東京24区 遊馬ルート ネタバレ感想

※何にも配慮していない個人の感想です。

いやなんかもう2週目やったら(switchとPC両方やった)さらに楽しかったのでほんとこのゲームすごいなという気持ち。全クリしてる人が書いてるのですべてのルートのネタバレ混ざってきてるんじゃないかな。

遊馬ルートは最も真相とかけ離れたルートでありながら、ゲームの導入としてしっかり役割を果たしているので、公式おすすめ攻略順1位は伊達じゃないですね。
このルートではテロ対策委員会に所属した其扇先生が、遊馬の父への気持ちに触れ、テロ被害者救済措置を整備すべくお仕事するのがメインになっています。
其扇自身も、事件の捜査は警察等に任せて、自分は政治家として法整備に励む、みたいなことを言っている通り真相に近づく気配はありません。従って総理のくえない感じも多少控えめだし、晴山はわりと普通にみえる。(二週目だと、)たまに阿嘉金先生が存在感発揮してることにはうわあという気持ちになります。
なんだか遊馬ルートの其扇は総理大臣にはなれなさそうな感じしますね。でもやっぱり秘書がなんとかするのかもしれないとも思うけど。なにせ蓼丸なので。
蓼丸は其扇を愛してるけど、分厚すぎるフィルター越しなんですよね。全クリすればわかるけど、蓼丸の思い描く其扇というのは細部まではっきりデザインができてしまっているので、そこから外れるようなあらゆる事象は事前に排除するし、蓼丸の思い描く其扇を邪魔する人間はどうなってもいいと思っている。もしも蓼丸の其扇像が粉々になってしまった場合は、もう其扇すらいらないのだという拗らせっぷり。さらにやっかいなのは性欲すら其扇に向いている点でしょう。でも彼の第一は自分の見出した男を総理大臣にすることなので、遊馬と付き合っていて蓼丸の気持ちに一生気づかないのだとしても、其扇が総理大臣になって立派にやってくれさえすればいいんです。うーん、其扇はもう総理になる他ないですね。じゃないと遊馬との平穏な未来はないでしょう。いつでも蓼丸BADが口を開けて待っているわけですから。…こわいこわい。
蓼丸のことはさておき。遊馬は優しく気遣いに長けた男で、反面非常にナイーブでうたれ弱い。そこがギャップとして遊馬の魅力となり、其扇にはたらきかける。さらに、ゲイを隠し続ける遊馬に壊れてしまった生母の面影を見た其扇は遊馬の支えになりたいと望むようになる。この流れが自然すぎてシナリオには脱帽です。なんで好きになったかを疑問に思う余地は一切存在しないわけです。すごいな。
このルートでも結局其扇は好きって明確に遊馬に告げてはないんですよね。このゲームのもっとも考察しがいがある謎は其扇の恋愛観だと思うわたしなので、正直なんでかよくわからないんですけど、其扇は好きとか嫌いとかそういうのはわかるけど、自分の好きという感情に恋と名付けていいかわからないから、遊馬の恋からくる好きに対してちゃんとレスポンスできないのかなあなんて思います。其扇は恋愛の結びつきを誰より軽んじる一方で、自分の恋愛は何より重くあってほしいとも思っていそうです。(この辺は白洲ルートの感想になっちゃうね。)
遊馬ルートのすごいとこはまだあって。其扇にテロ犯人像の情報のコントロールについての相談を持ち掛けられた遊馬が、人間は知らないものを怖がる(拒否する)んだよという話をする。犯人がよく知ってる国の人間なら、公表したところでその国の人間全体を悪とはみなさないはずだと説いてくれる。わたしは、この話が遊馬をシンボルにするという発想を多分其扇に与えてしまったんだと思っていて。世論を味方につけて法案を通そうとした其扇は、世の中の人に訴えかけるために被害者という漠然とした言葉じゃなくて、目に見える生きた人間をシンボルとして採用するわけです。わかりやすいシンボルなら日本国民は拒否しないどころか当然受け入れると知って。ちょっとこじつけ感はあるかもしれないけど、遊馬から学んだことの応用を最後其扇がしてみせたのかなあと思ったわけです。
それはともかく恋愛のために自分を曲げない男だというところははっきり描写されてるんですよね。遊馬をシンボルにすえること、すなわちそれは遊馬に苦行を強いることになるわけで、其扇が嫌われてしまう可能性を大いにはらんだ提案だった。ここでユーザーに「嫌われたとしても遊馬さんにお願いする」「保身のために法案をあきらめる」などの選択肢は与えられない。すなわち、其扇は遊馬にこの提案をするとき臆病さをみせたものの、本当の意味で、シンボルにすること自体をためらいはしなかった。わたしは其扇のこういうところがめちゃくちゃすきですね。目的は見失わない。でもそれ其扇の強さというわけではなく、単にそういう性分なんだろうな。
いや~2週目でも其扇はつかめないやつですね。生母と継母の話らへんでほんっとよくわからなくなりますね。「恋だけじゃ政治家の妻という役割はこなせないよね。今の母は政治家の妻をやりたくてやってて、そういうところ尊敬してる。これは家族の情の話じゃないよ!」なーんて急にいわれても。わたしは其扇のことわからないやつだと思ってるけど、家族のこといろいろ考えてきて、つかれてあきらめて、それで、そういうもんかなと受け入れることにしたんじゃないかなくらいは思いますね。そしてこれは其扇の人間性そのものに根付いている気がします。其扇がいうようにデリケートじゃないという人間性に。いやあほんとわかんないやつだけど。
さいごにBADエンドのはなしですけど、演じ続けてくださいBADは蓼丸という男への理解が増すイイENDでしたね。蓼丸は其扇のなかに確固たる自身の居場所があり、なおかつ先生が総理への道を歩んでいる限りその他のあらゆるものを黙殺できるやつだということがわかります。遊馬ルート中盤ではGPSで動向把握してることが判明するし……其扇はもうどうあがいても蓼丸とは離れられない気がする。まあそういう蓼丸にしたのは其扇でもあるからなんとも…というところですげど。それ以外のBADにはあえて触れないでおきます。わたしはメンタル崩壊闇落ちはちょっと……なので。
なんだかたいして遊馬の話をしてない気がするけれど、こんなところで感想終わり。そうそう、遊馬の最初のツンツンはなんだったんかな~と思っていたので公式設定資料手に入れてほんとによかったです。

次はいつの日かタイガの感想書けるといいなあ。

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