コミュニティ運営メンバーつながりで小さな体験会をやった話

こんにちは、じゅんです。
Hokkaido MotionControl Network (#DoMCN)というHoloLens・VR技術好きの技術者コミュニティの勉強会を運営していて、開発者の知見の交流を促進しています。また、元・物性研究者として、研究機関に所属する若手研究者でxRに興味を持つ人を見つけてはHoloLensを被せに行き、開発者コミュニティへの橋渡しを行う事を続けています。これらを適切に表現する職名が無いので、勝手にScientist/Developer Relations と名乗っています。

 いつもながらの小規模運営ですが、今回もHoloLens、VR HMDの体験会を行いました。DoMCNでの体験会実施に協力いただき、日本HPさまからヘッドセットの貸し出しをしていただきました。ありがとうございます('ω')。

体験会について

 11月ごろからHoloLensを被せる機会を相談されていたので、機を伺っていました。今回は、DoMCNのイベントを一緒にやっているさって~さん(@s_haya_0820) の同僚さんということもあり、普段リモートで仕事されている状況であることも聞いていたということを考慮して、前後のリスクをコントロールできると判断して計3名での実施を決めました。当日にも大雪が降って、泣きそうになりましたが近所なので徒歩で行きました。

 会場には、HoloLens 2と、PC VRの2セットを持ち込みました。msi P65 Creator(GTX-1070 Max-Q)+ Samsung Odyssey+ の組と、ASUS ROG Strix SCAR 15(RTX-3080 16G)+ HP Reverb G2の組を用意しました。Odysseyの総画素数と比べて、Reverb G2は約2倍の数なので、つよいグラボのPCを最近買ってあってよかったなと思いました。あとは、さって~さんのnreal light Dev kit と、私のLooking Glass Portraitなどが補助用にありました。


 せっかく高解像度のゴーグルがあるので、それが生きそうなコンテンツを探していた所、年末に行われていたShader Fes 2021のVRChat内ワールドが公開されているのをちょうど発見して、みんなで入ってみました。

 空間に浮かぶエフェクトだったり平面内に仕込んである立体表現だったりさまざまな効果が展示されていますので、おすすめです。解像度が高ければ高いほどキレイに見えるコンテンツをお手軽に見られる方法があるのはとてもありがたいと思いました。今回の被験者(?)のうえきさんは、黎明期にOculus Rift&Touch を自分で購入し、その後Rift Sも個人で所有されているとの事だったので、PC VRの領域内で体験を比較できるようにしてみました。
 さすがVR経験者で、コントローラもすぐ使えるようになって展示空間を堪能されていたようでした。ノートPCでのVR体験でしたが、映像からくる酔いはないとの事でしたので安心しました。私はRift Sをほとんど体験したことがありませんので、それとの違いはちょっと想像できないのですが、機会があれば訊いてみたいとおもいます。

 当初の目的であったHoloLensの体験までだいぶ寄り道をしてしまいましたがこちらも体験していただきました。ハンドトラッキングの操作回りは初めてという事だったので、Hintアプリの操作を一通りやってもらい、MRTKのデモを触っていただき、最終的にはホロラボで最近公開されているアプリ体験版を触っていただきました。空間に作業手順が浮かぶものを以前イメージしたことがあるとの事でしたので、それに近いものの現在地を見せることができたかなと思います。

 3年前にイベントなどでPCVRで展示しようとしたら、デスクトップPCを一生懸命運んだりしてたと思いますが、最近のノートPCとゴーグルで質の良い体験ができていることに機器の進化を感じました。
 騒音のレベルとかも気にされていましたが冷却にもまだ余裕があったため、とても静かでした。「ノートPCを買うかもしれない」とのコメントでしたw

 クロージングではxR界隈の話やモンハンの話などをしました。Steam版の高解像グラフィックのモンハンを見せた所、さって~さんは揺らいでいました。誰かやりましょう。

 夕方のうちに解散して全員そのまま帰ったので、健康管理面でもリスクの少ない会になりました。会場協力もありがとうございました。

余談:準備編

 11月のXRMatsuriでブースにてお話しした日本HPさまから、体験会デモ用機材一式をお借りしていました。HP Reverb G2と、ZBook Create G7(RTX 2070 Max-Q)をまるまるお貸出しいただいていたので、このセットだけでもVRPCの出張デモが可能です。
 11月の時の手持ちがGTX1070マシンのみだったため、デモ用ノートもサービスしていただきました(高額機材の管理に手が震える…!)。

 工場出荷状態で届くので、Windows環境の立ち上げと、VR利用環境の立ち上げをする必要があります。ZBookで動くようにした後、新調したPCでも動くようにしていきました。
 ヘッドセットに差し込む信号ケーブルに不具合を発見したので、交換対応をした結果ちょっとレンタル期間が延びています。今回のデモには、ZBookは持ち込まずに自分のPCでやりました。

 なおHP社は開発者・開発コミュニティ運営者に向けてデモ用機器を貸し出すプログラムをやっていますので、興味がある方は担当の島﨑さん(@SakuraShimazaki)をウォッチしてみてください。

 レビューはまた別テーマの記事として書く予定です。結論だけ書くと、手持ちヘッドセットの精神的後継機として買いだろうと思います。気軽に持ち出せる低価格帯ヘッドセットとして大学の人とかに勧められそう(消耗品代で買えますし)。


ちょっと告知

①あぷこん 12/19-1/30, 2/27

 神戸の課題をデジタルの力で解決してみよう!な感じのコンセプトのXRアプリコンテスト #あぷこん #ミライノコウベ が12/19-1/30 応募期間, 2/27最終発表の日程で行われています。
 DoMCN では地域拠点協力をしており、札幌近郊でアプリデプロイなどの実機を要する作業にたいして機材協力をすることにしております。今回は、19日の時点での希望者が現れなかったため随時対応に切り替えておりますが、もし見落として機材が必要な方が居ればサポートしますのでお知らせください。

②Osaka Hololens Hackathon #HoloHack 2/11-20 

 HoloLens 2で動くMixedRealityアプリのハッカソンです。前回同様、ハッカソンよりやや長めの期間で開発するため、Hackwalkとも呼ばれるようです。オンラインの環境で開発と実機デプロイをそれぞれ実施します。北海道も①同様実機協力をする予定ですので、札幌近郊のエンジニアさんにもレアなHoloLens実機を使って動作チェックできるようにします。去年も同様のサポートをし、実施の振り返りを記事にて公開しています。

③Japan XR Fest Vol.2 2/27

 2月末の神戸にて、XR領域の展示会付きイベントを開催することになっています。前半はトークセッション、後半は①のあぷこんの体験会および企業の展示会・あぷこん決勝戦の発表という構成になっていますので是非さんか検討ください。また、DoMCNの役割としてトークセッションのうちの一つを受け持つことになりました。地方コミュニティの生存戦略について各コミュニティのパネラーと一緒に深掘って行こうと準備中です。

まとめ

 いろいろな方面からの助けを得られて、レアな装置の体験会も継続して行っています。エンジニアさんへの還元も継続していきますので、お気軽に相談してみてください。
 体験しないとわからない性質を持つxRデバイスをみんながもっとさわれるようになるようアレンジしていきます。

(2022/1/27 3108字 初稿
 2022/1/27 3333字 チェック完了 微修正)