アクティビスト投資

以下は個人的な感想で投資判断の推奨を行うものではない。

常盤開発(1782)は、“スパリゾートハワイアンズ“などを経営する常盤興産の前身の石炭会社から土木やボーリングなどの部門が独立する形で設立されたいわき市を拠点とする建設会社。

2020年11月13日に、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環として、佐川藤介会長らが設立した“エタニティ“がTOB(株式公開買付け)をすると発表した。買付価格は7800円。しかしながら、発表後の株価が7800を上回って推移しておりTOBの成立が見込めない状態にあったことから、、1月22日買付価格を9000円まで引き上げ、かつ1月25日までとしていた買付期間を2月9日までに延長した(延長は2回目)

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これに対して、株価は新しいTOB価格の9000円を上回る9400円で推移。

同社の株主には、大口保有者として12.29%をブラッククローバーリが連ねており、このTOB価格を巡る動きはしばらく注目だ。個人的な感覚ではTOBを決めるのは恐らく12000−13000円のレンジ程度までは買付価格を上げないと厳しそうな気もする。しかし、ここまで買付価格が上がってしまうと、TOBをするする側のエタニティの資金負担も100億円弱まで膨らんでしまう可能性がある。

その場合は、エタニティにローンが付くかも微妙になり、その場合、TOBが不成立の場合も考えておかないといけないかもしれない。そうなると、株価が下がってここで買付けたアクティビストや投機家が痛い思いをすることになる。

ここまでは常にあるTOBを巡る攻防で推察がつく範囲だ。その場合、どのようなことが今後起こってくるのか?

色々あるが、個人的に可能性が高いと思われるのは以下のシナリオ。

1;ブラッククローバーリーの買い増しや、他のアクティビストの参入

2;取締役の派遣

3;大幅な配当増

因みに、同社には現金が64億円あり(8.5億円借入金)、仮に配当を3倍の900円にしても健全経営のまま。因みに、どこまで株価が下がるかにもよるが9000円でも配当利回り10%、7800円まで下がるなら11.5%の配当利回りになる。

因みに、残余利益モデルで判断すると適正株価は18000−19000円。この大枠で捉えても、TOBを巡る攻防で仮に不成立により株価が下落する場合、なんとも面白いシナリオが待ち受けている可能性もある。


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