羨ましがられるのが、怖い?

羨ましい。という気持ちに、身が緊張する。

「手」が伸びてくる。

警戒する。

いつから?

場面は思い出せないけれど、母の声がする。

「あんたらはええな。○○で。」

教育を受けられることだろうか。

母は中学までしか行けなかったから。

「若いもんはええな。うちもそんなん着たいわ。」

なんでわたしだけ言われるんやろう?

お母さんの不満は、わたしがいるせい?

わたしが目に入るせい?

***

中学生のころの、友だちの声がする。

「あっちに行って」

「ずるいー」

なにが?覚えてない。

***

高校の頃、よく一緒に行動していた女の子がいた。

あるとき別の子が、その子と仲良くしたがるようになった。

わたしが二人に近づこうとすると、彼女が鋭い目でわたしを睨んだ。

「こっちに来るな」と言っていた。

***

 鬱から回復できず大学院の2回目の留年を決めた時、兄から電話がかかってきた。

「いつまでそんなことをしてる。もっとちゃんと考えろ。おれがお前の歳の頃は…うんぬん、かんぬん…」

世界が崩壊するくらい動揺した。

***

父が癌になり、亡くなった。

その看病や葬儀、死後の手続き、母の介護体制を整える…

自分の体調も不安定で、大学院を卒業したのは27歳のとき。

正月になると、親戚の方々がお年玉をくれる。

居た堪れない気持ちで受け取っていた。

消えていなくなりたい気持ち。

恥ずかしかった。

わたしだけ、未だに学生。

わたしだけ、独身。

わたしだけ、親の側にいない。

わたしだけ、好き勝手にしている上にお年玉を貰ってる。

みんなに一体どう思われてるんだろう?

すごく、怖かった。

周りが敵だらけのような。

自分がボロきれのような。

怒鳴られても、親切にされても、身の置き所がなかった。

もう羨ましがらないでー。

ずるいって言わないでー。

お前だけ、何でって言わないでー。

鬱だよ。

父は死んだよ。

母も荒れてるよ。

借金もあるよ。

めっちゃ不幸じゃん。

ちゃんと幸せになんかなってないよ!?

だから許してよーーーーー。

***

誰に言っとん?

お兄ちゃんとお母さん。

母世代の女性たち、我慢してきた女性たち。

職場のおじさんたち。

そして、自分自身に。

もー、カンベンしてください。

わたしのこと、ほっといて😭

構わんといて😭

わたしは生贄じゃないんだよう。

みんなもそれぞれ、自分のところでやってよう。

羨ましい。を向けないで。

寒い。冷たいトゲトゲの蔓やん。

あっち行けとか、どこにも行ったらあかんとか、そんなん怖い。

わたしそこに居たくない。

もっときれいで明るいところに上がりたい。

なれは良くないことなん?

わたしもひとのことわりとすぐに羨ましがる。

自分を離れて他人のポジション欲しくなるよ。

でもそれじゃあかんねん。

自分の足で自分を連れて行かなあかんねん。

荷物が重くて歩けないなら、今すぐ降ろして。

あなたの荷物は、あなたの手でなければ解けない。

あなたの不満は、あなた自身でしか解けない。

わたしもそうだよ。

わたしはもう、自分を粗末にしたくない。

わたしはあなたの運び屋じゃない。

ごめん、辛くても、自分で歩いて。

どうか自分で気づいてください。

どうか自分を見てください。

自分で自分を、そして大切な人を呪い殺す前に。

羨ましいへの、恨み節。






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