私の中銀カプセルタワー滞在記〜NAKAGIN BUSINESS CAPSULE(85)

【入居27日目②】
…やっちまいました。

錦糸町から銀座線の駅のある上野広小路までのバスは思ったより時間がかかって、それはそれで地下鉄ではなかなか見れない東京の東側の街の風景を堪能できてよかったのだけど(錦糸町で開催されていた「ジャズフェスティバル」の一環で、走るバスの中がライブ会場になってるバスとすれ違ったときは度肝を抜かれた)、「地下鉄の駅まで日傘をさしていくべ」とカバンを探った瞬間、私は気付いてしまいました。日傘を錦糸町の駅ビルのトイレに忘れてきたことに(泣)

不覚、一生の不覚である。娘息子がモノを失くすたびに(またコイツらがよくモノを失くすんだ)「どーしてそんなに不注意であるのか?」と説教をかましてきたのに、私は今日から滝修行などを始めて人生をやり直さないといけないかもしれない。

すぐ取り戻しに行けばチャラのような気もするが、もう錦糸町に戻る気力も時間もないのだった。とぼとぼ駅に向かい、「そういえばカプセルタワーから近いのに、ここにも結局来れなかったなぁ」と上野広小路亭の看板をふと見ると「夏の怪談寄席」的なことをやっている!落語好き+怪談好きの私には世界一魅力的!

「いやいや退去準備もしなきゃだし夕方にはCとゴハン食べに行く約束だし、そもそも落語を聴く時間があるなら日傘を取りに帰るべきだし」という心の天使の声に従っていったん通り過ぎるも、「いや待て落語の怪談寄席なんてなかなか来れないぞ」という心の悪魔に連れられて上野広小路亭まで直線バック。「へへへ、聴いていっちゃうぜー」と窓口に来たらとっくにチケットは売り切れていたのでした。悩んで損した。

改めてすごすご銀座線に乗って新橋駅に着いたら、なんということでしょう雨が。さすが「頭の上に雨雲を持つ女」と恐れられる私。一瞬のスキも許してもらえない。慌ててドンキで晴雨兼用折りたたみ傘を買ったことで「もう忘れたヤツは諦めようかなー」と思ったりもしたのだが、あの傘も今年買ったばかりなのでやはり取りに行こう。明日は幸い仕事もないし(というかもらえなかったというか。でもこのタイミングで平日休みなのはありがたかったのでヨシとする)。

なんだかいろいろタイミングが悪いというかうまくいかなくて、カプセルタワーの部屋に2日ぶりに戻ってきたというのにどんよりした気分だ。ずっと締め切りだった部屋は、入った瞬間サウナもかくやという熱気と湿気。ここにも蜃気楼が見える。いかん、5秒で死ねる。ダッシュでエアコンのスイッチを入れてから部屋の真ん中まで靴のままドカドカ入ったことに気がついた。

10㎡のお部屋におけるエアコンの機動力は相変わらずバツグンで、涼しくなるとともに気力が回復してきた。環境って自分の機嫌を簡単に左右させるなぁ…と人生の哲学を発見する。さあ退去準備をしなくては。自宅から持ってきたシーツとタオルケットとバスタオルを大きいボストンバッグに詰め、枕兼用だったもちもち黒ネコクッションを見る影もなくぎゅうぎゅうにつぶしてスキマに押し込み(かわいそう)無理矢理チャックを閉めた。パッツンパッツンで申し訳ないが、家に着くまでチャックよ耐えてくれ。ほんとは電気ポットもタオルケットにくるんで中に入れてしまおうかさんざん迷ったけど、万が一壊れたら泣くに泣けないから最終日に自分の手で持って帰ることにした。今日はなにかと運が悪いみたいだし(そしてこの判断は大失敗だった。ほんとに運が悪い)

カプセルタワーのすぐ隣りに黒いネコが荷物を運んでくれる宅配便の小さな支店があって、以前に配送の受付をしてくれるのか尋ねたらOKって言われたのに、実はNGという大変な誤算。さてはあの子バイトだったな。

さあ、このデカイ荷物をどうしてくれましょう。

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さて、これはどこのドアでしょう?ふふふ

#中銀カプセルタワー
#中銀カプセルタワービル

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