ジャジャジャの蛇太郎

 蛇太郎に電話したが入院中だとサソリ子が言う。木枯らし程度の胸騒ぎを栄養ドリンクで流し込んで、たばこ吸う。

 荒廃したシーソー世界のこちら側で、大山の噴火を見てる。レージが逃げまどう。レージ達が逃げまどってる。ルート66沿いを必死こいて走ってる。イヤでも走らねぇって言ってたのによ。ヨーカンぶつけたれ!栗ヨーカン!!
 歴史ある和菓子屋本舗は、ビルごと歯をむき出して笑ってるぜ。

 さっき、ケツの下に敷いてた文庫本の続きを見たら「・・・さて、射手座だったがために主人公は」だってよ。思わず出版社の方角めがけて式神とばしたぜ、ぴゅっとな。一番搾りのヤツを。

 あーあ笑った笑ったと涙をぬぐうサチコおばちゃんが空に大写しになっていることも含めて、万事がこんな感じでうまくいってる。

 多少の不平不満はあれど、それぞれの食卓について、いつの間にかそれなりにおさまってんだ。
 
 だから、懲りる訳も全くなく、残酷な春のキングはせせら笑いで相変わらず寝っ転がってられんのさ。

 川のほとり、遠雷を聞きながらすべてこんな調子で。こっちはたいした事もなしさ、友よ。

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