テンペスト魔女 ネタバレ感想 (ほぼティレル√)

クリア:20231202(FD)

FD連なる時の暁のことが主ですが、前作にも触れています。

何にも配慮してません。正直にここは好きじゃないとかそういうことも書いてあります。個人の感想です。
ちょっとエログロなはなしもしてるかも。
もちろんこれからプレイする人は絶対読まない方がいいです。

キャラクター別

ルーシェン
クライオスとティレルとゼンの三人ってマブダチじゃないですか。だから、そのうちの誰でなくルーシェンとアナスタシアが共にあるという選択をするこのルートはすごくきれいに展開されていくという印象を受けました。なので、推しのティレルの次に好きなルートでしたね。
推理アドベンチャー系を好むわたしとしてはその面でも少し楽しめたのは、ルーシェンとティレルのルートで、ありがたかった(?)です。
清廉潔白な王子さまでいられないと知ってまたひとつ成長したルーシェンはよき王になれるのではないでしょうか。
マヤがルーシェンにはけっこうマイルドな接し方なのがなんだかよかったです。

クライオス
遠くから見ていたいイケメンです。わたしがこの世界の住人だったら推しにしたかもしれないな。ただこの人とは結婚はしたくないですね。アナスタシアしかできないと思います。
この人のおそろしいところは表と裏の使い分け、線引きがきっちりなされていて、それが他人にどう映るか知っているし、自分の本心やアナスタシアへの気持ちがいかに重くどろどろしたものであるかまで理解している。それをどこまで伝えるか、開示するか制御することで、相手の心の傾きまでもコントロールしている。まさに食えない!そういう男だなと思いました。もちろん偏見です。
アナスタシアと結婚しなかった場合のクライオス未来が心配でならないので、ほかのルートの彼のことはとてもじゃないが直視できません。
エヴェリーナとクライオスというのはある意味つりあいがとれていると感じたので、個人的に恋愛はないけど、この二人が隣にあるというのはアリだと思っています。

エヴェリーナ
アナスタシアの母もめっっっちゃサイコじゃない???蝶々をいっぱい箱詰めってやばない????わたし蝶々モチーフ大好きだから余計になんかやだったよ。この二人お似合いだなと思いました。

ゼン
この世界の謎を紐解くストーリーで、読み物として興味深かったです。
ゼンは死に戻りの記憶をその運命ゆえに持っているというのを押し出した構成はすごくすきでしたね。

これはうなりました。ゼンは攻略キャラ:NPCであると同時に、乙女ゲームの神の視点をもっているということになりますね。
そして、不老不死から解放される可能性を示唆されたとき、ゼンはうれしい様子を見せないわけです。アナスタシアからしたら希望でしかないその可能性が、不老不死でなくなったら自分はいよいよただのちっぽけな人間になってしまう、そんな自分がルーシェンやティレル、クライオスに勝るものをもっているのかという靄を生む。

それをものともしないのがアナスタシアで、

これにはゼンも完敗なんじゃないでしょうか。
(NPCがNPCの領域をこえられるのかみたいな話が読みたい人は ウーユリーフの処方箋 ってアプリゲームやってみてね!)

ティレル
わたしあったまでっかち参謀美人が大好きなので、例外なくティレルも大好きなんですけど、さらにこの人ぜっったいにほっとけないじゃん???

食事という生命維持活動においてやる気のでないというセリフは効くなあと思いました。
さて、前作のティレルは自死の選択肢をもった男なので、ほんと気が抜けない。でも彼があの選択をしたのは十分な説得力があって、むしろ死ぬ以外の道はなかったなとすら思います。義賊的なことしないと耐えられないくらいには、本心ではコンラッドの駒として手を汚すことに疲れていた。

FDのこのへんをきくと、前作の死に戻り前の自決への理解が深まる

でも、ティレルは頭がいいうえにリアリストなので、コンラッドの選択が効率的な為政者のだす解としてはおおむね最適解だとわかっており、そして指名ゆえに遂行する以外のこたえをもたない。悩まなくてすむように、自分の希望というのを徹底してもたないように生きてきた。

奥底は誠実だよね

それで、実はコンラッドは女神でないどころか女神を排除した一族の血をひく男で、つまり自分のしてきたことは単に悪行でしかなく、己が一族は何一つ報われることはない。それがわかったらもとよりなかった生きる気力が、いやいっそ死んでしまえとなることはもはや自明だったわけです。
だから、ほんとうのクロムの化身がアナスタシアでよかったでしかないよね。

みんなこれから一石二鳥より一挙両得って言おうね

使命のためにコンラッドの駒であり続ける、それを可能にしたのは自分の意思を、欲を殺すという選択でした。からっぽにすることで、逆らいたい心、憎む心を無視しようとしたわけです。
アナスタシアに出会い、彼女に惹かれはじめたティレルは空虚にせざるをえなかった自身の心と向き合うときがきた。

コンラッドの業でしかない

アナスタシアはティレルが心を、意思を取り戻すことを待つと決める。ふたりはついに正攻法でコンラッドを断罪し、表舞台から彼を一生退けることに成功する。(絶対脱獄すなという気持ち)社会的にだとしてもコンラッドを殺せるのはティレル√だけっていうのがなんともね。それだけティレル・I・リスターはコンラッドに苦しめられてきたということでしょう。
いやほんとティレルが救われる話でよかった。彼はひねくれてるけど本当は誰よりまっすぐできれいな人間で、それゆえコンラッドにつけこまれて70歳にされたけど、アナスタシアによって赤ちゃんに戻され、これからふたりで成長していくってことなんだよね…見守らせてほしい。

ランドンが最初の方で、ティレルとアナスタシアが恋人なわけないかみたいなこと言うじゃない?だから、ラストでランドンの前でいちゃついてくれるのかと思ってたんだけどいちゃついてくれないじゃないですか…。もうわたしが書こうかなと思いました。どこかで今後そんな小説があったら書いたのわたしかもしれない。

コンラッド
ティレルの章とサイドストーリーで彼のことを少し知れたのはよかったですね。ただのサイコパスが、どんなサイコパスかちょっとわかったみたいな…?愛とはどんなものかしらってところだったわけなんですね。そんなん言われても一ミリもかわいくないが。
思い込みというか、彼の中で降ってわいた直観が偶然的中することばっかりだったことと、優秀な頭脳とカリスマ性を持ち合わせてしまったせいであれが爆誕したことはなんとなくわかりました。
クライオスとティレル、ルーシェンを葬り、その遺品のジャケットをしいたうえでアナスタシアを強姦するってシチュはぶっとんでて彼らしくて納得です。しかも殺した弟の部屋でときている。

死ねば役に立つとかいうセリフはきいたことありますけど、これはすごすぎた

たぶんこれがもっとお姉さま向けゲームだったら、挿れながらアナスタシアを刺しただろうね。下も胸も刺されてかわいそう、みたいな展開。(なんだか急に月山を思い出しました。かねきくんが食べながらかねきくんをたべたいっていうアレ)なんなら死んでもおかしつづけそうですらある。
害悪だけど、必要なキャラクターだったことは間違いないです。
守沢千秋と声帯いっしょなこと忘れそうになるな…。(わたしはさくまりつがすきです、永遠に)

全体感想
FDまでやってこそのテン魔女というのはみなさまおっしゃる通りで、前作やって楽しかったならFDまでいったほうがいいと思いました。
いわゆる全員√はまだできてなかったりします。ティレルの余韻をのこしたくて…。でもイシュのはなしは読みたいんだよね、どうしようね…。

さいごはゼンがティレルを形容するあいあるセリフで。

ティレルのできないこと


蛇足だけど、誤字みつけちゃった。

ティレル様の じゃない?

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