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白熱の空中戦、充実の銀 〜北京五輪 スキージャンプ ラージヒル個人戦〜

スキージャンプのネガティブな側面を見せてしまった

混合団体戦とは打って変わって

スキージャンプの面白いところが、詰まりに詰まった

最高の個人戦となりました。

見ている方も競技者も痺れたでしょう。

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確実に今季のベストゲームの一つに数えられる試合となりました。

特に金メダルのLindvik、銀メダルの小林陵侑の

白熱の人外決戦は、楽しかったです。

試合展開

穏やかな風

多少の有利と不利はあったと思います。

横風もあったと思います。

しかし、高速ゲートでも飛びすぎる選手がおらず

多くの選手がビッグジャンプを繰り出し

納得のジャンプでガッツポーズを出し

気持ちの良い試合となりました。

そうした中で、今季強さを見せてきた

Lindvik、小林陵侑、Geigerと

総合1.2.3で表彰台を独占しました。

画像1

LINDVIK Marius

北京前に調子を上げたLindvik

この調子が北京まで持つのか?

個人的に焦点としていましたが、そこに関しては問題なかったです。

陵侑が絶好調ではない分、技術的な分は彼にありました。

しかし、ノーマルヒル

らしくない固さを見せて、悪条件に抵抗できずに7位に甘んじました。

らしくないジャンプ、テレマークが難しいジャンプ台。

金メダル筆頭でありながら、不安要素を持った中でのラージヒル。

1本目を1mちょい差の2位につけた2本目。

悪条件をものともせずHSまで飛び、テレマークを完璧に決めました。

完璧

自らに勝利し、金メダルへの道を拓き、掴み取りました。

文句なし、あっぱれとしか言いようがありません。

小林陵侑

前日に不安なジャンプをしてきましたが

試技は普通に飛んできて、不安を払拭すると

本番1本目

好条件を味方につけると

HSを超える142mのジャンプを見せて、更には完璧にテレマークを決めました。

絶好調であれば、着地を決められないところまで飛んでくると思いますが

そこまでは行かず。

しかしトップに立ちました。

注目の2本目。

前に飛んだLindvikが完璧なジャンプを決め、プレッシャーをかけると

わずかに狂った踏切と、悪条件にスキーを揺らし

金メダルにはあと一歩となりました。

Lindvikに勝つにはパーフェクトなジャンプが必要な中で

わずかな揺らぎが命取りでした。。。

しかしHSに迫ったジャンプで圧倒的な銀メダル。

凄いという言葉しか出てきません。

Lindvikと小林陵侑の2本目の攻防は

ノーマルヒルより興奮し感動しました。

凄かった、言葉に表せません

GEIGER Karl

今季世界ランク1位。

抜群の安定感で小林陵侑とLindvikと戦い、強さを誇示してきましたが

まさかの五輪にきてブレーキ。

標高とジャンプ台に全く対応できていませんでした。

この人の不調と共にどん底だったドイツチーム。

この五輪はもうダメだと思いました。

実際にラージヒルに舞台を移してもピリッとせず。。。

その苦しさたるや。K点を超えただけでガッツポーズを作っていたほどです。

これだけのトップ選手が、K点を超えただけでガッツポーズを決めるのは違和感しかありませんでしたが

結果は実を結ぶことになります。

前日の予選から、本戦の2本目まで全てのジャンプでガッツポーズを作り

自分を鼓舞し続けたGeiger。

2本とも今できる最高のジャンプを揃え

銅メダルを意地で引き寄せました。

イエロービブの意地。

とにかく良いジャンプを繰り出し続けるという、メンタルと

良いジャンプができたら、しっかり喜ぶ。

得点が出て安心しきった顔。

メダル獲得後の涙が印象的でした。

ついでに全員が調子を上げたドイツチーム。

団体戦は絶望的かと思いきや、メダル候補に名乗りを上げました。

敗れし強者たち

最高のジャンプを2本揃えてメダルへの可能性を見出したStoch。

もう少し、条件が味方すればメダルだったかも知れません。

計り知れない重圧、涙を流す姿には衝撃すら覚えました。。。

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完璧な調整を見せ、メダルの可能性を見出していたP.Prevcは

テレマークが決まらずメダル争いから脱落

調子が良く、悲願のメダルを目指したKraftは1本目に条件に飲み込まれ

万事休す。。。

五輪の舞台は生やさしいものではありません。。。

日本チーム

佐藤幸椰が15位。

2本ともタイミングが遅れ、気持ちよく飛ぶことができませんでした。

彼だけが、ガッツポーを決めることなく個人戦を終えたと言っても過言ではありません。

理想が高く、中々ガッツポーズは出てこないと思いますが

団体戦でガッツポーズが見れると、日本のメダルへの可能性が生まれます。

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小林潤志郎さんが24位。

2本目に、久しぶりに飛距離を伸ばし

ガッツポーズを作りました。

ようやく気持ちよく飛べた感じでしょう。かっこよかったです。

まずは団体戦に向けて、良い流れを作りました。

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1本目、五輪の舞台で会心のジャンプを決めた中村直幹。

順位は29位となりましたが

ワールドカップ中盤戦は苦しい時間を過ごしてきました。

ようやくのビッグジャンプが五輪という大舞台。

気持ちよく、最高に嬉しかったと思います。

団体戦も良いジャンプを見せてほしいです。



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