私の中銀カプセルタワー滞在記〜NAKAGIN BUSINESS CAPSULE(84)

【入居27日目①】
「盛夏の結婚式を禁ず」という家訓が爆誕した過酷な結婚式のおかげで昨日の記憶が朧げな程の疲労困憊ながら、カプセルタワー在住最後の日曜日のために早起き(当社比)して自宅の家事をざっくり済ませて午前中から電車に飛び乗る。どうせ明後日には自宅に帰ってくるんだから、家事なんか正直どうだっていいんである。退去のことを思うだけで若干自暴自棄だ。

さて残り少ないカプセルタワー生活の今日のミッションは「錦糸町でカレーを食べる」「帰宅に向けて大物をボストンバッグに詰めて自宅に送る」「備品のシーツ類を洗う」「Cと新橋での最後の晩餐」だ。あら、わりと忙しいではないか。しょぼしょぼしている場合ではなかった。

まずはカレー。錦糸町は横浜からだと実に行きにくい距離感なのだが、新橋からならJRで15分。腹パンでも楽に帰ってこれる。都会に住むって素晴らしい(これ100回くらい言ってるな)。しかし地下を走るJRがあるなんて知らなかった。そしてさすがJRというか、銀座線に比べて駅のホームが地平線の如く長い。新橋には驚くほどに路線が多くてそりゃエリートビジネスマン向けにカプセルタワーを建てますわな。

部屋の荷物を減らすべく、自宅の使いかけのトイレットペーパーをビニールにぶち込んできた以外、今日は余計なものは何も持ってこなかった。すごく身軽な感じで電車に乗ると、入居したばかりの頃、たくさんの着替えや生活用品をヒーヒー言いながら運んだことを思い出し、車窓を眺めながら「もうこの景色を見ることもないんだなぁ」と寂しい気分を加速させる。まぁよく考えたら仕事でめっちゃ使う路線だからそこまで悲観することもないんだけど、

昼近くになると昨日の悪夢再び、くらい気温がどんどん上がる。たどり着いた錦糸町は蜃気楼の世界のように暑く、なのに街中がざわついていて「錦糸町住民の暑さ耐性すごい!」と感心したら、ジャズフェスティバルが開催されていて道や広場のそこここから音楽が鳴り響いているのだった。この炎天下での演奏はさぞかし大変だろう。

ぜひ東京住民ヅラして祭りに参加したいとこだが、いかんせん夏眠体質の身。「あと10℃気温が低かったら聴くんじゃがのう」と申し訳なく思いつつ目当てのカレー屋さんを目指す。一刻も早く涼しい店内でホットなカレーをいただくのだ。

そして土地勘のない場所をウロウロし、「思ったより駅近くでよかったー」とドアを開けた瞬間、溢れ出す熱気。しまった。たまにある現地仕様(つまりエアコンありません)の店だったか。申し訳程度の空調機器のようなものがすみっこに置いてあるけど主力は扇風機で、熱い空気がかき回されているばかりだ。「うひー(泣)」とくじけそうになりながら頑張ってカレーを食す。さすがカレー、暑くても食べられる。

とはいえ昨日の影響が残っているからか気力体力ともに限界だ。「私本体が溶ける…。トイレくらいは涼しい所で…(死)」とゾンビ寸前のていで駅ビルに戻った。エアコンて素晴らしい。世の中は素晴らしいことでいっぱいだ。

やっと人間の形を取り戻してちょっと元気回復。このまま同じルートで新橋に戻るのもつまらないから都バスに乗って上野広小路まで出てそこから銀座線に乗っていこう。

駅ビルを出ると錦糸町駅前からスカイツリーがすぐそこに見えてすごい迫力。実際歩いて行ける距離なんだけど、今日は勇気ある撤退とする。

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カプセルタワー使いの達人が窓辺でくつろぐお姿。そんなわきゃあるか。ライティングがいかにもいかにもで宇宙に帰ってしまいそう


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