旅の記し

秋休みと概要

 僕が留学しているコペンハーゲン大学では10月12日土曜日から10月20日日曜日まで秋休みがある。この期間を利用してヨーロッパの学生は一度帰郷したりしなかったりするらしい。しかし僕は友人と2人で日本に帰るわけにもいかないため、11日の金曜日から20日までの10日間でフィンランドとバルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)の4カ国を回った。これから日記のように記して行くが、この原稿だけでまとまらないためとりあえず今回は概要と、旅の後思ったことを書こうと思う。

旅全体の感想と反省

反省点としていくつかあげる。

・初めてのホステルだったがツインが多く、またタオルを用意してくれていたところが多かったためタオルを持って行く必要がない。
・勝手に旅行先の国が寒いと思っていたのでかなり服を持って行ったが、実際は暖かく、無駄に重い荷物となった。
・ライアンエアの前評判の悪さにビビっていたが、むしろとても便利くらい

日程

10/11~10/13・・・ヘルシンキ(フィンランド)
->フェリーにて移動 <2時間半>
10/13~10/15・・・タリン (エストニア)
->バスにて移動 <4時間半弱>
10/15~10/16・・・リガ(ラトビア)
->バスにて移動 <4時間少し>
10/16~10/18・・・ビリニュス(リトアニア)
->電車にて移動 <1時間>
10/18~10/19・・・カウナス(リトアニア)
10/20・・・早朝6:45の便だったため空港泊 @カウナス国際空港

各国の印象

ここでは各国の印象を軽く述べて行く

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・フィンランド (ヘルシンキ)
案の定北欧国家らしく、都会。トラムが首都内を走っており、また同時に木々が多く秋の紅葉を感じられた。物価はやはり日本よりも非常に高い。治安も良さそうであった。

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・エストニア(タリン)
(↑写真は上部が旧市街、下が新市街側の道路)
 タリン旧市街は観光客が多く、価格も北欧国家と足並みを揃えていた。店の従業員も英語を流暢に話せる人が多く、観光客慣れをしていた。
 旧市街を出て新市街に行くと、ソ連時代の面影を残す無機質な建物が並んでいた。少し閑散とした印象をもつ新市街にはショッピングモールがあったが、それ以外はまさしく”無機質”と言うイメージを持った。また以降バルト3国全部で共通するが、人は北欧や日本ほど優しくなく、極めて冷たく、時には見知らぬ私に対しても苛烈であった

画像4

・ラトビア(リガ)
(↑写真はリガ新市街側)
特筆すべきはロシアっぽさであった。バルト3国の首都の中でもっともロシア系住民が多いリガは、ロシアに外交カードとしてこの問題を控えられている。ロシア語表記が多く、ロシア語を話す人も目立った。これに加えて、エストニアから露骨に文化レベル・所得レベルが落ちた気がした。物乞いの数が顕著に増え、足が悪い人(松葉杖をもつ人)が非常に目立った。
また旧市街はいくつか回るところがあったがタリンほど大きくはない。ロシア正教会の教会は他の宗派とは別の荘厳さを持っていたように感じた(もちろんカトリックの教会にある、ひざまづくための台や、プロテスタントのような椅子などはない)。
新市街側はタリンよりも活気があるように思え、美術館なども立地しており、またユーゲントシュティールの建築群の並ぶあたりも観光客が散見された。

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・ビリニュス(リトアニア)
↑写真は旧市街内 はじめに夜に到着したことや、バルト3国の中でもっとも南に位置することから治安が悪いというバイアスを持ってしまっていた。そのため非常に治安が悪く感じてしまった。しかし、実際に首都の割には以前の3カ国と比べて明らかに人通りも灯りも少なく暗い。昼になると新市街のあたりは車通りも割と多く、マクドナルドに入ったりもしたが、やはり人の数が少ないように感じられた(マクドナルドはめちゃくちゃに混んでいたが)。また英語を話せる人の割合がかなり低くなったように感じられた。おそらく他のバルト3国と違い、人口が多いことに加え、自国民族のリトアニア人の割合が他国と比べ極めて、高いことがリトアニア語の国内での強さを表しているように思えた。

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・カウナス(リトアニア)
↑写真は宿泊したホステル前の通り
ビリニュスと比べて治安が極めて良さそうで、写真の通りは非常に広い歩行者専用道路で、夜も活気に溢れており、店の灯りで照らされていた。昼の街の雰囲気は落ち着いていて、歴史街観光地のようだった。というのもリトアニアの第2の都市カウナスは、ソ連併合以前の首都で、かの有名な杉原千畝のゆかりの地でもある。観光地も現首都よりは多く、人々も優しく感じられた。

まとめと現在の所感

 フィンランドからリトアニアへ南下する方向で旅行をした。ありきたりだが文化を直接体験できた(こういう誰でも言えて、当たり障りのない、無知そうな言葉遣いは非常に嫌いだが)。現在留学を始めて2ヶ月弱が経とうとしているがいまだに留学の楽しさを旅行以外に見出せない。前にも言った通り、ご飯はまずく、物価は高く、友達はできないし、コミュニティがなく、留学中のアイデンティティが確立できていない。旅行に赴くことで、無意識に現実逃避をしているのかもしれない。
 割り切って暮らすことは簡単なようで僕の心と乖離している。現在している日本企業の長期インターンに励み、休みの日は旅行、デンマークでは一人でピアノと読書、料理。このような生活をできたらいいな、と思うばかりでやはり、人とのつながりを重視していた日本での自分が意識される。
 楽しいこととはなんなのか、ということについて考えてみるのもいいのかもしれない。友達と遊ぶこと?美味しいご飯を食べること?馬鹿騒ぎすること?じゃなくて読書や音楽など文化的な生活をすること?
 留学は自分について考えさせてくれる、というありきたりなセリフで頻繁に言及される。しかし少しその理由がわかった気がした。


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