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素人のワイン造り(5)

というわけで、いとも簡単にぶどうの収穫は終わりました。バケツ(といってもアメリカ サイズです、6ガロン=23 リットル入り)に2杯、これがぶどうの木4本から得られるぶどうの実の量になります。これでワインを作ると5ガロン、つまり19リットル、およそ2ダースのワインができる、という計算です。

ところが今年はちょっと事情アリで、変則でした。まず、僕のぶどうの木のうちの1本がまったく実をつけていないのです。犯人はモグラでした。見るとあちこちに同じような被害に遭ったようなものがあって、これも自然相手の作業をやっていればアリですね。さまざまな手を打って事前に備えるわけですが、これは小動物ばかりでなく、害虫あり雑草ありで、そういうものに対処するために薬品を使うのが常套手段、でした。ところがこれをやると土壌が疲弊していきます。化学薬品は即効性がある(ように作られています)。だから量産するには最適ですね。あるいは計画的に栽培するには便利です。ところが、疲弊した土壌はそのうちに栽培が続けられなくなります。Sustainableサステイナブルというのが昨今のキーワードですが、生産の資源を長く使うことができるように、ということですね。それで農薬や殺虫剤はだんだん使われなくなってきています。その結果のモグラ。僕はその被害者ですが、それはまた自分の畑は化学薬品を使っていませんよ、自然農法ですよというアピールにもなるわけです。僕の場合はその結果、今年の収穫は半分くらいでした。下の写真をご覧ください。バケツにぶどうの実が入っています、素人っぽくていいでしょ?^^

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さて、自然農法と言えば、気になるのが “Contains Sulfite”、つまり「酸化防止剤(亜硫酸塩)」含有という表示ですね。これはたいていのワインの裏ラベルに表示してあります。「え?このワイン、オーガニックじゃなかったの?」という声が上がりそうですが、オーガニック!大好きな人が多いですよね。亜硫酸塩などは目の敵にされそうですが、実はこれは自然の中に存在していて、化学薬品ばかりでもないのです。もちろん酸化防止の効果があるので化学的に生成したものを追加することはあるものの、オーガニックだからと言って自然に混入している亜硫酸塩まで除去することはやっていません、というかできません。だからオーガニック ワインであっても「Contains Sulfite」と表示しています。さらに含有されている量を言うならば、たとえばあんずなどのドライ フルーツにはワインと比較すると7倍くらいの亜硫酸塩が入っています。こういう誤解、しないようにしてくださいね。


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