3人組でいたのに、2人はいつの間にか付き合っていて、肉体関係になっていました。3人でいれば僕は邪魔者扱いされ、身を引きました。周りの人には「好きな男子にフラれた」ということにしていました。

大学は2年生の時だけ入っていた、絵描きサークルは居心地がよかったのですが、外に出ればカップルばかり、恋バナばかり。
3年経って、気づいたら、雨が強く降る畑に立ち、傘を放り投げ大声で泣きわめいていました。

僕は精神の限界を感じ、学生相談室になだれ込み色々話して、在学中は校内の診療所、卒業後は就職できず、紹介された心療内科に通いました。十数年経った今でも通っています。
しかし、通い出してもしばらく自傷行為や破壊衝動は止まらず。分かってはいました。根本的なこと、家族に真相を伝えるまで解決の糸口は見えないと。

そんな時、僕の体が大事だと言ってくれた女性がいました。自傷行為がスッと収まりました。詳しいことは言えませんが、大切な人です。

僕は、30代後半。小学生の頃のいつか言いたい気持ちを25年間くらい溜め込んで、ぶわっと吐き出したら、いきなり精神疾患は治らないけど心が鳥のように軽くなり、曇っていた世界は光を取り戻し始めました。
母も父も、実はそうなんじゃないかと感じてはいたそうです。

カミングアウトを選択した。
認められた性同一性障害。
ここがゴールという名のスタートラインです。
やっと、立てました。

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