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遡行すること数時間 辿り着いた岩窟に 旅人を迎えいれる白壁の段 船着き場で仰ぎ見ては 奥に鎮座する仏を想う
登る白壁の段 岩窟の奥に無数の仏 大小新旧贅粗はあれど 変わらぬ信心の思い ただひたすらに平穏を祈る
仏の山を背に 振り返れば 眩しい日射し 岩がつつむ 静寂の祈り
更に登る丘の上 風の音と緑がせせらぐ 頂に構えられし門の奥 漆黒に包まれた仏の座あり 暑さにじわりと汗が滲む
門をくぐる 中は漆黒と暑さがこもる 無数の仏が静かに鎮座す その迫力に心の鼓動強まる 振り返れば外の光
大自然と豊かな光 階段を下るたびに 滴り落ちる汗 遠く故郷を想っては 鳥の声にハッとする 遠くまで来た 遠く遠く離れた場所で 瞼に映るは 年老いた母と雪の宿