留学と言う概念に対する認識の変化

留学の目標

留学と聞くと、英語の上達であったり、第二外国語の上達研究、とか意識の高いものばかり思いつく。僕も来る前は英語を上達させながら、自分の決めた目標に進もうと思っていた。しかし留学をしていて難しいことは英語・第二外国語だけではない。そう気づいた。

元々の目標

再三言っているが、僕の留学の目標は以下の通りだった。

留学先でゆっくりと過ごす。進路を決定する前に1年間休みのような留学をし、そしてそこで将来についての進路を考える
たくさん旅行する
・英語力を上げる。

本当に尊敬すべき両親がこのようなゆるい留学を許してくれ、どんどん旅行にも行きなさい。お金はいいから、と言ってくれ、感謝しかない。本当にありがとうございます。

新たに見つけた目標

もちろんデンマーク人の英語はとても綺麗で早い。授業も何言っているかわからない。もちろんそこに照準を合わせるなら留学の第1の目標は”英語上達”になるだろう。しかし3、4ヶ月過ごして、他のところに照準を当てることを始めた。留学に行って達成するべきなのは英語力の上達だけじゃない、と考え始めたのだ。

QOLを上げる
無から有を生み出す。大逸れたことを言っているが、つまりすることがなくても自分からすることを作りQOLをあげると言うことだ。日本では美味しいご飯屋さんがたくさんあったり、バイトや授業、課題などしないといけないことがたくさんあり、また会うべき友達もたくさんいる。しかし以前にも書いたが、デンマークには圧倒的に娯楽が少ないし、ご飯も高い。日本に比べて友達も少ない。どのように生活を満足させるかを考えると、自分で何かしないといけないのだ。そこで僕は料理・英語学習・ドラマ・音楽鑑賞・第二外国語学習に力を入れた。これらをすることで自分のことで忙しくなり、自然とすることがある状態になる。暇を感じないようにすると言うことだ。(暇を感じると、せっかくお金と時間と労力を犠牲にして海外に来たのに、と考えてしまう。)日本に帰ると毎日を有効活用することができそうだ。

一人で生きてく
上の項目と少し似ているが、一人で生きていくことができるようになった気がする。料理をしてご飯は毎回自分で準備し、住民票登録や外国人対象の銀行口座取得方法や、何もかも煩雑な作業を自分でこなさないといけない。

日本企業での長期インターン
人生初のインターンであるが、これがもっとも僕の留学生活の支柱となっていることは間違いない。いわゆるアイデンティティだ。留学生で留学先でインターンをすることは珍しいし、やはり何かを生み出す、誰かの役に立つ、と言うことは非常にやりがいがある。同時にデンマークのことを自然と学んだり、出会った人と話したり、仕事の作法を学んだり。できうるだけ積極的に仕事には関わるようにし、たくさんのものを吸収して、またここで貢献できたらいいなと思い、励んでいる。

韓国語の習得
以前から韓国語を勉強していたが、それまでは大学で1年間初級の授業を受けただけで、そのほかはたまに気が向いたときとか、韓国人の友人が話しててわからなかった単語や文法を調べたりするだけだった。しかし後期(2月ー5月)からコペンハーゲン大学で韓国語の授業を取ることにした。おそらく韓国語学科の授業で、授業は全て韓国語で行われる(半分くらいはわかるけど、時々置いて行かれます)。周りも半年以上韓国に留学したことのあるデンマーク人しかいない。逆にこのような状況に身を置くことで学習に火をつけようと思った。目標は帰国後にTOPIK4級(中級)をクリアすること。授業は火曜日と金曜日の朝3時間ずつの計週6時間。

貴重な友人を作る
寮ではなくアパートに住んでいて、しかも全く交流のない寮に住んでいるため寮の知り合いは一人もいない。他の留学生たちはたくさん寮で友人を作っていて羨ましく思うことが多かった。そこでたくさん作るのではなく、とても仲のいい友人を数人だけでも作ることを目標にした。
台湾人の友人と2人で国内やスウェーデン、スペイン旅行をしたし、デンマーク人のランゲージパートナーとは二人でご飯を食べたりお酒を飲んだり、映画を観に行ったり。
寮で2月頭に初めて知り合いができ、スペイン人だが明日一緒に料理を作ることになった。
その他デンマーク人や韓国人、中国人の友人と遊ぶこともある。
たくさんではないにしろ、仲のいい友人を数人作るだけで、個人の時間と非常にバランスのとれた生活を送ることができている。

旅行に行けていることに満足する
旅行に行くことは、留学に来る前から決めていたし、まだ悩んでいた11月半ばでも既に7カ国(🇸🇪🇫🇮🇪🇪🇱🇻🇱🇹🇦🇹🇭🇺)旅行に行っていた。しかし全く満足していなかった。おそらく留学に対するネガティブな感情が邪魔していたのだろう。だが、11月半ばから1月半ばまで毎週旅行に行き、日本にいると絶対行かない国にたくさん行き、しかも日本から行くより3分の1か半額くらいで、しかも週末にちょろっといける。この環境をありがたく感じ始めた。とても満足している。


英語・研究・友人をたくさん作る、とばかり思っていて、来た時は何もできていなかったため歯がゆく、来たことを後悔することが多かったが、自分らしい目標を立てることでとても満足した生活を今は送れている。

おそらく留学から日本に帰国する際、デンマークに対して名残惜しさはあまり感じないだろうが、留学生活に対しては非常に名残惜しく感じるだろう。まあ、この感情もまた変わるだろう。

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