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金では手に入らないもの

人は、金によってよいものが手に入ることに慣れてくると、金それ自体をよいものと思うようになる。手段と目的とが同一になったのだね。
困ったことはだね、このとき人々は、よいものは金で手に入るものという考え方に慣れすぎていて、金では手に入らないよいもの、すなわち、「善」という価値の欲し方がわからないということなのだ。いくら金を積んでも、金を貯めても、善だけは手に入らないのだ。なぜなら、いいかね、善はタダだからだ。
『無敵のソクラテス』

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