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衝撃の失格劇 〜北京五輪 スキージャンプ 混合団体戦〜

ワールドカップの個人戦ではたまにある「失格祭り」を

オリンピックの舞台、しかも団体戦で観れるとは夢にも思いませんでした。

これも、スキージャンプ競技の一つの側面ではあります。

大舞台への忖度

今までは、ある意味忖度されていました。

失格者が続出すれば、試合が壊れます。

それを運営もわかっている。

だからこそ、牽制の意味でも大舞台の直前のワールドカップでは

失格者が多くなります。

典型的だったのが、昨年の世界選手権前の最後のワールドカップ。

2本目にトップの得点を叩き出したGranerudでしたが

飛んだ直後の測定で失格となり、小林陵侑が勝利を手にしました。

また、総合ランキング2位だったEisenbchlerも、この日に失格になっています。

前述しましたが

スキージャンプ競技の一つの側面です。

こうして、大舞台前に引き締めを行い

大舞台では、失格者をほとんど出さないような施策を取ってきた運営。

今回は大鉈を振るったと言う感じなのでしょうか。

勝利への渇望とルール

そもそも、この煩雑なルール。

失格になりやすいルールは

競技者側の勝利への渇望、探求から派生して生まれています。

ルールに悪意はありません。

そのルールで裁く側にも悪意はありません。

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良くも悪くも、大舞台で世界中の注目が集まる中

今までのような忖度なく、しっかり裁いたのは

勇気のある運営だったとは思います。

特にメダルを争う中枢国のほぼ全部の選手を失格にすると言うのは

生半可な覚悟ではできないことです。

勝利への欲求の暴走を止める一手だったのかもしれません。

この競技に携わる人間は、こういったルールを受け入れ、対応しながらこのスポーツを楽しみ

戦っています。

#欲求という悪意

#欲求から生まれたルール

失格と試合展開

最初に失格になったのは高梨沙羅。

沙羅だけが失格になったのであれば、私もやりきれない思いが爆発したと思います。

この試合がいつものように、強豪国が表彰台に上がれば、日本チームのミスになってしまいます。

しかし、この試合

最終的に強豪4カ国の5人の選手が失格となり

金メダルのスロベニアは順当としても

銀メダルのROC、更には全くのノーチャンスだったカナダが銅メダルを獲得しました。

注目の舞台で異常性が際立つ最終結果となり

しょうがないの一言に尽きる試合となりました。

4年の1度の大舞台が故に、大ごとになっていますが

これがワールドカップであればこう言う試合もあると言う感じに片づけられていると思います。

来季のFIS会議がどうなるか注目です。

個人的には見応えがあった

なんとか2本目に進出した日本チーム。

2本目途中でノルウェーにも失格者が出て、にわかにメダルの可能性が生まれました。

ここからの男女2人の攻防は見応えがありました。

経験豊富な伊藤有希とモンスター小林陵侑を控える日本に対して

カナダは20歳のStrateと、時折トップ10に顔を出すBOYD-CLOWES↓

この2対2のマッチアップ、得点差は12.4点差。

力関係で言うと、日本の方が圧倒的有利な状況でした。

しかし、メダルを前にして普段以上の力を発揮してきたカナダ。

Strateが伊藤有希とのマッチアップを制し、得点差を広げると

HSオンラインのスーパージャンプを見せた小林陵侑に対して

BOYD-CLOWESも会心のジャンプを決めて、陵侑の追撃を振り切りました。

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強い選手がいながら、メダル獲得にフォーカスすると困難な国だった

ROCとカナダ。

特にカナダは、元選手の田中温子さんとその家族がいるので

馴染み深い国。

この2カ国が良いジャンプを何本も繰り出してメダルを獲ったので、素直に嬉しかったです。

日本チーム

高梨沙羅の姿を観ていられなかった。。。

ちょっと、大会で結果を出すと言う事から頭を切り離して欲しい。

ゆっくり休んで欲しいです。

精神的ダメージが計り知れません。。。

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やはり、この団体戦の中でやや調子を上げた佐藤幸椰。

ラージに向けて良い流れを生み出しました。

特にラージの団体戦では、スーパージャンプを期待したいところです。

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色々あった中でちょっと渋かった伊藤有希。

1本目がぼちぼちだっただけに、2本目がもったいなかったです。

先を見据えたチャレンジが、実を結び五輪の舞台で見たいですね。

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金メダリストになって頼もしさが増した小林陵侑。

自信に満ち溢れ、試合を掌握しています。

欲を言えば、1本目はもうちょっと距離を出せそうでしたが

2冠に向けて視界良好です。









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