足元活況の小型株

足元の新興市場の株価上昇が目立つ。それまで売られたこともあり、底値から4/20時点で40%強上昇しており、日経平均の回復率21%を随分とアウトパフォームしている(とは言え、年初来では、どちらの指数も16%下落で同じ)。特にSaaS(software as a service)の上昇は目を見張る。不透明感の強い状況でサブスクリプションサービス(月額固定報酬)の安定感が評価されていることも大きな要因であろう。

このサブスクリプションモデルは最近は港区や渋谷のカフェでも多く見られるようになってきた。月間でいくらコーヒーを飲んでも2500円みたいな。
単純にコーヒー1杯500円で5回飲めば元が取れるのだから、消費者にとっては非常に魅力的に映る。週1回どころか、普通に2-3回は行くでしょうと。これでお店ってやっていけるの?という疑問を持ってしまう。週3回来られて実質月間12杯のコーヒーが飲まれて6000円分。6000-2500=3500円分の実質売上減じゃないかと。

それでは、お店側の論理で考えてみよう。コーヒーの原価率は10%程度。6000円分のコストは600円に過ぎない。この場合、儲けは2500-600=1900円となる。しっかり利益は取れている。
その上、毎回毎回、コーヒーだけを買っていく訳ではなく、サンドウイッチを買ったり、クッキーを買ったりする可能性も高い。しかも、いつ来てもコーヒーがただで飲めるので、カフェにくる時間も様々な時間帯になり、この傾向はより強くなる。
更に、消費者に本当にお得感があれば、友人にも宣伝してくれるであろう。
次いでにいうと、このモデルを止める時に、人はいい加減なもので、ついつい解約が遅れてしまうケースが非常に多い。しかも、結構な長期間。そもそも、お店側にとって安定的な売上というのは本当に有難いものだ。
かくして、サブスクリプションモデルの優位性は確かにあるのだ。

話はそれたが、株式市場でも、このようなサブスクリプションモデルの会社が高く評価されるのは納得感がある。

以前はマザーズ指数と言うと、そーせいやアンジェスなどのバイオ関連、メルカリやミクシィなどの比重が非常に高く歪んだ指数であった。しかしながら、ここ数年でマネーフォワード、弁護士ドットコムが上場。昨年もフリー、Sansanなど多くの有望SaaS銘柄が上場し、指数の歪みがなくなってきた。指数として考えると、これまでのような感覚で扱うと危険かもしれない。この点はしっかり認識しておきたいところ。


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